女 ひとり 家を買う〜リフォーム超奮闘編小話・アンティークショップへ旅立つ物達〜
もう5月も後半ですよ。来月6月とか。ビビる。
皆さん夏至は好きですか?私はめちゃくちゃ好きです。ただ季節は冬が好きです。
Twitterには書きましたが、この間スズメバチの巣と戦ってました。まだ初期の逆さとっくり型のヤツ。冬が来るまで蜂蝮蚊虻の四天王と戦う日々。全員虫偏なんだね。ずっと見てると混乱する。ハチ、マムシ、カ、アブ、です。あ、ブヨも。ブヨは犬を狙ってくるのでご注意を。
犬もネコリアンも4月末に誕生日を迎え、1つ歳をとりました。
犬6歳、ネコリアン2歳。犬もう6歳か〜。先日の集落での狂犬病予防接種で役場の人に「体は大きいですが、声は子犬ですね」と言われた犬よ。注射を見て「ヒヒィイン…」と鳴く。
「犬が5〜6歳になる頃に、縁があればもう一頭同じ犬種を迎えたいな」と以前から考えてはおりますが、女・独身・フルタイム・この先一人暮らし・先住犬土佐・猫同居、という保護動物譲渡難易度MAX物件(人件)なので焦らず縁を待とうと思います。健康と視力には自信があります。(とは言え譲渡条件の厳しさの理由は理解してるし、私よりも良い条件の方のお家に迎えられるのなら、それにこしたことはない。何より本来は譲渡となる境遇の子がいなくなるのが理想である)。
自分の気持ちを優先した結果、今家にいる子達がストレスを感じるようになってしまうのは本末転倒だしね。
この犬種が抱える複雑な問題をここで書くことはしませんが、もし触れ合える機会が訪れた時は、彼らの温もりを、優しい瞳をぜひ感じてみてください。まーじーで、めちゃくちゃ可愛いから。天使。大天使。餅で出来た天使、モチエル。好きな食べ物はサツマイモとイチゴ。
さてさて。サテリアン。
行きつけでも何でもない通りすがりのアンティークショップのオーナーさん(夫妻)に突然話しかけた私ことジョー。だが「買取します」と看板を出しているのだから別にいいだろう。「解体予定の倉庫の中身全部無料で差し上げます」的な事を言うと、奥さんが店内へと案内してくれた。アンティークと言っても洋風ではなく、和風レトロ感のある内装をしている。まさにうってつけ。
私は倉庫内の写真などを見せつつ、更に説明した。
「無料で良いんですか?」
「はい。処分費も解体費に入れてもらってますし、本来ならそのまま廃棄されるだけの物ですので。足代が出せず申し訳ないですが」
「いえいえ!ぜひ見させてください!」
交渉成立である。これで気に入ってくれるものがなかったら、本当すまん。でも桐箱に入った赤い婚礼セットとかあったから良いと思う。
日時をすり合わせ、挨拶をしてから店を後にする。
金銭の問題ではないのだ。
売主さんから「大切にしてやってくれ」と頼まれている。ならば道具の一つでも、大切にしてくれる家に繋げた方が良いと。そう考えただけだ。あと単純にアンティークのプロが何を選ぶのか知りたいという好奇心。
私は少し胸を弾ませながら当日を待った。
✨🐕✨🐈✨
待ち合わせの日。
暖かいジョー地方では、梅がそろそろ散りつつある頃だった。一年前の同じ時期はローンの仮審査とかしてたっけ。
あれから一年、早いものである。
そういえば懐かしのギルド長。私が何かする前に「ざまぁwwwwwwww」な事になってました。ざまぁwwwwwwwww
リフォーム開始を待つばかりとなった新居の元に、オーナー夫妻がやってきた。途中道で迷ったらしい。分かる。曲がり角とかはあんまりないんだけど、分岐が分かりにくいんだよね。
「よろしくお願いします!✨」
とても楽しみにしてくれている様子を見て「頼む…!なんか良い感じのアンティークあってくれ!!」と祈る。だってこれでなんもなかったら私、貴重な営業時間を潰しただけのイヤな奴じゃないですか…。
「どうぞ。ここの一角以外はお好きにお持ち帰りください。何でも大丈夫です」
「いいんですか〜!?✨」
いいんです。何があるのかは私にも分からんが。
旦那さんがあの虫がいそうな倉庫にモリモリ入っていく。そして虫喰いだらけのハシゴに足をかけ2階に上がっていく。
え!?それ登るの!?大丈夫!?ていうか、何それ。何に使うの?
