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一人で家を買った女、机に向かって五秒で寝るタイプだが、独学4ヶ月半で宅建に合格した勉強法を記す。


 今回の記事は、タイトル通りのものなので何らかの試験を予定してない方が読むとそれこそ鼻から提灯がプクッと出ると思われます。
 そうなる前にnoteを閉じてください。


 2021年5月、無事に理想の物件の引き渡しを終えた私ことTwitterネーム「ジョー」は、とある目的のもと宅建(宅地建物取引士)試験の受験を決意していた。
 試験日は同年10月17日(人口の多い所では12月の部もあったりするがジョー地方はまず10月のみ)。
 受験者(ノー勉受験や記念受験の割合は不明)の中の成績上位15〜18%が合格する仕組みの国家資格で、難易度は「その人による」が大きいと思われる。例えば「法律に詳しい」な人や「不動産会社に勤務している」「建築業界にいる」な人達と、「法律も不動産系もド素人だよ!」な人達とでは理解のスタートラインが違うから感じる難易度もそれに応じたものになるだろう。「なんとなく簡単だと聞いた」とか「ウン十年前に受けて楽勝だった」な人とかはその辺に今年の問題が転がってると思うので実際どんなものなのか確認してみるのをオススメする。
 個人的には「丸暗記=合格じゃねぇ。合否の分け目は応用力と問題文の中にある罠にいかにひっかからないかだ」という感じだった。つまり丸暗記は前提で、試験会場の張り詰めた空気の中、バッチリ対策をしてきた受験者達を不合格にしようとする『ひっかけ』を冷静に回避する為の読解力が必須なのである。
 なのでまぁ、気になる方は無料の過去問アプリがあるのでやってみてください。

 さて。
 先述した中での私の立場は、もちろん超のつくド素人側だった。強みと言えば物件を探し続けていた数年の間に蓄積させた微々たる知識くらいのものである。とは言え、それに助けられた面もあるので無駄ではなかったのだろう。

 宅地建物取引士という資格は、不動産のあれやそれに関係するものだ。資金さえあれば、一人で不動産屋も開業出来る。資金さえあれば。二度言う。
 不動産屋に勤務する人が全員持っているのかというと、そういうわけでもなく。持っていると「その人しか出来ない」仕事がある。大雑把に言うと、その人がいないと不動産業務ができない、的な。

 とりあえず私は全くの素人であるので、懐にしのばせておけば「こ、このテキストが銃弾から俺を守ってくれたんだ…!」が出来そうな程の厚みを持つテキストをさっそく購入して開いてみた。

 なるほど。
 全然分からん。
 もはや何が分からんのかも分からん。

 私はテキストを閉じた。
 ちなみにこのテキストは、この後二度と開かれる事はなかった。

 ここで再度お伝えしておく事がある。
 机に向かってノートを開いてテキストを見ると五秒で寝る。
 背筋を伸ばして机に向かいたくない。
 この記事は、そんな私の揺るぎなき心情と「本当は勉強したくねぇ〜」という怠惰な気持ちのこもった内容です。です。

 テキストを閉じた私は「理解の前に全体像を把握しなければ」と考えた。
 そこで調べたのは『試験までに必要なもの』だった。鉛筆とかじゃないよ。いや鉛筆はいるけど。ボールペンによるマークは失格なんだって。いっそそこは一発勝負の心意気を認めてあげてほしいわ。

 試験での問題の数、時間はどのくらいなのか、問われる知識は何があるのか。
 その答えが次である。


問題数
 ・50問(講習を受けて5問免除され45問の人もいる)

試験時間
 ・50問の人は2時間

出題科目
 ・権利関係
 ・法令上の制限
 ・宅建業法
 ・税、その他

 問題数と時間は分かったけど、科目の意味がすでに分からん。税しか分からん。私は手元のスマホでそれぞれを更にググり、出題科目の欄に補足した。
 

出題科目
 ・権利関係…基礎的な法の知識等
 ・法令上の制限…街づくりへの規制等
 ・宅建業法…不動産業に関する事等
 ・税、その他…税金や他なんかフワッとしたもの


 なるほど、分かった。
 調べるうちに学習方法として「宅建業法」→「法令上の制限」→「権利(民法)」→「税・その他」の流れでやるのがオススメとあったのでそれに従うことにした。


