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サンチャゴへの道 巡礼振り返り(4) 宿泊について【2023年夏】

サンチャゴ巡礼を無事終えて、準備段階を含めて振り返りたいと思います。今回はアルベルゲなど宿泊施設についてです。

アルベルゲと宿泊費

アルベルゲは巡礼者(=クレデンシャル保持者)のみが宿泊できる宿だ。アルベルゲには公営のもの、キリスト教団体運営のもの、私営のものなどがある。今回泊まったアルベルゲの宿泊費で一番安価なところが7ユーロ。平均的なところで8〜15ユーロの印象を受けた。寄付制の所もあり、2回お世話になった。公営のアルベルゲのない所ではどこも20ユーロ前後というところもあった。以前の資料と比べると結構値上がりしている印象を受ける。

人気のアルベルゲ 寄付制

アルベルゲにバールが併設されているところもある。そういう所はチェックインをバールですることがある。また、そういう所は宿泊費をカードで支払うことも可能だったりする。もちろんバールがなくても、カードで支払うことができるアルベルゲも増えているようだ。

アルベルゲの予約

到着した人から順番に受け入れる、というのが従来のアルベルゲで、公営のものは予約を受け付けないところが多い。但し、私営のアルベルゲを中心に予約を受け付けるところが増えている。印象としては、夏のシーズンでも早めに到着すれば、予約なしでも宿にあぶれることはないようだ。予約をすれば安心ではあるが、「やっぱりもう1つ先の町まで歩こう」という変更ができないので、一長一短だ。

巡礼の数が一挙に増える最後の100キロ、サリアからサンチャゴの区間は団体の予約で混んでいて、宿探しに苦労した。この区間はハイシーズンには予約をしてもいいと思う。また、終点のサンチャゴに至っては前日に電話で当たってもどこも一杯で、結局ツーリストインフォメーションでホテルを紹介してもらうことになった。混んでいる時は2日前に予約をしておくべきだったと思う。また、フィニステレやムシアまで歩く場合は、アルベルゲの数が限られているので、これもまた予約を入れておいた方が無難かと思う。こちらも前日に予約の電話をしても既に予約で一杯で断られることが結構あった。

私の場合「 Buen Camino」というアプリを利用していた。巡礼ルートの地図上にGPSの位置情報が表示され便利なのだが、そのアプリにアルベルゲのリストがある。予約できるアルベルゲの電話番号も掲載されていて、クリックすれば電話がかかるため主にそれを利用した。「明日ベッドがあるか」と英語で聞いて、空いていれば名前を告げて終わりだ。また、中にはWebページから予約できるところもあった。

ホテルでの宿泊

もちろんアルベルゲでなく、一般のホテルに宿泊しても構わない。アルベルゲでの宿泊に疲れた時など、たまにホテルでゆっくりのもいいと思う。また、ホステルと呼ばれる宿にはベッドの他に個室の用意があるところもある。

個室でゆっくりした

今回は5回ほどホテル、個室を利用した。安いホテルで45ユーロ〜50ユーロ、個室(トイレ、シャワー共同)は20ユーロ〜40ユーロ程度だった。プライバシーが確保でき、周囲に気兼ねする必要がなく、就寝や起床も時間が自由になるので有難い。

ベッドとシーツ

アルベルゲでは二段ベッドが主流だ。上と下では下の方が何かと便利だ。シーツや枕カバーをセットするのも下の方が楽だし、バックパックをベッドの上に置くことは禁止なので、荷物の整理をするのも近くにバックパックを置ける下の段が便利だ。もちろん夜中のトイレも然り。

私の場合、巡礼初日、ロンセスバージェスのアルベルゲで上の段を割り当てられた。だがそれ以降は常に下の段だった。というのも、早くアルベルゲに着いたら、「どこでもどうぞ」とか、「どこがいい?」ということが大半だったからだ。また、予約を取った時は下の段を割り当てられていた。ベッドを選びたければ、早くに到着することをお勧めする。

ほとんどのアルベルゲで紙製の使い捨てシーツを用意している。ベッドバグ(南京虫)対策だろう。2箇所ほどシーツ代金(1ユーロ程度)を取るところもあった。布のシーツを渡してくれる所もある。サンチャゴに近ずくと毛布が用意されていることが結構あった。いずれにせよ、その上に自分の寝袋を広げて寝ることになる。私の場合は防虫のトラベルシーツを持って行った。寝袋に入ると暑い時には防虫トラベルシーツに入って寝た。

ベッドの上の小さな白い物が使い捨ての紙製シーツ

門限とドアロック

アルベルゲは12時〜14時に開くことが多い。開くまでは入り口に並んでいたり、バックパックを置いて順番待ちをしている場合もある。また、門限があるところがほとんどだ。門限(午後10時頃が多い)になると入り口のドアに鍵がかかり、泣いても喚いても中に入ることができない。

門限とは別に、ドアにオートロックがかかり中に入るのに暗証番号で解除するところもある。一度、暗証番号を聞かずに外に出たために中に入れず、裏庭から開いていたキッチンへ入ったことがある。ドアロックがある場合は、チェックインの際に教えてもらうか、番号が掲示してあるのを確認するかだ。番号の写真を撮っておくなり、メモをしておくなりする。なお、フロントに係りが常駐していないホテルも同様に暗証番号でドアロック解除をするところが多い。

午後8時〜10時半はドアロックがかかるという表示 見逃す人もいる

また、朝早くに出発する際、ドアが開かずに困ったことがある。暗い中、よく確認するとドアにロック解除のボタンがあり、それを押すとドアが開いた。また、ドアではなく、横の壁にロック解除ボタンがある、ということもあった。見つけるのに結構時間がかかった。外に出るのにドアが開かない場合は、解除ボタンを探してみることだ。なお、物理的な鍵がかかっているところもあって、これにはお手上げだったが、なぜか鍵のありかを知っていた人が開けてくれて助かったこともある。


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