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Hi-STANDARD


Hi-STANDARDの恒岡さんが亡くなった。
亡くなった原因は現時点では発表されていない。数年前に見たHi-STANDARDの映画では、恒岡さんが重度のうつ病にかかっていたことが明かされていた。そのことと関係性はあるのかは分からないが、ただただショックである。

ここで気持ちを文章にするのが正しいことなのかどうかは全く分からないが、私がどんなにHi-STANDARDは特別な存在かということを表現したい。
Hi-STANDARDのただの一人のファンであるが、その思いを表すことを許して欲しい。

そうでもしなければ、どうにかなってしまいそうだから。

Hi-STANDARDの音楽と出会ったのは高校時代だ。友達にCDを貸してもらい知った。
控えめに言って大きな衝撃を受けた。 

田舎の高校生であった私はJ-POP全盛期の音楽をそれまで聴いていた。

もちろん90年代のJ-POPも素晴らしい。

ただHi-STANDARDのメロコアという音楽に私はどうしようもなく惹きつけられた。
大人たちが作ったメインカルチャーではなく、Hi-STANDARDはインディーズで活動してすごい音楽をやっていることに憧れた。

地元の地方都市でもHi-STANDARDは流行していて、たくさんのコピーバンドができていた。
金曜日や土曜日の夜には、Hi-STANDARDのコピーバンドのライブに行き、ダイブやモッシュというメロコアバンドの楽しみ方を学び、Hi-STANDARDの曲を聴きながら、全身にあざを作った。


私にとってHi-STANDARDとは私を別の世界に連れて行ってくれる存在なのかもしれない。

ただのバンドではなく、ぱっとしない田舎の高校生であった私の退屈な毎日を、非日常にいざなってくれる象徴的な存在だった。

2011年にまさかの再結成を果たした時は、横浜スタジアムまで観に行った。ライブに行って涙を流したのはこの時が最初で最後だ。

その時はもうだいぶいい歳であったが、青春を取り戻したかのような気持ちになった。
Hi-STANDARDの再結成は、歳を重ねていい意味で穏やかに、悪い意味で言えば無感動になっていた私を刺激した。

何にでも驚き、喜び、怒り、悲しむという若い頃の気持ちを思い出させてくれて、心が若返った。

そして新しいアルバムも出して、ツアーもしてくれた。
Hi-STANDARDはこれからもゆっくりと活動していくのだろうなと安心していた。

これからもHi-STANDARDのライブに行けるのだろうなと思っていた。

それがもう叶わない。

私に今できるのは悲しむことだけだ。

でもどんなことがあってもHi-STANDARDは私の心の中に金ピカでい続ける。

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