スウ・ドン剣法免許皆伝51ビジネス原理に基づいた剣

前回考えた、敵を知り己を知ればはビジネスの世界でもよく使われる。ビジネスとは商売、基本的に物の売り買い、売る人買う人があり、商品を買ってもらわない事には、利益は出ない。そこで大事なビジネス原理とは何か。お客のニーズに基づいた商品を売るという事だ。これはいい物だよと、こちらの価値を押し売りしても、騙されない限り簡単には買わない。でも、自分の欲しい物なら金を倍出しても買う人がいる現実だ。絵画の世界だって同じだ。自分はいい絵を描いたと自画自讃して満足していても、誰かが買ってくれなければ絵の価値はない。買いが付かなければ、絵画にならず、自分の家にずっと居る絵で埃をかぶる。それでも、売れないのは見る目が無いからだと誇りを持ってる芸術家は多い。売れれば次から次へと人の手に渡り、自分の画風の世界が拡がり人に知られ、価値の分からない人まで高い金出して買うなんて事も絵画の世界にはあるけれど。
繰り返して言うが、ビジネスは自分の価値観自分の思いを押し付けるのでなく、相手のニーズに答える事が商売繁盛の近道という事だ。考えてみれば、剣道する僕らも、相手と「技有り面一本」のやり取りを、竹刀を介して行っている。金のやり取りを伴うビジネスとは違うが似たようなものだ。金ではなく、心のやり取りでお互い支払っている。満足のいく面打たせてくれてありがとう、感謝の念を支払います。うーんいい所を打たれたか、勉強になったよありがとう、感謝の念を支払います。
相手が何をしたがっているのか、相手のニーズを探る事は、前回の話、前々回の話に関連する事で、ビジネスと同じだと思い、こんなタイトルで考えてみた。
基本の稽古を、自分中心で一生懸命にやる事はもちろん大事な事だけど、試合は相手中心に物事を考えていかないと、うまくいかないよというビジネス原理を頭の片隅に置いて、稽古してみてもいいかも知れない。それにしても、マスク着けて大きな声を出さないでする剣道なんて剣道じゃないなあ、顔隠す忍者か隠密剣士だ。我慢するかなまともに出来る日まで、我慢出来ないなあ、好きだから。