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建築設備士 私の勉強法

※この記事は有料表示ですが、全文公開しています。
 お役に立ちましたら、チップを頂ければ幸いです。

2021年実施の建築設備士にて無事合格し、資格取得いたしました。取得するにあたって、自分自身の勉強法や教材活用法をこの記事にまとめました。

なお、筆者はR2初受験に際し資格学校の講習を用いて1次合格2次不合格となり、R3年は独学にて1次免除をして2次試験合格の流れで資格取得しています。

独学であるか否かにかかわらず、挑まれる方への参考になれば幸いです。

試験結果

7月29日(木)に令和3年建築設備士「第一次試験」(学科)の合格発表がありました。 実受験者数は、2,900人で昨年の2,526人より374人の増加、合格者数は950人で昨年の650人より300人の増加となり、合格率は32.8%と昨年の25.7%より、7.1%の増加となりました。
令和3年度は、令和2年に比べて合格率(評価A)が10.9%増加し、52.3%となりました。一方、評価Bは13.6%低下し、31.4%となりました。評価Aと評価Bの割合は、受験生全体の8割以上を占める中で、合否のボーダーライン周辺に多くの受験生が集中し、わずかな得点差が合否を分ける試験だったと考えられます。

※日建学院の総評もありますが、建築設備士に限っては総合資格のほうが手厚そうな印象なのでこちらを載せました。あくまで印象。

合格率だけで言えば例年通りに戻った、という様子ですね。R2年度から試験内容に改訂があり、二次記述部分の問われ方も大きく変化しました。R2年度はその影響もあり合格率が落ちましたが、1次2次ともに平年並みの合格率に戻りました。
記述の変化や難化に受験者努力が1年で追い付いたのか、単純に本部側が合格判定を緩くしたのかはわかりませんが、R3年度の結果が今後のベンチマークとなるのは確実です。

成績は下記のように通知され、設問毎の得点等については通知されません。

一次試験:各問題1点、合計70/105点以上で合格
ただし、下記合格基準点を満たすこと
建築一般知識13/27点、
建築法規9/18点、
建築設備30/60点
二次試験:評価A~Dで評価し、評価Aを合格とする


一次試験では約7割の得点率で合格となり、二次試験では評価方法は明示されていません。
私の場合、R2年度の学科は自己採点で75~80%は取れた手ごたえがあり、各資格学校の採点サービスでも問題なさそうな圏内にいました。
R2年度の二次試験は前半の共通問題の記述で準備していた回答がうまくハマらない部分も多く、6割ちょうどくらいかもしれないと、発表までドキドキでしたが落ちました。
R3年度は前年度弱かったところが身にしみて分かったので、重点的な準備と過去問傾向の分析をして挑み、合格できました(ぽろぽろ落とす問題もありつつですが。)
ネットの掲示板等でお互いの正誤を確認しあっている人たちに紛れて読んでいましたが、結構間違ったなあ、また来年受けるのは嫌だなあという思いが募るばかりでした。


スケジュール感・前提資格

私の場合、おおよそのスケジュールはこんな感じでした。

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・1年目は1次2次ともに資格学校に沿ってスクーリング→1次通過
・おおよそ1日あたり1~2時間かけていた
・2年目は3か月前から準備し始めて、1日あたり1~2時間かけていた

2年目2次試験の勉強時間は、結果的にちょうどよかったと思います。1年目で稼いだ分があるので、ストレートで合格するには単純計算2倍の勉強時間が必要な気もします。ただ、資格の学校って動画授業とかでかなり時間を取られるので、個人的にはテキストを読むほうが時間的な効率は良いと思います。この準備期間だと、目安として1日1.5h程度は必要かなと思います。

長期休み等にさぼることを考慮して、余裕のある予定を組んだのもよかったです。自分の性格を理解するのも大事かと思います。そういう意味では講習会に参加したのも刺激になってよかったように思います。コロナ禍で最後まで参加するの悩みましたが。

筆者は建築設備士受験までに1級管工事施工管理と消防設備士(甲1)を取得していたので、衛生設備分野の学習は重なる内容も多く進みがよかったのですが、電気が全く分からないところから始めたので時間がかかりました。自分が普段軸足を置いていない分野は習得までに時間がかかることを考慮して計画したほうがよいと思います。
個人的には1級電気工事の施工管理取ってからだったらもう少し楽だったかもしれない。

費用

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教材費、試験手数料、申込必要書類の準備、会場までの交通費等を含めてこのくらいです。私の場合、2年かけていること、1年目は資格学校を受講していることでかなり掛かっています。独学の場合、2次対策として協会の講習テキストに加えて、体系的に学べる教科書タイプのテキストがもう1冊あるといいと思います。ただ、協会の講習テキスト自体のボリュームもなかなかあるので、それをやりこむだけでも十分合格圏には行ける気がします。
人によっては、申込書類の準備が要らなかったり、交通費がもっとかかったりしそうです。
※教材等、消費税率8%のところと10%のところが混在しています。

使用教材

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1次は資格学校なので割愛しますが、2次対策として主に使用したのは「前年度の講習会資料」でした。ただし、この中の問題をやるだけではダメで、過去問分析等きっちりやったほうがいいと思います。そういうところに時間を割けない人は資格学校に課金するだけの価値があるのかなと思っています。