謎の……なんだろう…何か…木を組み合わせたデッカいのが下される。それからガラス付きの扉も下ろされた。あとは糸を紡ぐ時のカラカラする木みたいなの。
奥さんは一階部分で色々物色していた。あ、桐箱の婚礼セット。良かった、持っていってくれるのか。あと木製の椅子も外に出された。
中庭にどんどん積み上げられていく。私おすすめのレトロガラスのミニ戸は「それは大丈夫です」と言われた。か、可愛いのに。
ちなみに婚礼セットの中身は朱塗りの杯とかでした。祝いの品なのでヤッケ先生にも先に確認取ったけど処分で大丈夫との事だったので。私も朱塗りの杯とかいっぱいあっても使わないというか。私に使わせたら刺身醤油皿になると思う。婚礼セットの名が泣こう。
しかし面白いと思うのが、ずっと住んでた売主さんのご両親が律儀な方だったのか大きい物から小さいものまで購入や使用した時の日付を記してる事。食器棚の後ろには40年くらい前の日付が書かれたシールが貼られてるし、私が相棒として貰ったノコギリも20年くらい前の日付がマジックで書かれてる。これいいなぁ。私もやっていこうかなぁ。
何てことを考えている間に、全ての探索が終わったようだった。集められた物達がこんもりとした山になっている。
「本当に無料で良いんですか?」
「いいんです。売主さんから家を大切にしてくれと頼まれてまして。必要とする家に旅立たせてもらえた方がありがたいです」
その木を組んだやつ、本当に何?
あ、ハシゴも持っていくんだね。虫喰いだけど大丈夫!?
よいしょよいしょと一緒に車まで運ぶ。ハシゴも木のやつも、リメイクされて店頭に並ぶのだろう。
「来ていただいてありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます!もし良かったらお昼代くらいですが…!!」
「いえそんな」
「いえ!受け取ってください!」
千円貰った。
達者でな、倉庫の物たち。中には付喪神化して夜中に歩く奴とかいるかもしれない。
生まれ変わって新しいお家で新しい道具生を歩んでおくれ。
車を見送って「さて私も帰るか」と家に戻ろうとすると、ちょうどヤッケ先生が軽トラで通りかかった。
ヤッケ先生、いつもベストなタイミングで通りかかるな。ゲームのイベントキャラみたいだ。
「先生、ちょうどよかったです。工事の日程が決まりましたのでお知らせします」
「了解了解。近所と駐車場スペースの持ち主には僕から連絡しておくよ」
「お世話おかけします(ペコリ)」
「いやいや、君の気の遣い方にみんな感心してたよ」
いえいえ。
「早く引っ越しして、先生から米作りと椎茸作りを教わりたいです」
「ハッハッハッ!任せておきなさい!」
マジで習うからな。二言はねぇから。お米は普通のと、餅米も作ってみたいんですよ。
軽トラで去っていく先生も見送って、私も帰る準備をした。
いよいよだ。
リフォームが始まる。
まずは離れを解体する。それから耐震に入って内装だ。
この時私はまだ「離れがなくなってもそんなに変わりはないだろう」と思っていた。
「えっ!!??ひっっっろ!!!絶対ピザ窯作ったろ!!」となるのは、この日から10日ほど後の事である。
もちろん、ピザ窯を作る時は公開するからな!
よろしく!!
次回、本編に戻り超奮闘編④へ続く。
リフォーム&DIY。離れがなくなったり、壁を決めたり、自力で漆喰を塗ったり!
一気に状況が動き、加速していきます!!
進め!フック船長号!!🚢💨
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