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『今日からヒットマン』 第3話「遊園地に愛人乱入!?秘密の恋に潜入せよ」 感想


概要

放送局:テレビ朝日系列
放送日時:2023年11月10日(金曜日) 23時15分~24時15分

原作:むとう ひろし『今日からヒットマン』(日本文芸社)

脚本:オークラ
監督:中前 勇児
音楽:井筒 昭雄
主題歌:King & Prince「MAGIC WORD」
ゼネラルプロデューサー:大江 達樹 (テレビ朝日)
プロデューサー:残間 理央 (テレビ朝日)、神通 勉 (MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ

番組公式サイト リンク

感想

 前回、前々回と人を殺めてしまい、オマケにあの後輩のせいで仕事も忙しく心は満身創痍な十吉。見かねた妻の美沙子(演:本仮屋ユイカ)と息子の百太(演:木村優来)は彼を元気づけるため家族3人で遊園地へ。ところがそこにも、"二丁"(と勘違いされた十吉)を狙う裏社会の連中が。妻子には「取引先の人」と嘘をついて人目のつかない場所へ行き、即座に返り討ち(※殺してはいない)にした十吉。しがないサラリーマンの噛ませ犬にされた893さんは哀れとしか言いようがない。殺し屋稼業が板についてきましたね(…と言われて嬉しい人もいないでしょうが)

 そんな十吉を見込んで、"コンビニ"習志野支部は次の"仕事"を依頼します。それは闇バイト強盗団の元締め"カメレオン"の抹殺。闇バイトで集めた人員で強盗をはたらいた後、"仲間"を皆殺しにして獲物を総取りする、その一方で用意周到が故に決して尻尾を掴ませない。そんな悪党が今回のターゲットです。
 "カメレオン"についてですが、冒頭のかませ893も含めて今までの相手と異なる点があります。それは「用意周到さ」。今までは直情径行な敵や慢心が透けて見える敵ばかりで、それ故に十吉のハッタリ等にもうまく引っかかってくれた。対して今回のターゲットである"カメレオン"は尻尾を掴ませない程度には警戒心が強く頭がいい。「営業スキル」をもとにこちらのペースに持ち込んで"始末"する十吉とは相性が悪いと言えるでしょう。言い換えれば、十吉の純粋な「殺し屋としての技量」が試される局面です。

 かくして、闇バイトに応募(と言う名の潜入)した十吉。集合場所にいたのは十吉除いて3人。男たちのコードネームは"イヌ"(演:阿部亮平(純悪))"サル"(演:清水伸)"キジ"(演:レイニ)。もちろんこの中の誰かが"カメレオン"です。
 どうでもいいことですが、このコードネーム…間違いなく「桃太郎のお供」ですよね。「桃太郎は書き方次第では『鬼ヶ島を襲撃した挙句、宝物を奪った強盗団』と解釈することもできる」みたいな話はよく聞きます(芥川龍之介もそういう小説を書いていたはず)が…、どういう意図があってこのコードネームにしたのかがちょっと気になりました。
 話を戻しましょう。剣呑としたやりとりの中、突如"キジ"が射殺されます。実は彼もまた、"カメレオン"を狩るべく"コンビニ"船橋支部から送り込まれた殺し屋だったのです(ことわざ「キジも鳴かずば撃たれまい」とかけたのでしょうか?)。バレたら"キジ"の二の舞である十吉からすれば、生涯最大の恐怖でしょう。
 しかし、それは「"カメレオン"が"イヌ"か"サル"のどちらかである」ということ。3分の1から2分の1に"当たり"の確率は上がりました。
 最終的に十吉が射貫いた"カメレオン"は"サル"。その決定打は「引き金を引く音が聞こえた方向」。この極限状態の中、ともすれば聞き逃してしまいそうなほど小さな音を逃さず判断材料にするとは。「殺し屋としての技量」も成長している十吉に戦慄するとともに、小さな事象も見逃さない洞察力に感服しました。

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