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シナリオ『犯科帳・神隠し』【鬼平犯科帳×クトゥルフ神話TRPG】

1. 本シナリオの利用について

本シナリオは二次利用・改変自由です。利用のご報告・感想や、シナリオについての不明点は本note上もしくはTwitter(@5hosokawa)にお寄せ下さい。


2. シナリオの概要・注意事項

このシナリオは江戸時代を舞台にした時代劇「鬼平犯科帳」をモデルにしたクトゥルフ神話TRPGのシナリオです。大江戸を舞台にしたシティシナリオであり、神話生物とチャンバラします。プレイ時間はキャラメイクを含まずに約4~5時間ほどです。

セッションは「鬼平犯科帳や必殺仕事人のようなハードで痛快な時代劇を演じる」ことにあり、回す際には神話生物の恐怖や人間の無力さや狂気といった点は期待しないようプレイヤーにあらかじめ断っておく必要があります。

また、本シナリオには児童買春・食人など、プレイヤーによっては嫌悪感を抱きうる設定があります。あらかじめプレイヤーに了承を得ておくことを推奨します。

なお、作者は原作小説をほとんど読んでおらず、映画版とアニメ版だけを観ているという鬼平ニュービーです。玄人視点で観た時に不自然な点などもあるかもしれませんが、ご寛恕くださいませ。コメントなどで優しくご指摘いただけますと大変嬉しいです。


3. シナリオの時代背景

シナリオの時期は長谷川平蔵が火付盗賊改方長官であった1787年(天明7年)から1795年(寛政7年)までの間になります。筆者自身は1790年としておきました。
季節は特にシナリオ上では問いませんが、4月(旧暦の3月)上旬、桜の頃合いにしておくと絵面が綺麗になるでしょう。
舞台は本所深川周辺です。gooが提供している「江戸切地図」を参考にするとよいでしょう。

鬼平が着任した時期は、1783年(天明3年)の浅間山大噴火、それにより生じた農作物の不作により、大飢饉と極度のインフレ(物価高騰)の記憶も新しい時期です。各地で打ち壊しが頻発し、世情は酷く不穏になりました。

世情不安の収束を果たしきれなかった老中・田沼意次の失脚(1786年・天明6年)を受け、1787年(天明7年)に松平定信が老中に就任し、教科書でも有名な寛政の改革が始まります。尾を引く経済不安から犯罪も増加し、凶悪化していく中で、同年10月に長谷川平蔵が火付盗賊改長官に着任しました。

【参考】この時期に生きていた有名人の例

・11代将軍徳川家斉
・浮世絵師の喜多川歌麿、東洲斎写楽、およびその出版元である蔦屋重三郎
・ターヘル・アナトミアを翻訳し解体新書を作った杉田玄白
・日本地図を作った伊能忠敬
・経世論者であり「海国兵談」を著した林子平
・国学者の本居宣長


4. キャラメイクについて

・技能および職業は上述「クトゥルフ・フラグメント」の幕末編を用います。

・ステータス決定については、筆者は通常より1個多くダイスを振って不要なものを1つのける形で行いました。
 └STR(3d6)であればダイスを4個ふる。出目が1,2,3,4であれば、残したい3つのダイスを選択。
 └本シナリオでは食屍鬼や強力な魔術を操る人間と戦いますので、ステータスは高めにしておく方がPCの事故死が減って回しやすいかと思います。

・キャラメイク時に技能点を50消費することで、比叡山炎上所収の「術」を1つまで覚えられます。(術ごとの修得コストも別途支払います)
 └「北斗七点殺(p.43)」「徹し(p.44)」には注意しましょう。特に「徹し」はぶっ壊れた火力を出すので、習得者がいる場合はラスボスのHPを調整して下さい。

