拼多多がタオバオより安い理由の考察
中国でECサイトの売上上位はこんな感じになってます
https://www.biz.ne.jp/matome/2004470/
今回はこの中でも2015年に登場以来ものすごい勢いで中国EC界を駆け上がって言っている拼多多(ピンドードー)について考えてみました。
2020年上半期には既に時価総額9兆円となり、京東を超えているようです
じゃあ拼多多(ピンドードー)って中国最強のECと呼べるかというとそうでもない気がします。分かりやすく言うと商品のクオリティを担保できずに安価販売で多くのシェアを取っていっています。
じゃあ天猫や京東も同じように激安ECやればいいじゃん!
と思うかもしれませんがそれができないジレンマがあるようです。
今回はそのあたりの考察です。
なぜ拼多多(ピンドードー)は他のECサイトよりも安いのか?
個人的に思った拼多多が安い価格を実現できるようになる方法が以下3点
1.物流コストを圧縮できる仕組み
通常中国のメーカーから見る1つの商品に対する物流コストは5-20元くらいらしいです。基本送料込みなので商品単価にこれらが含まれています。拼多多(ピンドードー)のシェアが高い3線都市、4線都市の場合物流コストも上がるのですが、シェア購入、激安の郵便局配送網を利用することで物流コストが他より安くできるようです。
生鮮食品の場合、コールドチェーンなどで商品のクオリティを担保する順豊等の有名物流企業ではなく、遅くても郵便局の配送を使う等の施策を取られています。
商品のクオリティを担保することよりも、値段で優位性を出すことを徹底的に追及した仕組みになっています。
2.激安プラットフォームである強み
メーカーからするとタオバオで売っても拼多多(ピンドードー)で売っても同じであれば同じ値段で売りたいと思うかもしれませんが、それをやってしまうと結果的にタオバオ店舗のブランドイメージを傷つけてしまう恐れがあります。
タオバオで極端な激安を一度展開してしまうと、店舗内で販売している他の商品が適正価格で販売していても高く感じてしまい購入されなくなってしまい結果として店舗の損益になってしまいます。
中国のECの中でも天猫や京東は商品の信頼度(偽物が混じっていない率が高い)や物流速度等を重視することで顧客満足度を高めてきましたが、品質よりもとにかく安いものが欲しい。というニーズに対してコミットした拼多多(ピンドードー)がそのシェアを獲得していったようです。
3.赤字商品で上位表示を行う
拼多多(ピンドードー)の運営側で展開される激安商品の中には戦略商品が混じっています。
拼多多(ピンドードー)と販売元で協議された戦略価格というのは、例えば通常10元で販売されている商品を、最初の1000個の注文は1元で販売、その後の1000個の注文は3元で販売、その後は通常の10元で販売する。という提携です。
これをすることで拼多多(ピンドードー)側で上位表示や目立つ位置での販売をしてくれるというものです。つまり最初の赤字部分を承諾して閲覧を上げるというものです。
タオバオの場合は最初から良い場所に表示されるために料金を支払うことで見られやすい場所に置いてもらうことができます。
拼多多(ピンドードー)でみかける、普通の人が見てもあり得ない価格設定の商品の多くはそのような戦略的赤字商品のようです。
まとめ
個人的に拼多多(ピンドードー)を使うことが多くなったのでなんでそんなに安いのか気になって考えてみました。
恐らく安いものが欲しい層の取り込みはほぼ完了したと思うので、今後拼多多(ピンドードー)がどのようなアプローチでアリババ、京東と戦っていくのか注目しています。