 物件の引き渡しを終えて2021年6月、覚悟を決めた私の勉強が始まった。
 ……テキストは片付けた。


 利用したのはみんな大好きYouTubeだ。テレビはもはや部屋のオブジェと化している。年末のガキ使と金ローでナウシカやってる時くらいしか見てない。

 YouTubeで検索するとたくさんの資格試験対策の講義動画が無料でアップされている。マジでめっっっちゃある。
 この中から「2021年度宅建試験対策」系を選んでいった。2020年のは見ない。何故なら毎年ちょっとずつ法改正があって正解が変わったりすることがあるからだ。
 
 私は見つけた色んな講師の方の動画を、毎日往復3時間かかる通勤を利用してひたすら聴きまくった。
 もちろん、スマホのながら運転に違反しないように手帳型のケースを閉じて助手席に置いてラジオ状態で聴いていたのでご安心ください。そんな事でゴールド免許を失いたくない。免許書き換え時のゴールド講習、行った方は分かると思うけど壇上の説明の人が「本日はお忙しい中、ご足労いただきまして💦」みたいな感じでとにかく優しいので良い。逆に、違反講習やってる教室の前を通りかかったら「人を殺していてもおかしくないんですよ!」と怒られていたので、違反はすまいと思った。

 で、聴きまくって最終的に自分の耳と相性の良い5人の講師の方に絞り、試験日までコバンザメみたいについていく事にした。
 なお、この5人に絞るまでの間に諸々の概要は理解し終わっていた。分かれば問題ない。あの日「なんだコレ」と思ってた自分よ、さようなら。
 脳内の出題科目の欄は、こう変化していた。

出題科目
 ・権利関係
    ①民法(35項目くらいあるので書き出すのがめんどい)
    ②借地借家法
    ③区分所有法
    ④不動産登記法


 ・法令上の制限
    ①都市計画法
    ②国土利用計画法
    ③土地区画整理法
    ④宅地造成等規制法
    ⑤農地法 
    ⑥建築基準法
    ⑦その他


 ・宅建業法
    ①宅建業
    ②免許
    ③宅建士
    ④営業保証金
    ⑤保証協会
    ⑥広告
    ⑦34条書面
    ⑧35条書面
    ⑨37条書面
    ⑩8種制限
    11 クーリングオフ
    12 報酬
    13 住宅瑕疵担保履行法
    14 手付金
    15 監督処分・罰則
    16 その他
    


 ・税、その他
    ①所得税
    ②贈与税
    ③登録免許税
    ④印紙税
    ⑤固定資産税 
    ⑥不動産取得税
    ⑦地価公示法
    ⑧住宅支援機構法
    ⑨不当景表法
    10 不動産鑑定評価基準 
    11 統計
    12 土地 
    13 建物
   

 多いわ!!!
 やってる時は気にならなかったけど、今見たら多いわ!!!


 あとみんなそうだと思うけど「嫌だな〜めんどいな〜」という気持ちの時は集中出来ないし、何も身につかない。なのでそういう気持ちになった時は潔く勉強をやめていた。「嫌だけど毎日○時間が勉強のノルマだから…」とかは一切しなかった。私は自分が「集中してない時は水で戻したワカメくらい思考がフニャフニャしているタイプ」だと自覚している。だからやらなかった。昔からそうだった。集中したら2日くらいぶっ通しでやるけど、出来ない時は1分も出来ない人間だった。
 渋々やる3時間より、「知識吸収出来てる〜!」な15分の方を選ぶ。私の勉強したくなさよ。


 それからひたすらYouTubeを聴きまくった。6.7.8と3ヶ月繰り返し聴きまくった。聴いてる講師が複数人なのは、大筋は同じでも補足部分が違ったりするからだ。講師の先生の中には過去問を多くやってくれる人もいるので、問題の雰囲気も知る事が出来た。
 宅建業法、法令上の制限、民法、税金、この順番で日々ループを続けた。
 3ヶ月前の「何が分からんのかも分からん」状態だった私は完全に消え去り、「この部分をもう少し掘り下げている先生はいないか」と検索するようにもなっていた。
 こんなふうに、今までなら授業料を支払って解決していた問題が無料で出来る様になっているという状況は受益者にはありがたい限りだが、有料コンテンツとして提供してきた側にとってはたまったものではないと思う。模試の数を増やすとかで頑張って欲しい。