・推奨技能は<追跡>、<説得>、何かしら戦闘で役立つ技能です。

・買い物については(若干時期が違いますが)フラグメント106-107pの価格表を参照してください。
 └大多数のプレイヤーにとって、江戸の通貨体系は煩雑で慣れないものと思いましたので、筆者は貨幣を「天保通宝」に統一し、100文=1天、1両=100天といった形で簡略化しました。
 └過剰な金の暴力を防ぐため、初期所持金は200天(2両)くらいにしたところ、ちょうどいい感じでした。

5. シナリオの流れ

【シナリオ全体のまとめ】

黒幕: 食屍鬼とそのシンパである魔術師・弥八

江戸の地下に潜伏する食屍鬼は穢多・非人のコミュニティと関わりを持っています。彼らは最高のグルメである人間の死体を確保したり、人間社会へのスパイを作るために、人攫いをなりわいとする盗賊・弥八は食屍鬼と繋がりがありました。

かつて町奉行に追い詰められ進退窮した弥八は、3年前に食屍鬼のコミュニティに入り、元々才覚があった魔術「魂の歌」や、その他の呪文をマスターしたことで、「子供を自由に攫う」ことが出来るようになっています。主役の身内である少女はその毒牙に掛かってしまい、食屍鬼のアジトに連れ去られてしまっています。

探索者たちの目から見れば「ただの人攫い事件」ではありますが、次第にこのような背景が明らかになり、最終的には食屍鬼の一群を火盗改めする、というのが全体の流れです。

【シーン1】 導入: 主役

・主役は家で少女の帰りを待っていますが、黄昏時になっても戻ってきません。探しに出ますが、見つかりません。この際、POW×3に成功すると小さな笛の音が聞こえます。
 └少女の名前や容貌については、主役のPLに自分で決めてもらうと愛着を持ってもらいやすいでしょう。
・探しに行っている途中に人から聞くなり、自分で思い出すなりで、「神隠しの噂」があることを知らせます。
・日も落ちて残光が残る薄暗い時間帯、近くの神社で少女の草履と争った痕跡を見つけます。少女が何者かにさらわれたのだと判断し、主役は平蔵周辺の仲間を頼るため、軍鶏鍋屋「五鉄」に急行します。
 └この際<追跡>か<目星>に成功すれば、複数の男の足跡が見つかったことにしてもよいです。

【シーン2】 導入: 共通

・残りのPCは、軍鶏鍋屋「五鉄」で、出張帰りの平蔵を囲んで食事をしています。自分の留守中に変事がなかったか、情報共有のための会食というあたりが妥当なところでしょう。軽くロールプレイしてPCを慣らして下さい。
・きりのいいところで、主役が血相を変えて駆け込んできて事情を話します。
・平蔵(KP)は「人さらいは奉行所の所轄のため、火盗改は動かせないものの、ここにいる仲間に協力してもらいたい」と話します。
 └その後、軍資金として五鉄に預けてある2両ほどと、「北町奉行所」で資料を調べるための紹介状を渡します。

【シーン3】 探索開始(夜)

探索については下記のルールで進めて下さい。

・一日は朝、昼、夕方、夜の4フェーズ。PCが4人以上であれば3日目の夜、2~3人であれば4日目の夜がデッドラインになります。
 └思わせぶりに「あと○日で満月です」とか言っておくと、それっぽく伝わります。

[初日夜の探索可能箇所]
・本所の稲荷
 └誘拐現場。痕跡はあまり残っていませんが、<追跡>か<目星>に成功すると、複数の男性の足跡が大川(隅田川)方面に向かっていることが分かります。

・向島花街
 └<知識>で顔役の女衒である「高丸」がいることを知っており、少女密売などのルートが無いか話を聞きに行くことができます。
  └誰も成功しなかった場合、平蔵から教えてあげるとよいでしょう。
 └<説得>、<言いくるめ>に成功するか、寸志を握らせると情報が得られます。人売りは御法度であるため、向島花街では直接のやり取りはしておらず、高丸自身は関わっていません。「売られ女ってのは、身に苦労が染み付いててよくねえ。客もそういうのにはつかねえ」とのこと。浅草の花街にある「赤間屋」は裏メニューとして「干支を一回りしているかしていないかの子供」に客を持たせているらしいという情報が得られます。

