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お気に入りのヤマザキマザック美術館で「八幡はるみ GARDEN」展鑑賞

ヤマザキマザック美術館は展示がユニーク

アートに触れると心がスッキリするので、時間を見つけては美術館に行くのだが、特にお気に入りなのが、名古屋市地下鉄「新栄町」駅直結のヤマザキマザック美術館だ。こじんまりとした美術館だが、その分、ひとつひとつの作品にじっくり向き合うことが出来る。

1階に入口があり、その奥に受付・ミュージアムショップ・100円返却式コインロッカーなどがあり、音声ガイドは展示室入口で無料で貸し出してくれる。

展示室は4階と5階なのだが、4階はアール・ヌーヴォーのガラス工芸・家具調度品が常設展示され、5階は赤の間、黄の間、青の間の3つの部屋それぞれの色に呼応した18世紀から20世紀のフランス絵画・彫刻が常設展示されている。

どちらも常設展示だとしたら、特別展はどこに展示されるの?というところだが、4階のアール・ヌーヴォー工芸作品とコラボする形で展示される。

例えば以下のような感じ。

ルイ・マジョレル《食堂用家具》(1900-05年)に展示
ルイ・マジョレル《寝室用家具》(1900年頃)のある部屋に展示
エミール・ガレなどのガラス作品を中央にして両壁面に展示

掲載写真はiPhone14Proで撮影しているので全体的に妙に明るくなっているが、実際には部屋は暗く、スポットライトが絶妙に効いていて、どの作品もきらきら輝いて見える。

以前、この美術館で七宝焼を見て、あまりの美しさにもっといろいろ見たいと思い、名古屋中心部にある明治創業の七宝焼きではかなり有名なお店に出かけたのだが、蔵の中にほこりっぽく置かれた七宝焼きたちはしょぼんとしていて楽しそうではなかった。改めてヤマザキマザック美術館のライティングを素晴らしく思うとともに、光の取り入れ方ひとつで美しさも閉ざされてしまうことを学んだ。

八幡はるみ GARDEN 感想

さて、今回の特別展である染織作家・八幡はるみさんの展覧会は、以下の3つで構成されている。

  • 第一章 1990年代

  • 第二章 2000年代 「シェイプド・ダイの開花」あたらしい花の表現へ

  • 第三章 2000年代 「GARDEN」デジタル技法を用いた表現へ

第一章は「水」、第二・三章は「植物」をモチーフとしており、それが常設のアールヌーボー工芸品が持つなめらかな曲線と見事にマッチしていて、八幡さんの作品の美しさを増幅させているように思えた。

私が一番興味をひいたのは第三章のデジタル技術を用いた作品群。八幡さんの明るく鮮やかな色彩がより一層強さを増している。その色彩も布の違いによって控えめに見えたりふっくら見えたり、同じ作品でも角度を変えてみると全く違う表情を見せてくれたりと、あまりに面白くて、展示室内を何度もぐるぐるしてしまった。

心躍る作品に溢れた展示だった。あー、面白かった。


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