 9月に入り、私は過去問に取りかかり始めた。
 このやり方については割と意見が分かれていて、近年は過去問とテキスト(閉じたままだけど…)の同時進行がベストと言われているらしい。
 ただまぁ私は「まっさらの知識のまま間違った選択肢を読むと、そっちを暗記してしまうタイプの脳みそ」の持ち主なのでその方法は選ばなかった。

 過去問には無料のアプリを使用した。    
 本当になんでもあるな、世の中。

 アプリにした理由は、どこでも出来るからだ。
 さすがに運転中は出来ないのでYouTubeで講義を聴くのはそのままに、仕事の昼休みや食事、入浴の時間、寝る前、一人の時間を利用して一問一答を解いて解いて解きまくった。お風呂で半身浴をしながら過去問をやっていると風呂蓋に乗ったネコリアンが桃色のシシリアーナを至近距離から見せつけてくるので、尻尾の付け根をポソポソ撫でながら解いていた。
 間違った問題はチェック機能を使用し忘れた頃に解くようにして、ダラダラ寝転がったりしながら解説を全て丁寧に読み込み、「自分ならどういう問題を出すか」を考えながらやっていた。
 この辺りまで来るとだいたいの受験生が感じるだろう「民法は沼」を私もすっかり体感していた。え?裁判官の方って、あの判決文をスラスラ作れるんですか!?どういう頭の作りしてるの!?

 逆に宅建業法の事は心から愛していた。俺の味方はお前だけだという勢いだった。「ジャーン!それは変更の登録じゃなくて登録の移転でした!」みたいな罠をしょっちゅう仕掛けてくるけど、それでも愛していた。

 あと法令上の制限は油断させておいて突然難易度を上げて殴りかかってくるダーティーな存在だった。

 10月に入るとYouTubeの先生方の指導にも熱が入り始めた。動画内でカウントダウンが始まり、「君達なら出来る!」という空気だった。普段クールなタイプの先生ですら、ちょっと熱く優しくなっていた。
 私の方はと言えば、手に入れられるだけの模試を準備した。
 その数、12。法改正部分や予想問題も入った、全力で倒すべき相手達である。十二神将かな?
 ちなみに最初に選んだ模試4冊にはフルボッコにされた。べコンベコンになった。50点満点で28〜31点という有様だった。本番での私の目標は2020年10月試験の合格ライン38点に1点加えた39点だった。全然足りない。あと二週間強で最低でも8点、底上げしなければならない。
 私は4冊の模試を分析し弱点を可視化した。そして愛する宅建業法を5日間封印して、徹底的に法令上の制限をやり直す事にした。
 民法に舵を切らなかったのは、今の私では完璧にしにくい分野だからだ。

 だが先述したが法令上の制限と一口に言っても

 ・都市計画法(範囲が鬼広)

 ・国土利用計画法(割と好き)
 
 ・土地区画整理法(範囲は狭いがややこしい)

 ・宅地造成等規制法(割と癒し)

 ・農地法(完全なる癒し)

 ・建築基準法(例外規定が急に刺してくる)
 
 ・その他(何それ!?みたいな問題がたまに出る)

 と色々ある。私は特に土地区画整理法と建築基準法で点が取れていなかったので、繰り返しYouTubeを見続け過去問正答率を100%にし、ボッコボコにされた4冊の模試を解き直した。その合間にも、税金学習は過去問10年分丸暗記が最低限必要と聞いたのでそうした。

 10月に入った私の勉強時間は、通勤の3時間を含めると平日5時間、休日は10時間という感じだった。隙間時間の中でひたすらに問題を解く日々だった。ワッショイワッショイ頑張れワッショイ。誰も私の人生の肩代わりなどしてくれない。ふらつきながらも自分の足で立つしかないのだ。ワッショイワッショイ。
 今思い返せば、多分なんかちょっとハイになっていた。

 私がくっついてる先生の一人がオススメしていたブドウ糖入りのお菓子を貪り食いつつ、相変わらず机には見向きもせずにゴロつきながらやっていた。甘い物の摂取量がマジ半端ない時期だった。普段そんなにお菓子を食べない人間なので余計にそれが顕著だった。

