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『王様戦隊キングオージャー ラクレス王の秘密』 第1話 感想


概要

動画公開日:2023年4月23日(日曜日)

脚本:川滿 佐和子
監督:茶谷 和行
アクション監督:渡辺 淳 (ジャパンアクションエンタープライズ)

『王様戦隊キングオージャー』番組公式サイト リンク

『ラクレス王の秘密』 第1話 YouTubeリンク

感想

えっ!?これが無料でいいんですか!?

 ラクレスが如何にして"最悪の王"となったのかを描く本作。
 本編1話分と比べて1/3程の時間にもかかわらず、それに引けを取らない濃密さと満足度でした。本編の余白を補うストーリーで、(今のところ見なくても支障はないけれど)見た後ではラクレスに対する見方が違ってくる。まさに「これですよこれ。僕がスピンオフに求めていたものは」という感じです。

 本作でのラクレスを見ていると、本心から冷酷無比な邪帝というわけではない、むしろ、本来は民を思う名君であったがゆえ、何か引くに引けない事情から邪帝を演じざるをえなくなったのではないかと思えてきます(同日に放映された第8話でも、それを匂わせるものはありました)。
 (「まだ利用価値があるから」という可能性もなくはないですが)コフキを守るため生身でシデジームに立ち向かい、はからずもべダリアを手にかけてしまったことからリタ様に「人を殺した」と連絡(要は自首)したラクレス。その姿は、「民は道具」と宣い、覇道のために民衆の犠牲も厭わなかった第1話の姿とは正反対。それどころか、優しく勇敢な心を持ちながら、諸事情から"邪悪の王"を名乗る弟・ギラと重なるとすら言えます。
 この状況で猫を被る必要はありませんし、第5話の過去回想を見ても、(希望的観測ではありますが)民を思う姿が本性の可能性が高い。
 とはいえ、「後に最悪の王と呼ばれる」というナレーションと併せると、ラクレス自身が幸せになる結末は見えない…。(ラクレスにとっても視聴者にとっても)良くて「己の命と名誉を犠牲にして世界を守った」という展開なのでは…と今から戦々恐々です。どうか生きてください。生きて我々に今までの謗りを謝らせてください。

 スピンオフ第2話の公開は6月4日。楽しみなのはもちろんですが、それまでに本編で(少なくとも本作を見たうえでは)悲劇的な展開があるかもしれない…と考えると少し怖くもあります。

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