犬とヤマトと②

私は、いきなり、
好きな人ができた。
早朝、薄暗い倉庫で働きだして、
3日目ぐらい、

喫煙スペースの所で、
タバコを吸っていた、
ある男性に、
上から何だかわからない光がさしていて、


白いスポットライトというかな、
私は、たまに、
何かが、光って見える事が、
あるんですよねぇ…。


ずっと片思いしながら働いていて、
その人は、後に旦那になるが、
それはどうでも良くて、

それより、

私のものにはならないが、
季節の果物とか、
重たい米とか、
何か色々な荷物を見ているのが、
すごく楽しかった。

一年通すと、
四季がそこにあるというか、

冷蔵庫を開けた瞬間の、

甘い桃の匂いとか、
ぎっしり重なった佐藤錦とか。

こんなに、多くの人が、
誰かに何かあげるんだな…、
※自分で買った人もいる

だから、震災の時に、
行き場をなくした荷物の山を見て、
せっかく送ったのになぁって。

こんな時に届けられない。。
道がなかったから…。


そんなに時間はかからず、
冷蔵庫いっぱいに、
ミスピーチという、
福島の桃の箱がきた。

おかえりー!!

桃がこんなにたくさんあると、
誰かに言いたかったけど、

基本的にひとりで
黙々とやっていたので、
自分の胸だけ熱くしていたのだが、
嬉しかったんだよ、本当に。

私のところ(?)に、あるという事は、
全国津々浦々の
ヤマトの冷蔵庫にもあるからね。

たくさん収穫できたわ…って。


つづく

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