Ajが連れてきたのが、アメリカンショートヘアのイジー。もともと、わたしの家にいたのがムサシだ。イジーはもう20歳を超えているはずだが、堂々とした、風格のある猫だ

AGとは、もう4年の付き合いになる。一緒に住み始めてもうすぐ2年。ここ、中央線沿線に移り住んでから4か月ほど。自分で言うのもなんだが、ほんとうに仲のいいカップルだ。

結局、G動物病院では、止血剤と目薬をくれただけ。一週間後の再診まで、ムサシは元気なく、食欲なく、つらそうな日々を送った。わたしは心配し見守るしかなく、一方、相棒AGは、しきりにネットで、ムサシの症状と符合する病気について調べていた

元気がない。少しまえから気になっていたのだが、右目が少し飛び出した感じで、白目が大きくなっている。目について医師は、検査を受けてみないことにはなんとも…。

腫瘍なら炎症反応がでるはず。全身麻酔は老犬にとって、かなり負担だ。医師の、この2点の指摘から、わたしは、CTスキャンはしないほうがいいと判断した。医師は、では暫く様子をみましょうと。

予約を取りますか？ いや、ちょっとムリです。現に、その日の検査を終えたムサシは、すでに、はーはーぜいぜいの発作を起こし始め、帰宅すると横になって脚を痙攣させ、舌をベロベロと出して3時間ほど元に戻らなかった

いやー、ムリだろ、とわたしは思った。医者は、腫瘍であれば炎症反応が出るはずだと言う。しかも、CTは、ここではできない。大学病院まで行かなくてはならない。近くて、武蔵境の日獣。次に近いのが東大、、、

CTは、犬の場合、全身麻酔をかけなければならない。14歳の老犬にとってそれはかなりの負担だ。しかも、ムサシの場合、大きなストレスがかかると、発作を起こしてしまう。医者も「相当な負担ではありますね」と。

「じゃあ、鼻血の原因はなんなんでしょう？ すごい鮮血だったんです」と、わたしは写真を見せる。「驚かれたでしょうね、そんなに鼻血が出たら。でも、レントゲンだけじゃあ、なにが原因か、わかりません」てな、やりとりが続いたのだった。

レントゲンを見せつつ、「鼻の奥になにかできものがありますね」と医師。「腫瘍でしょうか」「その可能性はないわけではありませんが、わかりませんねぇ。CTスキャンを撮ってみないことには。でも、腫瘍であれば、炎症反応が出るんですが、それはないんですよ」

G動物病院へ急行。なんどか診てもらっている先生は不在で、はじめての医師が担当。血液検査とレントゲン撮影を行う。結果、鼻の奥に黒い影が何ヶ所か。しかし、血液検査は問題なく、むしろ優秀だと言われた。

写真では、ブルーのシーツだから、真っ赤に見えないけれど、鼻から噴き出したのはまぎれもない鮮血だった。只事ではない！ すぐにムサシを近くの病院に連れて行った。