単調な作業に癒される 紀州南高梅で梅仕事!
初夏を感じ始めると、和歌山のスーパーには果実酒用の瓶とホワイトリカーがセットで並び始める。梅酒仕込みの季節がもうすぐやってくる。
色々な大きさ、色の梅があるが、その違いがいまいち分からない・・・という人も多いかもしれない。
簡単に言うと、見た目が緑色で硬いのが梅シロップや梅酒に適した「青梅」、見た目が黄色で桃のような香りがするのが梅干しづくりに適した「完熟梅」だ。採る時期によって呼ばれ方が異なるが、同じ地域で流通するのは同じ品種の梅であることが多い。丁度青梅の収穫が目前なので、今日はおいしい梅酒・梅シロップの作り方について書きたいと思う。
1.青梅を選ぶ
まずは梅を手に入れよう。梅には多くの種類があり、風味や大きさもさまざま。色々な種類で梅酒やシロップをつけて飲み比べるのも楽しいが、初心者には「紀州南高梅」を選ぶことをおすすめしたい。
全国的にも知名度が高く、人気の品種なので、インターネットでも簡単に見つけられる。価格もお手頃で、
・皮が薄い
・果肉が柔らかい
・大粒なのに種が小さい
・肉厚
と、梅のエキスが出やすい条件も揃っている。杏子や桃のようなまろやかな香りのする、おいしい梅酒やシロップが出来上がり、梅も美味しく食べられるので一石二鳥だ。
2.材料をそろえる
青梅1kgにつき、氷砂糖も1kg。梅酒にするならホワイトリカー1.8Lも購入しておく。ビンは、しっかり蓋のできるこのあたりがおススメ。セラーメイトの保存容器は蓋が赤くないのでかわいい。
梅シロップを3L瓶、梅酒なら4L瓶を選びたい。
あとは竹串(梅のヘタをとる。つまようじでも可)とキッチンペーパーさえあれば完璧だ。
3.梅のアク抜きをする
まずは大きなボウルへ梅の実とたっぷりの水を入れ、手で優しく汚れを落す。その後再びきれいな水に入れ替え、泳がせるようにして2時間ほど放置する。火を通したり、塩を入れたりする必要はないのでアク抜きも楽ちんだ。唯一コツがあるとすれば、実に傷をつけないようにやさしく洗う事。表面をゆすぐ程度で十分。
4.梅のふきとりをする
アク抜きの終わった青梅をキッチンペーパーで拭き取る。このプロセスも、梅に傷をつけないように丁寧に行いたい。表面の傷はシロップが濁る原因になるので、この時点で将来性のない(傷がついた)梅は取りのぞいておくのがベター。とにかく終始梅にやさしく接する、ということが、梅シロップや梅酒を失敗せずに仕上げるキーポイントになる
5.梅のへたとりをする
梅のヘタとりは、梅仕事をする人の一番のお気に入りプロセスに違いない。ヘタのところに竹串の先をあてると、力をいれなくてもくるりと取れるのでクセになる。無心で編み物や刺しゅうをするのが、脳のリラックスに良いらしいが、梅のへた取りにも同じような効果が期待できると梅農家さんが言っていた。
6.梅を漬ける
梅を漬ける瓶を熱湯もしくは焼酎などのアルコールで消毒したら、砂糖と梅が交互に重なるように瓶に入れていく。梅酒にしたい方は、この上からホワイトリカーを入れる。
その後は1週間、1日に2~3回瓶をくるくると傾け梅全体に溶けた蜜がまわるように混ぜながら様子を見る。その後は冷暗所で保管。
3週間ほどたてば、味が程よくなじんでおいしい梅シロップになる。梅酒を漬けるなら、3ヶ月以上漬け込む必要がある。(1年間ほど寝かせるのがおススメ!)
その他ポイント
梅はフルーツのような見た目で香りも良が、決してそのままでは食べられない果実。「梅仕事」と聞くと面倒そうに感じるが、火や特別な材料を使う必要もなく、漬けてしまえば、あとは様子を見ながら寝かしておくだけで良い。梅シロップや梅酒作りに必要な生の梅(青梅)は5月末~6月下旬頃にしか手に入らないが、3~5のプロセスを済ませて冷凍しておけば1年ほど長持ちさせられ、凍ったまま漬け込む方法でも梅シロップや梅酒を作ることができる。お酢を入れるような煮物や、角煮など肉を煮込むときに冷凍梅を入れるとお肉が柔らかくなる効果も期待できるらしい。
角砂糖の代わりに黒糖を使えば、ミネラルたっぷりの黒糖梅シロップや黒糖梅酒になる。
たくさん買って、冷凍しておけば色々な作り方も楽しめるので是非試していただきたい。
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