刑法条文・理論攻略法2

刑法条文・理論攻略法2
【盗品等に関する罪】
256条
≪語呂≫
語呂→女性じゃなくて盗品で生きるジゴロ(256)
≪条文≫
(盗品譲受け等)
第二百五十六条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
≪内容の覚え方≫
→夢遊(無償、有償)病者が運んで、保管して、あっせん
≪保護法益≫
①財産罪の被害者が被害物に対して有する回復請求権(追求権)
②窃盗罪の本犯に事後的に関与して本犯を助長することを特別に処罰

≪判例1―保管中に盗品であることを知った後に保管を継続した場合≫
→知った時点以降の保管につき保管罪が成立(最決昭和50年6月12日)
【文献種別】 決定/最高裁判所第一小法廷(上告審)
【裁判年月日】 昭和50年 6月12日
【事件番号】 昭和49年(あ)第1161号
【事件名】 賍物寄蔵、賍物故買、賍物収受被告事件
【審級関係】 第一審 24005365
大阪地方裁判所 昭和48年(わ)第2094号
昭和48年11月15日 判決
控訴審 24005366
大阪高等裁判所 昭和48年(う)第16885号
昭和49年 4月 9日 判決
【事案の概要】
  被告人Kさんは、昭和48年2月22日午後10時ごろ、大阪市西成区のホテルの一室で、T氏から、背広三ツ揃等四点(時価合計一万六、七〇〇円相当)などを、それぞれ預り保管中、その4日後、右物品はいずれも同人が他から窃取してきた物であることの情を知るに至つたが、その後同年四月一七日ごろまでの間自室でその保管を継続した。
【要旨】 〔最高裁判所刑事判例集〕
賍物であることを知らずに物品の保管を開始した後、賍物であることを知るに至つたのに、なおも本犯のためにその保管を継続するときは、賍物の寄蔵にあたる。
≪判例2―窃盗の被害者を買主とする盗品等の有償処分のあっせん≫
→被害者の正常な回復を困難にするほか、窃盗等の犯罪を助長し誘発する恐れがある行為は「有償の処分のあっせん」にあたる(平成14年7月1日)
【文献種別】 決定/最高裁判所第一小法廷(上告審)
【裁判年月日】 平成14年 7月 1日
【事件番号】 平成13年(あ)第1728号
【事件名】 盗品等処分あっせん被告事件
【審級関係】 第一審 28075758
富山地方裁判所 平成13年(わ)第1号
平成13年 3月27日 判決
控訴審 28075759
名古屋高等裁判所金沢支部 平成13年(う)第26号
平成13年10月 4日 判決
【事案の概要】富山市内の会社から盗んだ手形を、盗んだ手形の有償の処分のあっせんをした被告人が、被害者に売りつけようとした案件。
【判示事項】 〔最高裁判所刑事判例集〕
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする場合と盗品等処分あっせん罪の成否
【要旨】 〔最高裁判所刑事判例集〕
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、刑法256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たる。
≪罪数≫
盗品等罪の罪数
1、窃盗の教唆犯が盗品等を有償で譲り受けた場合
→窃盗罪の教唆犯と盗品等有償譲受けの両罪が成立し、併合罪(45条前段)
2、盗品等の保管者が盗品を横領した場合
→盗品等有償処分あっせん罪と横領罪が成立し、併合罪
3、盗品等罪の各類型にあたる犯罪を立て続けに複数行った場合
→盗品等罪の包括一罪
以上

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