 5日後、法令上の制限の強化を終えた私は、今度は権利関係の中から絶対に点を落とせない借地借家法と区分所有法と不動産登記法を強化ピックアップ対象にして再び模試に取りかかった。
 この時、いわゆる「業法スタート」と呼ばれる問26から解く方法と、普通に問1の権利関係から解く方法の両方を試し自分にどちらがあっているかも確認した。私は業法スタート派だった。先に業法に甘やかしてもらってから法令上の制限と税その他に殴りかかり、相打ち状態にまで持ち込んでおいて権利関係に向かっていく事にした。
 余談として、毎年1問出題される判決文問題については「うん、捨てよう」と力強く思っていた。対策が取りにくいし、判決文の意味を理解する時間と四つの選択肢をそれぞれ理解する時間がくそかかる。なのでそれを切って、代わりに業法の見直しに時間を振るつもりでいた。
 時間配分は本当に大切だった。何故なら引っ掛け問題が多すぎるからだ。
 勉強した人なら確実に「それな〜!!!」てなるだろう四天王。


 ・買主Bは宅建業者
 ・自ら貸借
 ・媒介or代理
 ・無効である(「無効じゃないですよ!」と叫ぶ某先生の声が今でも聞こえてくる気がする)

 
 これらに引っかからない為に私が取った対策は、こうだった。

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 全てにチェックを入れる。
 ウザいくらい、いちいち入れる。
 分かってても入れる。
 ちなみに画像は当日の本試験問題である。
 先の四天王以外にも「正しいものはいくつあるか」「誤っているものはいくつあるか」を間違わないようにした。単純だが、問題が後半になり脳が疲れてくると直前の問題に引きずられてしまう可能性があるからだ。

 カレンダーの日付は10月7日になっていた。
 残り10日。
 そこから8冊の模試を寝落ちの限界まで解き、答え合わせまでして爆睡し、早朝犬の散歩に行ってから犬を揉みつつ正誤の解説を読み込むという日々を送った。テキスト系は見ると寝ちゃうけど、解説は好き。ゲームの攻略本とか好きなタイプ。

 模試の点数は34〜39点を彷徨うようになっていた。

 ムラがあるのは勉強の仕方によるものだった。
 過去問や先の4冊の模試にはない知識問題は見事に間違っていた。前者はちゃんとテキストを読み込んでいる人なら解けて、後者は何かのスクール生なら解けるのだろう。だが私はそれでもテキストを開かなかった。眠くなるんだもん。眠くならない人はちゃんとテキストで勉強した方が良いと思います。テキスト見ずに勉強した私が言うのだから間違いない。
 テキストもなく(あるけど)スクール生でもない私が吸収できる新知識は、予想問題が散りばめられた模試の解説だけだった。正直、私の勉強方法は本番では思いっきり運要素に左右される。テキストにしかないような細かい所が数問出題されただけで終わる、かなり危険なやり方だ。参考にしない方がいい。

 YouTubeの講師の先生方の動画も「絶対に間違えられない基礎知識の総集」へとシフトしていた。私はそれも全部ちゃんと見た。本番で緊張してると基礎的な知識ほど「本当にこっち?」と悩んでしまうものだから。「権利関係の超基本、間違えたら詰む50個ピックアップしました」な動画にはマジで感謝しかない。
 前日の深夜まで勉強をした。ベッドで寝てる犬を起こさないよう、廊下で寝転がりながらやった。模試の解答用紙の上にわざわざ寝そべるネコリアンを脇に寄せて、オモチャを片手で振りながらやった。
 明日は試験だからゆっくり休もうとかはしないタイプ。
 私の視界は模試の束と、やたら間近で見せつけられる桃色の尻穴で埋まっていた。何故なのネコリアン。


 
 そして試験当日。
 犬の散歩を済ませた私は、会場でもよおしたりしないよう💩も快腸にすませて荷物を確認してから早めに出発した。

 道中いつものように助手席にスマホを座らせて用意していた「2021年統計対策」の動画を聴きまくった。
 今かよ!?と突っ込まれた方もいらっしゃるかもしれないが、今であった。元々そうするつもりだったのだ。毎年1問、免除項目の中から出題される(私は免除されないやつ)統計の問題は「前年度の不動産関係はこうでしたよ〜」な内容なので、コロナ禍だし直前の詰め込みで行けると考えていた。実際行けた。

