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こんにちは、彩り

ようこそ、どうぞこの世界へ!

USELESS/XIIX

大都市圏への移動が金銭面と健康面から難しくなり、2020年6月が消えたことで、このバンドの活動を見る唯一の機会が新規音源発表になってしまい「早く音源くれ!!!!アルバムリリースはどれだけ早くても年1ペースだと覚悟してるけどなる早でくれ!!!!」と念じ続けたので、手元に届いた瞬間の嬉しさといったらなかったです。

待ってたー!!!!

前作White Whiteはその名の通りとても澄んだ白だと感じた。その白は、誰にも穢すことができない、そして誰も触れられない、遠く輝く星の瞬きのような純白。

対して今作USELESSは、すごく色が溢れていた。色彩、という言葉が似合う。地球に降り注ぐ太陽光みたいな、虹色みたいな、ドロップ缶の飴玉たちみたいな。反射できらきら光ったり、何かにぶつかって色を変えたり、分光されたりと、たくさんの色や表情を見せる光。

いろんなプロモーションの場で、今作は出来るだけリスナーのことを考えて作ったと仰っていたけれど、その効果が抜群に発揮されているのか、誰かの暮らしの中に溶け込み、日常を彩るアルバムだと思った。カラフルで、暖かくて、人の温度がそこにある。生きているという事実のそばにある、一緒に暮らす音楽だった。

White Whiteの最後の曲『Saturdays』で色彩の片鱗が顔を覗かせているので(わたしはこの曲を藍色と朱色が交じり合う空の色だと思っている)、そこから続くアルバムとしてこれだよこれが欲しかった!!ってぴったりハマった感じがしたし、USELESSそのものにしても物語が綺麗に展開されて完結していてやっぱり最高!!だった。だって一周して『Endless Summer』を聴き終えたときの感覚が、小説や絵本を読み終えて、本を閉じて裏表紙に手を載せながら「はあよかった〜」と余韻に浸るときと全く同じだったから。

これだからフルアルバムって聴くのやめられないんだよな。

ちなみに『ZZZZZ』で爆笑しました。「絶対これこの後寝坊したやつwwwwwww」ってなった。フェードアウトはダメですよ……それは寝坊フラグですよ奥さん……。そういう肩肘張ってない感じも含めて“共に暮らすアルバム”なんだよなぁ、と思います。等身大のUSELESS。

この2枚のアルバムでわたしは夜中から白昼を通って黄昏、という感じの心象風景を描いているので、3作目がどんなアルバムで何を感じるのかすごく楽しみにしつつ、そこで宵の口あたりを感じてしまったら死んでしまう気がしています。ていうかわたしは三部作計画モノのラストな作品には大体直球ストレートでストライク抜かれる癖があって(ex.→有川ひろさんの著作にある自衛隊三部作シリーズでいちばん好きなのは海の底)、1stから3rdのアルバムは三部作的構想があるってWhite Whiteの頃からずっと仰っているので、次作も好きで死んでしまうのは確定事項な気がしています。

1年後に予定調和で死んでたら、骨は拾ってやってください。


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