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期限を切らないとうまくいく

スモールスタートって言われる。

新規のビジネスや、
デジタル的な部分で、
手近で安価でとっつきやすい部分からまず始めてみよう。
そんな文脈で使われる言葉に感じる。

2021年5月から、
工場長(40代)・班長2人(40代と30代)・オペレーター(20代)・社長(自分・30代)で集まって、
「自分たちで機械の稼働状況見える化出来るデバイス作れないかな」
そんな思いで、始めてみた。

で、

12月頃には、初号機を現場に実装することが出来た。
*説明用の動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=w7vnv9Q3kyc

そこで、今後のために、どう進めると良いかを残そうと思う。

スモールスタートのメリットとデメリット

【メリット】
これは1にも2にも、さっさと始めれることに尽きる。
手近で安価で少人数で始めるので、
「〇〇したいな~」から、着手までが早い。
加えて、成功体験をどんどん重ねていくので、
チームの一体感や「やったぜ!!」と達成感を感じやすい。

また、元手がかかってないということは、
サンクコストが殆どないので、
「なんか違うぞ。。。」と思ったらダラダラせず、
さっさと見切りをつけることが出来る。

英語表記はsunk cost。既に投資した事業から撤退しても回収できないコストのことで、埋没費用ともいう。それまでに費やした労力やお金、時間などを惜しんで、それが今後の意思決定に影響を与えることを、サンクコスト効果と呼ぶ。(野村証券HP証券用語解説集より)
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/sa/A02367.html

【デメリット】
当然デメリットもある。
手近で安価から始めるので、実装できる機能が限定される。
あれもこれもと詰め込むことが出来ない。
そこで、次で説明するが、
・何をするか
・何をしないか
ココを考える必要がある。

スモールスタートを切る前に、考えるべきこと

先ず当たり前だが、何をしたいのかを考える。
但し、ガッチガチに決める必要はない。
ふわっと、

「せいさんすうがみえるようになったらいいなぁ」

くらい決めておけば上等である。
最初からガッチガチに決めてしまうと、
後々自分たちの成長を阻害することにもなりかねない。
なぜか

必ず、「もっとこうしたい」と欲が出てくるから。
そして、その都度調べたり勉強して、
少しずつ成功体験が重なっていく。

次に、こちらが重要だが
何をしないかを考えてほしい。
こちらは、割とガチガチに考えて頂きたい。
スモールスタートのデメリットでもお話ししたが、
手近で安価なところからスタートを切るのだ。
あれもこれもと機能を詰め込めない。

耐久性は目をつぶろう、とか
1つ2つの誤差は目をつぶろう、とか
見やすさは目をつぶろう、とか

ある種のあきらめと割り切りが肝心である。

この部分であきらめが付かないのであれば、
スモールスタートではなく、
外部の業者さんを入れたり、
社内で大々的にプロジェクトチームを組んで
ビッグプロジェクトでやった方がいい。
*但し時間もお金も人手もかかる

図1

スモールスタートにて、気を付ける事

特に予算と期間について、
ガッチガチに決めることは控えるべきだ。
ここもふわっと、

「いちねんかんかけて、じゅうまんえんくらいでやってみようか~」

くらいにしておくべきだ。
なぜなら、
小さな雪玉を転がしたらどんどん大きくなるように、
成功体験を重ねながら、やれることは増えていく。
やりたいことも増えていく。
欲がどんどん出てくる。
最初からガチガチに予算や期間を決めてしまうと、
転がる雪玉をセーブすることになる。
細かな計画や、予算案は、かえって邪魔である。

このラインを割っても、成果が無いようなら撤退しよう

そのラインさえ、ふわっと決めておけば十分である。

出来たらトップが参加しよう。
口は出さんが金は出す、のスタンスで

そうは言っても、
これ買っていいのかな、とか迷う場面は必ず来る。
その都度承認を得ていては、
スモールスタートのメリットであるスピード感を阻害してしまう。

だったらトップが最初からいればいい。

「これが必要です」
『その値段ならOK』
これが理想。


逆に、口を出すのは最後にした方がいい。
議論が煮詰まったり、
どうしても前に進まなかったり、
先が見えなかったり、

スモールスタートは、とにかく前に進むことが肝である。
こういった暗中模索の際に、
「じゃあこっちでやってみようや」
とトップが言えば、
チームはホッとする。

少なくとも、動けるから。

決めない、と言う勇気と面白さ

先日お亡くなりになられた漫画家の水島新司さん。

ドカベンなどの野球漫画を数多くお描きになった。
以前何かの時にインタビューを読んで驚いたのだが、
漫画の中で試合開始した時点で、
結末を決めてないそうだ。

だから山田太郎(ドカベンの主人公)が、
劇的なホームランを打つ場面をご自身が描いて、

「いやぁ~、山田よく打ったもんだ」

と感心なさってたらしい。
(自分で描いているのに)
スモールスタートで初めてみて、
何となくこの気持ちがわかる気がする。


始めた時点で、こんな期間でここまで来れるなんて思ってなかった。

やらないことを決めて、
やりたいことは「ふわっと」決めて、
「まずやってみっか」と始めた。

決めないことは、不安でもある。
でも、雪玉が転がると信じて動いて、
そうしていつしか、辿り着いたここ。
とても面白い、8か月だった。

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