・人足寄場
 └無宿(非人)が多く集まっている河原沿いの街。賭場が開かれており、人さらいがいないかが聞けます。<言いくるめ>なり付届けなどをすれば、情報を得られます。
 └近頃、ほとぼりが覚めたと思ったのか弥八の一党が戻ってきたとのことです。子どもを攫って売り払う畜生働きをすることで悪名高い連中です。

【シーン4】探索: 基本情報

・浅草(朝~夕)
 └当時の江戸で最大の繁華街です。KPが許す範囲の物を売っています。

・浅草花街(昼~夜)
 └茶店で風俗店の情報が得られます。高丸から聞き出せる「赤間屋」もここにあります。

・赤間屋
 └花街で情報を得ていると行ける。店主を尋問する、少女から情報を聞くといったことで、「土被りの弥八」という人さらいの専門家と関わりがあることが分かります。
 └事情を聞くには客の振りをするのが最適でしょう。真正面から聞き出しに行く場合、警戒されて情報は出づらいです。
 └「裏メニュー」については結構な金額を要求されます。現代の相場で5~10万円相当といったところでしょうか。KP判断におまかせします。

・向島花街(昼以降)
 └夜と同じ。得ていない場合は高丸から情報を得られる。

・北町奉行所(朝~夕)
 └平蔵の紹介状を持っていると、捜査資料を閲覧させてもらえます。
  └資料室の担当は中村主水という役人です。(仕事人ですが、KPやPLが興味がなければ省略してOKです)
 └捜査資料の中で「人さらい」の事件を探していくと、最近大川の界隈で起こっている「神隠し」について情報が得られます。(<図書館>技能に成功するか、中村主水に尋ねましょう)
  └夕方~夜に少女が攫われているらしいです。奇妙な事に現場を目撃しているものは毎回おらず、少女がひとりでに人気のない場所に行っているということです。
 └また「土被りの弥八」についても過去の捜査資料があります。
  └人さらいを主な所業としており、町奉行所が捜査したものの感づかれたのか、千住にあるねぐらはもぬけの殻だったというのが3年前の資料に残されています。弥八のその後の行方は掴めていません。

★寄り道: 中村主水に「仕事」を依頼するには?
PCは当然彼が仕事人であることは知りませんが、PLは知っているため、主水を仲間にしようという動きをする可能性は十分あります。

その場合、「中村主水を昼食に誘い、彼の腕前に気づく」、「主水の正体を調べる」といった2ステップを挟み、「夜に人気のない墓場に向かう」ことで依頼できます。(依頼料は1両などが相場でしょうが、出せるだけでいいです)

中村主水の腕前に気づくには、「昼食の間に店に来たチンピラを主水が退散させる」とか「<武道>で判定し、腕前を測る」といった方法があり得るでしょう。
また、「主水の正体」については北町奉行所の人間は知らないため、平蔵もしくは密偵(粂八など)が知っていることにして良いでしょう。

主水にどのような動きを依頼するかはPLの自由ですが、平蔵も主水もスペックが極めて高く、バトルでPLが暇になりますので、「アジトに先行して食屍鬼を勝手に倒して帰る」などが丸い所でしょうか。(筆者が回した際には、時短が必要だったのもあってそんな感じの処理にしました)

・人足寄場(全日)
 └夜と同じく、弥八が江戸に戻ってきた、という情報が得られます。
 └すでに他箇所で弥八の情報を得ている場合、彼の手口についてより詳細な情報を得られます。
  └弥八は「まじない」の類を使うといった噂があります。
 └賭場および酒場で張り込んでいると、最近江戸に戻ってきたという弥八一味の男が出て来ます。彼は泥酔しているので、<追跡>することが可能です。

