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熊野古道を行く2  中辺路 滝尻王子〜秀衡桜

中辺路(なかへち)の第一日目は朝5時起き。洗面と身支度を整え、昨晩用意したパンとコーヒーの朝食をとる。コンビニもあるのだが開くのは6時半。6時過ぎのバスに乗るのには間に合わない。なので昼食用のおにぎりも前日に用意した。自動販売機で500mlペットボトルの水を2つ用意して、1L入るプラタパスに入れ替えてスタート。

紀伊田辺駅前 バス停、コンビニ、観光案内所が揃う 朝早くは利用できないため前日に

滝尻王子近くのバス停で降りる。 ここから秀衡桜を目指す。滝尻王子は中辺路のスタート地点で、ここから熊野本宮まで40キロほどを2日間で踏破する。1日目は途中の秀衡桜まで歩き、そこからバスで宿に向かうためにルートを外れ、野中の一方杉バス停まで行く。

バスは中辺路歩きの格好をした人しか乗っていない。それも外国人の方が多い。日本人かと思っていても、アジアから訪日という人も結構いた。滝尻王子で忘れずにスタンプを押し、歩き始める。結構急な山道だ。熊野古道という響きからは思いあたらないかもしれないが、これはれっきとした登山道だ。1日平均20キロの登山道。六甲山全縦走路を2日で踏破する感じに近い。

歩いていると、完全な山道に入ったり、人里にでたりと、結構変化がある。杉が林立する道、石畳の道、アスファルトの車道、眼下に集落を見渡せる高台、とりわけ、桜が見事だった。3月下旬なので桜が咲き誇っている、というだけでなく、立派な枝ぶりの桜が多いこと!見惚れてしまい、いつまで見ていても飽きない程だった。

あちこちに立派な桜が咲き誇る
見事な枝垂れ桜

7時前から歩くこと5時間、牛馬童子口のこぢんまりとしたサービスエリアにお昼頃に到着し、そこで用意したおにぎりを食べる。このサービスエリアは軽食があり、お土産なども売っている。車でここまで来て、中辺路のシンボル、牛馬童子の像を見に訪れる人もいると聞く。

中辺路のシンボル牛馬童子 サービスエリアのレプリカは大きいけど、実物はかなり小さめ

午後はおおよそ2時間かけて、目的地の秀衡桜にたどり着く。奥州藤原秀衡の秀衡桜だ。そういえば、藤原秀衡にまつわる乳岩、胎内くぐりの岩がスタート地点の滝尻王子にもある。目的地付近の宿が取れなかったため、バスで川湯温泉まで移動する。ただ、バスの本数は限られている。バスを逃すと大変なので、よく確認が必要だ。1時間近く桜を眺めてベンチに座りやり過ごし、バス停へ向かった。

同じ桜でも品種が違うのか、秀衡桜はまだちらほらとしか花をつけていなかった。

宿泊した川湯温泉の「まつや」は経済的なホテルでバックパッカーが多い。食堂がないため系列の「みどりや」での夕食付きプランにした。翌日のお昼を用意しようにもコンビニなどのお店はなく、「みどりや」の売店でようやくパンを見つけた時にはホッとした。民宿等に泊まれば、頼めば昼食用弁当を用意してくれるそうだ。やはり、中辺路では途中で宿泊する宿を確保するのが賢明だ。

「みどりや」で露天風呂に浸かり、バイキングの夕食をしっかりと食べ、翌日に備えて早めに寝た。ところで、「みどりや」の露天風呂は混浴。女性は湯浴み用浴衣、男性も腰巻きタオルをつける。数人の外国人女性は水着を着ていた。初めての混浴体験であった。



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