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中国の連続起業家のホテル王「季琦」

皆さん「季琦」を御存じですか?

多分今の日本人で季琦のことを知っている、または気になっている人は少ないと思います。

試しにググってみたら1ページ目に日本語の記事が出てくることはありませんでした。つまりほとんど情報無いということです。

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↑この人です

では中国のCトリップという予約サイト、漢庭、如家というホテルグループはどうでしょう?

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中国最大OTAで日本サイトもあるので見たことある人もいると思います。

実は季琦はCトリップ、如家、漢庭これら3つの企業を全てアメリカナスダックに上場させた企業の創設者なんです。

10年の内に3社を上場させたその経営センスに中国では連続起業家として注目されています。

3つの会社の時価総額は10億ドルを超え、漢庭を含む漢住会グループは現在中国最大のホテルチェーンとなっています。

メディア露出が極端に少ないので中国での知名度もそんなに高いとは言えないですが、その類まれなビジネスセンスと44歳にして3社目の上場を果たしたスピード感は中国の起業家の中でも異質の輝きを放っています

個人的に一番好きなビジネスマンなので今回は季琦について書きます。

もし中国語分かるならこの動画ご覧いただければ彼の生い立ちが大体分かります。起業する人おすすめ動画です。


簡単な生い立ち

季琦

1966年江蘇省生まれ

普通の農家の子として生まれました。

1985年上海交通大学に入学

工学部に入学したのですがあまりそちらに興味が持てず、大半の時間を哲学や歴史を読むという学生時代を過ごしました。

就職活動しましたがどこにも採用されず大学院へ進みました。

修士課程を卒業後最初は国営企業に就職しましたが海外への想いが強くなり1994年アメリカへ渡ります。

アメリカで中国との経済の差を感じ、その差を利用することが一つのビジネスになると確信し中国へ戻り起業します。

1999年にCトリップ(携程旅行网)を作ります。偶然にも1999年はアリババが創業した年でもあり、中国にインターネットが影響を与える最初の時期でもありました。

結果は時代のニーズにも乗り大成功をおさめます。

その後2003年からは如家の事業に取り掛かります。

如家のきっかけは携程网のユーザーからの口コミで携程网に掲載されているホテルは高い。というものに目がとまったからです。

当時中国にチェーン展開しているホテルはほとんどなく、ホテルの品質を担保するような仕組みができていませんでした。Cトリップのユーザーを誘導することも可能で親和性の高いホテル業界への参入をきめました。

如家も大成功をおさめ創業3年でアメリカナスダック市場へ上場を果たすまでになりました。

季琦は成功した後2007年漢庭というホテルグループを作りました。その当時は7天等他のチェーンホテルも乱立している時代で競合との闘いに勝つため

標準品質

を作り漢庭のブランドを不動のものにしていきました。

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3つの会社を連続で創業しているのですが、全ての会社を約3年で結果を出しているのです。

携程 1999-2002

如家 2003-2005

汉庭 2007-2010

3年間という期間を決めてビジネスモデル、チームビルディング、企業文化の熟成、他社にまねできない強み、持続可能なビジネスの基盤を一気に作り上げていく季琦のやり方は中国のダイナミズムを感じます。


またこの3年間と中国における大きな変革が起きた時期とリンクしていることにお気づきでしょうか?

携程1999-2002 中国のインターネットバブル

如家从2003-2005 SARS

汉庭从2007到2010 リーマンショック

季琦はこれらの中国が大きく変化する時、SARSとリーマンショックのような一見大きなピンチを迎えた局面でさえ、事業に投資を行い加速させてきています。

季琦曰く社会が不安定になった時こそ他社を出し抜き、自社の確固たるポジションを築きやすいと言っています。

その後は汉庭ホテルを華住会という名前のホテルグループに拡大し、今では4000のホテルを運営する巨大ホテルグループに成長しています。

全齐

東洋思想を取り入れた禅をテーマにした全季ホテルや

郊外のラグジュアリー系ホテル等そのバリエーションはあらゆるニーズを満足させることでしょう

护照zhu

出張が多い人は華住会の会員になっておくと、どの町にもグループのホテルはあるのでとても便利ですよ

個人的には以下のように使い分けています

一番安いホテルでいい → 海友

基本設備があって快適に眠れたらいい → 漢庭

ちょっとゆっくりしたい → 全季・桔子


中国語版しかありませんが、著書 创始人手记 は多くの起業家に読んで欲しい一冊です

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