・火盗改役宅(朝~夕)
 └特に情報はありませんが、軍資金が不足している場合、平蔵にお願いすれば工面してくれます。

・梅香堂(昼~夕)
 └藤枝梅安という名前の腕のいい鍼師がいます。
 └施術は高価(3~5万円)ですが、HPとMPが1d6ずつ回復し、術後24時間の間、全ての基礎ステータスが+1されます

・食事
 └1フェーズ消費しますが、一律でHP1、SAN1回復し、食後24時間のあいだSTR、DEX、CONのどれかを+1できます。
 └池波正太郎作品にはやたら美味そうな飯が出てきますので、それのオマージュになっています。興味がなければパスしてください。

【シーン5】 弥八一味のねぐらへ

「土被りの弥八」の拠点は千住堀切の河川敷にあります。江戸の市街地からは距離があり、田んぼと林が多く、人通りは少ないところです。河原の目立たない物置の地下を掘って潜伏しています。

潜伏場所には抜け穴がつきものです。周辺を探索することで、抜け穴を発見しておくことができます。

拠点に少女がいるかどうかは外からはわかりません。突入して救出するのか、彼らが働きに出ていった後に潜入するかをプレイヤーに選ばせて下さい。

突入する場合、敵方の戦力は弥八を含め、突入人数+3人前後です。<聞き耳>、<目星>、<追跡>などで推察できます。

町奉行所や火盗改に連絡した場合、準備に1フェーズ取られますが、手近な同心2~3名を派遣してくれます。

突入した場合、拠点には弥八がいますが、この時点で彼を捕まえることは出来ません。彼は短距離の瞬間移動が可能であり、PCが目を離したスキに行方をくらませてしまいます。(0/1d3のSANチェック)

いずれにせよ、弥八は逃げおおせ、少女はおらず、探索を継続することになります。

拠点には手がかりになるものは少ないが、「少女の猟奇的な浮世絵」が机においてあります。(見るとSANチェック0/1d2)
このあまりにもリアリティのある猟奇画をみたPCは、「拉致された少女も無惨な目にあわされるのでは」と感じます。絵師のルートから事件を当たりうるということをプレイヤーに伝えてください。

手下を捕まえ尋問した場合。少女はすでに流し終わっているという話が聞けます。正体不明だが、永代橋の下に箱と20万円相当の銀貨を置いておくと死体を引き取ってくれる人物がいるそうです。

【シーン6】絵師の正体

絵師の正体については、浅草にある浮世絵の画商「九頭竜亭」で聞くと得られます。絵師はヒクマトンリ(曳馬頓理)という筆名であり、彼のエログロナンセンスはご法度の内容ではあるものの、一部の好事家の間で高値で取引されているようです。これらの情報は適切なロールプレイの上、<説得>に成功することで得られます。曳馬の住所については、高い難易度を要求してください。

曳馬を見つけて情報を聞き出す方法は自由です。彼は卑屈で臆病な人物であり、罪悪感にも囚われているため、絵のモデルについてはよほどのことが無い限り口をつぐみます。ぶん殴るなりしてください。

なお彼自身に自覚はありませんが、彼には食屍鬼の血が流れており、それによって強い食人衝動に定期的に苛まれてしまいます。死体を見て、それを絵にすることで、食人衝動を発散しているのです。
曳馬は人足寄場の周辺の「死体屋」コミュニティと繋がっており、そこに交じることで絵画の着想を得つつ、自身の欲求を一時的に満たしています。

また、彼は「骨喰マミゾウ」と呼ばれる永代橋の死体回収人の存在を知っています。千住の弥八一味のアジトで上手く情報が手に入らなかった場合、ここで情報を出して下さい。

【シーン7】骨喰いマミゾウについて

永代橋に死体の入った桶や箱を置き、銀13分を入れておくと、深夜に死体を回収してどっかにやってくれます。絶対に足がつかないことから、盗賊などに愛用されています。

彼の仕事を目撃するには、深夜に渡し舟を借りる必要があるでしょう。月明かりに映し出された彼の姿はまんま食屍鬼です。(SANチェック1/1d6)
<追跡>なりで後を追うことで、華厳寺という寺の墓地に入っていく姿を見つけることが出来ます。

