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Pay Forward 〜 恩を先につなげる

先月末、散策に出かけた折、財布を紛失した顛末は既にご報告済みだが、今度は落とし物を拾った話。

今日、役所まで年金関係の書類を持って行った帰りに車道に何かが落ちているのを見つけた。自転車を止めて近づいてみるとスマートフォンだ。ケースに入っていたので、落とし主の手がかりはないかと中を見るが、画面のクリーナーの布切れと、何も書かれていないメモ用紙が1枚。

これは落とした人も慌てているだろうと、来た道を引き返し、交番まで届けに行く。見つけた場所と時間を告げると当方の連絡先を聞かれた。
「結構です。」
「お礼などいらないということですね。」
「はい。」
「それでは、『不肖』ということで。」
というわけで、私は「不肖」となったのであった。

先日、私が財布を紛失した際、届けて下さった方も「不肖」だったのだろうか。いずれにせよ、連絡先がわからずお礼ができずにいたけれど、これで何だか気持ちが軽くなった。なるほど、恩は受けた人に返さなくても、他の誰かへと先につなげる事ができるものなんだ!

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