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令和2年司法試験・民法・設問2関連・基礎知識

令和2年司法試験・民法・設問2関連・基礎知識
【相隣関係】
(隣地の使用請求権)
209条
語呂→自力(209)で請求できる隣地使用権
(公道に至るための他の土地の通行権)
210条
1項の略=公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行できる。
2項の略=池沼、河川も同様
語呂→忍者(210)のように通れる隣地通行権
211条
1項=前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
2項=前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。
語呂→爺(21)が行(1)ける最小限の道でよい。
★隣地通行権の登記は不要
【判例】
最判昭和47年4月17日
青森県弘前市の開墾地の事例
【要旨】 〔最高裁判所民事判例集〕
袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる。 ★自動車の通行権
判例=最判平成18年3月16日
【要旨】 〔最高裁判所民事判例集〕
自動車による通行を前提とする民法210条1項所定の通行権の成否及びその具体的内容は、①公道に至るため他の土地について自動車による通行を認める必要性、②周辺の土地の状況、③上記通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである。
【事案】
→千葉県において、囲繞地通行権によって自動車の通行の可否が争われた。
【登記の要否】
登記無くして囲繞地通行権を主張できる。∵公示制度と無関係
212条=通行できる土地の損害に対して償金を支払分けねばならない。
★213条
1項=分割によって袋地になったものは分割した者の土地に通行できる。この場合、償金は不要
2項=とちの所有者が他の者に譲渡しても準用する。
語呂→兄さん(213)が土地分割したとき、兄さんの土地を償金なしで通れる。
【小問(1)関連】
(1)aの部分は、213条1項の土地にあたる。償金なしで通行化。
(2)自動車が通行可能となる拡張部分b部分は213条1項では通行不可。自動車で通行する必然的な理由なし。
【小問(2)関連】
★地役権設定契約の性質
地役権=280条
地役権者は、他人の土地を自己の土地の便益を受ける権利を有する。
要役地―承役地
語呂→土地は地割れ(280)しても、地役権は続く。
1、地役権者は、土地所有者又は地上権等物権者に限られる。賃借人は地役権者になり得ない。
2、存続期間に制限はない。永久も可能。
3、有償は特約
【小問(2)・地役権設定契約の性質】
Bの主張=物権契約であることを強調。たいかの支払は地役権設定の要素ではなく、あくまでも特約
Dの主張=対価の支払いは地役権設定契約の内容となる。要役地の所有者は設定契約に基づいて対価を支払、承役地の所有者は承役地としての義務を負担しなくてはならない。地役権そのものは、物権であるが、物権設定には債権債務関係の手続が必要になる。
【小問(2)・契約解除の制度趣旨】
Bの主張=契約の拘束力から債権者から解放するという契約解除の制度趣旨は、債権者を反対債務から解放することになる。したがって、地役権設定はあくまで物権の範疇にあり、債務ではない。債務を有しない者が契約を解除できない。
Dの主張=契約の拘束力から債権者から解放するという契約解除の制度趣旨は、債権者を反対債務から解放することになる。このほかに、契約の拘束力から解放するもである。したがって、債権者は債務を負っていなくても、契約の拘束力から解放されるという点で契約を解除できる。
物権の設定については、契約が必要。物権の設定後は物権特有の規律に従うが、
設定手続には債権債務関係の手続を行うことが必要となる。したがって、物権の契約といっても、その一部には債権債務契約の要素が含まれる。売買契約という債権債務契約が行われて、目的物の所有権は物権の性質を持ち、その規律に従う。

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