【シーン8】華厳寺

華厳寺の住職に事情を聞くと白を切り通そうとするが、観念すると墓地の地下に奇妙な非人が住み着いていることを白状します。ラスダンの位置が判明したので、色々準備して臨んでください。

ここまでわかった場合、事態はすでに火盗改の職域に入っているので、平蔵の助力を求めることが出来ます。その場合、クライマックスに火盗改が参戦します。
 └平蔵に助力を求めず、単独で解決しても構いませんが、その場合は多くの食屍鬼と戦闘になる可能性を示唆してください。

【シーン9】クライマックス

満月の夜、墓場に火盗改と探索者たちが押しかけ、「火盗改である!刃向かうものは斬る!」という感じの展開になります。
無縁仏の墓の下から食屍鬼がわらわらと湧いてきて、火盗改の同心たちと死闘を繰り広げます。(SANチェック1/1d6)地上は彼らに任せて、平蔵とともに地下拠点に踏み込んで下さい。

地下拠点は三叉に分かれており、一つは少女が眠らされている部屋、もうひとつは大量の屍がある部屋(SANチェック1/1d4)、そしてラストの祭壇です。

少女が眠らされている部屋前の通路で、食屍鬼×パーティ人数分との戦闘が発生します。

★食屍鬼の攻略させ方

「軽くリソースを吐かせておく」程度の趣旨の中ボス戦なのですが、食屍鬼は最大で3回攻撃を行える難敵です。ダイス目の走り方次第では一瞬でPCが死亡する可能性があります。
ここで死者を出してしまうと微妙な空気になりうるので、PLやPCが望まないなら、「噛みつきまではやらない」、「攻撃を分散させる」、「NPCにかばわせる」、「どこかで培った鉄砲火器の知識を活かした炸裂弾を持ち込ませる」、「食屍鬼に武器を持たせ、1回攻撃にする」といった配慮をしておくことを推奨します。

最終的には祭壇の前で、異形の姿になった弥八との戦闘になります。弥八はモルディギアン降臨の儀式の途中ですが、祭壇の血の魔法陣から加護を得、両腕が蛇に変わった竜人のような奇妙な姿になって探索者に襲いかかります。(SANチェック1d6/1d12)

★弥八の攻略について

最終戦はPC対弥八一人ということになります。基本的に負けることはないですが、一人くらいは死ねる程度のスペックにしてあります。大体2ラウンド目で倒れるようなバランスにはしているつもりですが、パーティの火力などをシミュレートし、あまりにもあっけなく倒されることがないように肉体の保護の量を調整しておくと盛り上がります。(それでも「徹し」連発で倒される可能性はあります)

弥八は狡猾な悪党(INT17)です。数の不利は承知しているため、傷ついていたり、弱っている相手から狙おうとするでしょう。女子供がパーティにいるのであれば、蛇で巻き取って人質に取るといったこともするかもしれません。

【シーン10】 エンディング

タイムリミットまでに全てが終わらなかった場合、少女は二度と戻らず、事件は迷宮入りします。
最後に全滅した場合、モルディギアンの力を得た弥八が火盗改の面々を一掃。食屍鬼たちはその混乱に乗じて姿をくらましますが、事件は解決しません。
クリア出来た場合は、適宜上手いことやってください。


6. NPCのデータ

○食屍鬼(基本ルールブック参照)
STR 16 CON 13 SIZ 13 INT 13 POW 13 DEX 11 HP13
鉤爪 30%×2 1d6+1d4
噛みつき 1d6+1d4(STR対抗で引き剥がさない限り1d4が永続する)
※飛び道具半減(切り上げ)
聞き耳 70% 目星 50%

