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スタートアップが日々の業務の中で従業員を急成長させるためのちょっとした会議tips

社長がひとりで起業してひとりで動いている間は、何でも自分で意思決定をすればいいので、スピード感はそれなりにあります。工数的あるいは能力的にひとりで全部の仕事をやりきれなくなってくると、必然的に一緒に働いてくれる仲間が必要になります(複数人で起業した場合は、最初からこのフェーズにいると思いますが)。

するとチームビルディングも大事な仕事になります。組織としての経験(成功も失敗も)を蓄積し、組織としての力を高めていく。個人の能力を高めることで組織の力が高まるとか、個人の力の総和が組織の力になるとかいう言説もありますが、実際には、「組織の成長が個人の成長を後押しすることはあっても、個人の能力アップが組織全体の成長に寄与するとは必ずしもいえない」そうです。その辺の話はまたいずれ別の記事でしたいのですが、今日は、ある会議のやり方を通じて、組織のナレッジを急激に高め、従業員の力も高める方法について提案してみたいと思います。

会議資料でスライドを禁止する

「パワーポイントで綺麗な資料を作って社内会議に臨む」というアクションを禁止にします。代わりに、Wordなどのドキュメント作成ソフトを使って、きちんと文章(必要に応じて図表の挿入はOK)で表現したドキュメントで会議をします。

発表者や話題提案者は必ずこのドキュメントを作成し、会議の前に出席人数分印刷して、会議が始まったら配布。会議の冒頭に読み込む時間を取って全員が読了した後に議論をスタートするんです。

たったこれだけのことで議論の質は確実に上がりますし、従業員の能力も高まります。

従業員の能力が組織の運命を決める

スタートアップは何もかもこれから作っていかねばならない、成長途上の組織体です。雑に例えるならば育児と同様で、組織を乳幼児から成人に仕立て上げて成熟した会社に成長させねばなりません。

育児をする親が未熟な場合、様々な形でサポートをする必要が出てきます。スタートアップの従業員もそれと同様で、未熟な従業員の集まりでは組織の成長を促すことはできないのです。だから、なるべく短時間で力をつけていく必要があります。そのためにすぐに始められる方法論が、上記の「会議資料をドキュメントにする」ことだと考えています。

こんなにある「スライド禁止」のメリット

①しっかり理解していないと文章にできない
何となく分かっていれば深く理解していなくてもスライドを作成することは可能ですが、文章に書くにはそういうわけにはいきません。自分の頭できちんと理解してからでないと文章化はできませんので、担当者自身が自分の担当業務について深く考えて整理する機会になります。

②文章を書くにも様々な能力を問われる
会議資料を文章にすれば、論理的な構成力、分かるように伝える言葉の使い方(≒文章力)などを求められます。この過程で人材としての思考力が鍛えられます。

③文章を限られた時間で読んで理解するのも高い能力
このやり方は、会議の最初に限られた時間で文章を読み込むわけです。ある程度短時間で文章を読んで内容をきちんと理解するのにもそれなりの能力を問われます。①と②は担当者(ドキュメント作成者)の能力が伸びる事柄でしたが、この③は会議に参加する全員に影響する事柄です。

④議論の質が上がる
スライドを用いて口頭で発表する場合には、時間の都合もあり情報を網羅することができない場合が多いです。文章にすることにより、網羅性の高い情報伝達が可能になります。基本的な質問が出ても「それは書いてあります」で済ませられるケースが増えますし、網羅的に書いてある情報を前提にしたうえで議論を始められるので、議論が引き締まり、レベルの高いものになります。

⑤会社と従業員の相性を判断しやすくなる
このやり方を会社の文化にすることができると、「文章を書けない」「文章を読んで理解できない」という人は、「この会社には合わないかもな」という判断をつけやすくなります。文章の読み書きの能力は仕事の能力を図るうえで重大な判断軸になり得ます。

社内の会議に綺麗なビジュアル資料は不要

お客様に出す資料を綺麗に仕上げるために時間をかけることは有益な仕事となり得ますが、社内の会議には綺麗なビジュアルは不要です。形だけ整えて何となく報告できるスライド資料ではなく、きちんと思考しないと作成できない文章形式の資料を作成し、みんなでそれを読んで理解して、そこから議論を始めるというスタイルで、従業員能力の底上げを図っていくという会議tipsをオススメします。

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