 試験会場に着くと入場開始を待つ長蛇の列が出来ていた。階段の隅などに腰を下ろし、総集編的なテキストを開いて勉強している人を多く見かけた。私のバッグの中にはブドウ糖のお菓子が山程とエヘン虫対策の蜂蜜レモンジュースが入っていた。遠足か。
 過去問アプリを開いて最終チェックをする。法令上の制限。土地区画整理法も建築基準法も模試の解答解説の周辺知識を思い出しながら満点が取れる。税金は過去問丸暗記した。よろしく頼むよ宅建業法。権利関係。不動産登記法一応強化したけど間違える自信があるわ。民法?民法は「俺が法律だ!」の決意で挑む。


 ……時は満ちた。
 よし、行こう。

 会場に入り、時間が充分にあったのでエヘン虫対策のジュースを取り出した。
 
 ビックリした。
 
 蜂蜜レモン「サイダー」だった。

 の、喉がぁ!!!!

 気を取り直してブドウ糖のお菓子を口いっぱいに入れて噛み砕いた。ここから2時間フルスロットルだ、頑張れ脳みそ。


 試験監督からの注意事項やスマホ等の隔離を終え、問題用紙が配られる。
 「はじめてください」の声を聞き、一拍置いてから私は問題冊子を問26までめくった。


 問26〜問50までを一気に解いていく。
 少しでも「ん?」となった問題には後で見直せるようにチェックをつけた。
 「○○しなければならないと掲示されているわけではないものを選べ」みたいなやつにうっかり舌打ちが出そうになりながら業法と免除問題を終え、法令上の制限へと移った。

 難しい。
 笑う。 
 聞いた事ねぇわ、こんな事例。

 どんどんチェックが増えていく。
 だが手は止めない。

 権利関係は問1に判決文が見えたので問2から始めた。あの美術品の問題なに?知るか両方燃やしとけ。相続も死にすぎだろ。中に犯人いるんじゃないか?
 ここでもチェックが増えていく。それでも手は止めない。
 問2〜問25まで終わって、私は問1に戻った。捨てる気満々の判決文だが、時間もあるので一応見る。
 

 賃貸人は、特別の約定がないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、したがって、家屋明渡債務と敷金返済債務とは同時履行の関係にたつものではないと解するのが相当であり、このことは、賃貸借の終了原因が解除(解約)による場合であつても異なるところはないと解すべきである。


 めっっっちゃイージーじゃん……。

 え?マジで?まさかのボーナス問題?逆にひっかけかと二度見するレベル。今まで一度も初見で正解した事なかった判決文問題なのに。ここに来て突然の得点源化。やったあああ。1点いただきます!
 心の中で拝みながら、私はそっと選択肢1のマークを塗りつぶした。

 全ての問題が終わって、試験時間は残り20分となっていた。
 私はまず5分使ってマークシートに塗り間違いがないかを確認した。問題用紙に書き込んだ答えとズレがないか、1つの問題に2個マークしてないか、とか。
 それが終わってからチェックした問題の内「全然さっぱり分からん」やつ以外の見直しに向かった。さっぱり分からんやつは何時間考えてもどうせ分からんのだ。だったら「あぁ〜どうだったかなぁ〜」なやつを確定させに行った方がいい。

 残り5分。
 4分。
 3分。
 2分。
 1分。

 終了の合図と共に私は鉛筆を置いた。

 つ、疲れた〜。
 脳から煙が出てる気がした。

 会場を出て車がある場所に向かうまでの間、私はTwitterを開き「宅建 美術品」で検索した。
 たくさんの人が「燃やすな」と突っ込んでいた。


 はー、やれやれ。
 自己採点はしないでおこうと思いながら、その足で焼肉屋へと向かったのだった。


 ロース3人前とタン2人前、カルビ2人前と塩キャベツ、野菜盛りとスープとご飯ください。




🐕🐈🐕🐈🐕🐈💨




 そして12月1日合格発表。

 イェェェェェェェイ!!!!!

 ッッシャ!!
 オラァァァァーー!!!


✨✨✨✌️✨✨✨


 YouTubeの講師の先生方、本当にありがとうございました。

 まだ登録講習等の勉強もあるので、今少しお世話になります。
  12月受験の方、体調管理にお気をつけて、健闘をお祈りいたします。

 しかし怖ぇぇ〜。私の前後とか普通に数十人単位で番号が抜けてる怖ぇぇぇ〜。


 なお私は年明けに「せっかくだから受けるか〜」のやつを一個受けた後、再び動物系の資格に戻りますです。


 さて今日は素敵で美味しい物を犬猫に買って帰ろう!!

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