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多方面に迷惑をかけない範囲で自由に使ってください。

勉強法

-1次試験-

資格学校なので割愛…としてもいいんですが、独学であれば下記のようにしたほうがいいと思います。以前1級管工事を受験した時の記事から抜粋。

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問題を解いて、正解なら2ポイント、不正解なら0ポイント、正解していても選択肢の理解が完璧でないものは1ポイントとしてエクセルに記入します。
・○:2ポイント △:1ポイント ×:0ポイント
・1周目、2周目は全問そのままのルールで解いていきます。
・3周目は2ポイント連続で取れているものは省いて解いていきます。
・4周目は今までで3ポイント未満の問題だけ解いていきます。
もうこの辺りまで来ると解けない問題はかなり絞られてきて、実際の試験で出ても捨て問にしようだとか、そういう割り切りができるようになります。最終的には5週目の途中で終わりました。
私は昼休みに30分と終業後に30分を目安にして、毎日平日1時間は時間確保できるように努めました。とはいえ出張やイレギュラーもあるので、残り何問あるのか確認したうえでいつまでに何週目を終わらせるか決めて、1日あたり何問こなしていけば間に合うかを目安に進めました。
エクセルやGoogleのスプレッドシートで管理すると、残り問題数だとか達成率(モチベ維持に有効)だとかを簡単に出せるので、こういう時に便利だと思います。
特に1週目2周目は全然進まなくて気持ちがつらくなってくるので、達成率を算出しておくのは精神衛生上よいです。3週目あたりからは問題もかなり少ないのでサクサク進み、俺スゲーー感を味わうことができます。

-2次試験-

2年目は2次試験のみだったので比較的時間に余裕があったわけですが、講習会の講習も1か月前くらいにならないと開催されません。それまでは前年度の講習会資料をメルカリで買って、要点記述の作成に注力しました。

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これらを実際に記述できるかが勝負なので、一通り作り終えたら裏紙に書いては捨て、書いては捨てで、同じような問題が来た際の答えを作っていきました。
「○○の際の注意事項を4つ書け」みたいな問題が多いのですが、「この時はこれとこれ」、「このときはこれ」という感じで、絶対聞かれるキーワードを書いて、キーワードだけ覚えました。
文章を組み立てるのは当日やればよいので、書く練習ではなく、キーワードをいかに早く書き出せるか、という解き方をして、問題集の回転率を上げました。というか、手書きに時間取られるのいやすぎるので。。
とはいえ正しい文章を作っておく練習は大事なので、1度は文章を打ち込んで作るのはよかったと思います。
覚えが悪いものは赤文字にして、これまた暇なときにダラダラ読んでいました。

講習会後は、今まで作っていた要点記述に今年度問われそうなところを肉付けしていく感じで作りこみ、記憶させるを繰り返し行いました。それと並行して共通問題のところの製図も本腰を入れて書いていたと思います。

自分は衛生選択なのですが、選択問題の計算は定型化していて正直簡単なので、出題テーマから問題パターン予測して3回くらいさらえば問題ないかなと思います。系統図も普段から書いているので抵抗ありませんでした。逆に言えば得点源なので、ここは落とせない場所でもありますが。

あとは、使用教材の項でも書いた通り、2次試験は過去問分析がかなり大事だと思います。R3年度の場合「市街地に建つホテル」が課題だったわけですが、4年周期ぐらいで似た系統の課題がくることをおさえておけば、課題建物で使用しそうな設備システムもある程度予測できます。この辺りは各資格学校が予測問題出すと思うのでそれに乗ってもいいです。ただ、自分で傾向把握していた私としては「なぜこれだけが出ると断定できるんだ?」と思う部分もあったので、あくまで参考程度にして、予想と少し違った傾向のものが出る可能性を探って勉強しておいたほうが一発合格の確率は上がると思います。

参考になるサイト

私が今までに受けてきた資格と比較しても、建築設備士は極端に情報が少ないです。その中でも上記の記事はとても参考になりました。この文章の味噌はほぼここに有るといってもいい気がします。

直前になってからはTwitterをつかって経験者、受験者さんたちと交流していました。あまりハマりすぎると良くないですが、情報収集にはよいと思います。

こういう優しい方たちに恵まれることもある

あとがき

建築設備士は独学でやろうと思うと、とにかく情報がヒットしません。資格学校や講習会を受講すればまとめてあるので、ネットに頼る必要もないのかもしれませんが。でも資格学校は金額的に厳しいし、講習会は開催時期が遅いし。

私の場合はちょうど問題形式が変更される年に受験になってしまった事もあり不安で、少しでも新傾向の情報を得るためと思い資格学校に通いましたが、ストレート合格はできませんでした。受験生も問題作成者も資格学校の講師陣も、正直みんな対応が難しかったと思います。しょうがない部分はある。

個人的意見ではありますが、努力と時間次第で十分に”比較的安価な方法で”合格を狙えると思います。また、資格学校を使う方も、時間の節約を思えば正しい選択かもしれません。

実際の解き方や覚え方ってかなり人それぞれだと思うので、その一例として上記のやり方が参考になればいいなと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。質問等あれば追記していきますので、ご連絡お願いいたします。

20220622:誤字修正、「協会資料」等の表現を「講習会資料」へ統一

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