スウ・ドン剣法免許皆伝56攻撃は最大の防御なのか

攻撃は最大の防御なりという言葉は大体の人が知っている。そしてまた、剣道マンの中にもそれを信じている人もいる。常に積極的に攻撃を仕掛ければ、相手は防御一方になって攻撃する暇がない、だからこちらは防御する必要がない、だから攻撃は最大の防御だというような理屈だろう。でも自分には、攻撃は最大の失敗の方がしっくりくる。若い時からその痛みや悔しさの体験の方が多かった気がするのだ。遠く離れた所からの、大砲や鉄砲や弓矢であれば、攻撃は最大の防御が通用するだろう。遠くから放つこれらの武器の攻撃は威力があり、武器そのものには防御のボの字はひとつもない。攻撃あるのみ。玉が底をつく前に相手を降参させなければ意味はないのだが、豊臣と徳川も、徳川と倒幕も大砲が大きな仕事をして歴史を作ってきた。戦も最終的には、人が打って出て、接近戦で刀や槍で戦わざるを得ないだろう。さてここから現代剣道に当てはめて考えよう。人と人との戦いにおいては技量の差が勝敗を分ける事もある。しかし、人は本能的に防御する動物だ。火事場の馬鹿力、窮鼠猫を咬むこともある。強いと思って強気で行っても、攻撃が最大の墓穴を掘る事にもなりかねない。刀や槍は鉄砲や大砲のように強力な武器ではない。人は本能的に防げるのだ。相手の攻撃を躱せば何とか命拾いできる。その後を運良くこちらの勝ちに繋げる可能性も出てくる。相手の手の内を出させることが最大の防御につながる。攻撃は最大の防御でなく、「攻撃させる事が最大の防御」と言えるだろう。そしてまた、昔の戦でも数の論理は生きていた。数の多い方が勝利には結びつけやすい。現代剣道に置き換えてみても同じだろう。対処する技をたくさん持っている方が、生き残る確率は高くなるだろう。しかしながら最後にまたまた言うが、防御なんて関係ねえ、自分の命が落ちるなんて考えねえ、攻撃あるのみの薩摩示現流は、強かったあ怖かったあ。攻撃は最大の防御ではない、攻撃は攻撃、現代剣道には同じようには出来ないけれど?今日の自分は何が言いたかったのだろう。まあ何か考えながら稽古するのは楽しい。今日も頑張ろう💪💪💪