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理数系が熱い

 今、自分の中でちょっとした理数系ブームが来ている。

 こういった「初心者に数学や物理を分かりやすく教える」という著書に出会ったためだ。

 大学は国立の文系学部だったので、センター試験や二次のために数学ⅠAⅡBと化学基礎・生物基礎を習ったことはある。自分で言うのも何だが、安定した得点源になっていたし、「文系の中では」理数系もできた方だと思う。もっとも、当時の感覚としては「面白いから『進んで』学んだ」というより「受験のために『とりあえず』利用させてもらった」と言った方が近く、大学進学後は授業・講義として理数系に触れたことは片手で数える程だと思う。

 大人になってからそういった本と出会い、知的好奇心と「教養」として身についた感覚がなかったことへの「リベンジ」のような感情から読み進めていくうちに、点と点が線で繋がったような感覚になり、途端に理数系がメチャクチャ面白くなったのだ(ちなみに同様のことは古文や日本史でも起こっている)。

 悲しいことに理数系科目は「実生活では役に立たない」と言われがち(おそらくそういったことを言う者は文系科目にも言うだろうが)なものだが、冒頭で紹介した西成活裕氏の著書『東大の先生!文系の私にわかりやすく数学を教えてください!』にて、西成氏は「『数学が役に立たない』のではなく、『数学を役立てられていない』だけ」とした上で、「数学を『自分ごと』にすれば興味が湧いてくる」としている。例えば、野球が好きな少年少女に「フライの落下位置は二次関数で算出できる」と言えば彼らは途端にやる気が出る、と言った感じだ。
 これには私も同感で、ただ公式や定理を教えるよりも興味のある物事に結びつけて教えた方がより身近に感じられて、印象に残ると思う。微分積分のことは忘れかけているが、高校の先生が言っていた「自動車のスピードは微積で割り出せる」という一言は今でも覚えているようなものだろうか。

 個人的に一番面白いと感じたのは中学数学で習う「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」。直角三角形において、直角を挟む2辺をaとb、直角と向かい合う辺(斜辺)をcとした時、「aの2乗+bの2乗=cの2乗」という式が成り立つものだ。
 先述の『東大の先生!文系の私に〜』でも述べられているが、非常にシンプルな定理ながら直角三角形であればどのようなものにも活用できるスグレモノ、正に「人類の宝」と言える。そして、この三平方の定理(ピタゴラスの定理)、シンプルにもかかわらずそれを証明する方法は1,000通り近くあるというのだ!個人的には同著で紹介されている「同じ直角三角形を4つ使って正方形を作り、そこから証明する」という方法がお気に入りだ。

 たしかに文系科目に比べると小難しい数式や法則が多く、取っ付きにくい印象は否めない。ただ、冒頭で紹介したような本ではそれらの意味なども噛み砕いて懇切丁寧に説明しているので、機会があれば読んでみてほしい。
 私と同じような、点て点が繋がる感覚を覚え、そこから理数系に目覚めてくれれば幸いだ。

見出し画像 出典:かわいいフリー素材集 いらすとや

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