○弥八の手下
STR 11 CON 11 SIZ 13 INT 11 POW 10 DEX 9 HP 12
脇差し 50% 1d6+1
なた 60% 1d6
※帷子: 装甲1点

○弥八(人間形態)
STR 14 CON 14 SIZ 14 INT 17 POW 17 DEX 11 HP 14 MP17+10
錫杖 60% 1d8+1d4
目星/聞き耳 75% クトゥルフ神話 40% 隠れる 90%
魂の歌: 対象に催眠をかけ、みたいものだけを見させることができる
食屍鬼との接触
肉体の保護: 20点相当の外付けHP。
※コルーブラの手: この時点では使わない
※弥八の錫杖: MP+10相当のアーティファクト
※骨の笛: 魂の歌を使うための術具
※門の鍵: 短距離ワープを可能にする

○弥八(蛇形態)
STR 16 CON 20 SIZ 20 INT 17 POW 20 DEX 15 HP 20 MP20
コルーブラの手 75% POT20の特殊な毒を与える(解毒できない限り、各ラウンド終了時に1d10ダメージを与え続け、合計20点ダメージを与えると終了する。対抗に成功した場合、1回だけの1d10ダメージを与える)
 └毒蛇は装甲3点、HP10であり、それ以上のダメージを与えると切断できる。
肉体の保護: 20点相当の外付けHP。装甲は適用されない。数はPCの火力に応じて調整。
目星/聞き耳 75% クトゥルフ神話 40% 隠れる 90%
※術:「血仙蟲」 死亡時に1回だけ1d10耐久力を回復して復活する
※毒蛇の鱗: 装甲3点(PCの火力に応じて調整)

○長谷川平蔵
STR17 DEX15 CON13 POW18 SIZ15 APP13 INT18 EDU19
HP14 MP18 DB+1d4 SAN85 アイデア90 幸運90 知識95

目星90% 聞き耳85% 図書館65% 追跡90%
信用85% 言いくるめ80% 心理学 90%
日本刀90% 回避80% こぶし75% 組み付き75%

日本刀 90% 1d10+1d4
・術「滝落とし」 MP1d4 受け流し成功時に判定(90%) 成功で1d10+2d4の反撃を行う
・鎖帷子と帽子: 装甲3点

★長谷川平蔵は火付盗賊改方の長官。悪党を捕まえるためには手段を選ばない苛烈な人物だが、「本所の銕(てつ)」と呼ばれた傾奇者時代から侠気に長け、器の大きな親分。「美学のある本格派盗賊」には割と優しいが、放免するに当たって腕をたたっ斬ったり、一概に「罪を憎んで人を憎まず」というレベルでもなく、普通に怖い。(アニメ版だとマイルドだが)

○中村主水
STR16 DEX17 CON14 POW16 SIZ14 APP10 INT15 EDU18
HP14 MP16 DB+1d4 SAN70 アイデア75 幸運80 知識90

目星75% 聞き耳95% 図書館50% 追跡90% 忍び歩き90% 隠れる85%
信用45% 日本刀95% 回避80% こぶし75% 組み付き75%

日本刀 95% 1d10+1d4
・術「連続攻撃」MP1d6 <日本刀>で2回攻撃する
・仕事装束: 装甲1点

★鬼平犯科帳の登場人物ではなく、必殺仕事人シリーズの主人公。仕事人シリーズは江戸のいつなのか時期が明確に決まっていない。別に本筋と関わっているわけではないので、KPやPLに興味がなければ出番を割愛してよい。


7. シナリオの裏設定いろいろ

○食屍鬼と江戸

食屍鬼は穢多・非人身分の中に溶け込んで江戸に居住しています。彼らは人間社会へのスパイ(時の官憲への工作や、人間社会の貨幣の調達など)を作るために、人間の子供と自分達の子供を「取り替えっこ」したり、少女を拉致して食屍鬼とのハーフを作ったり、そもそも洗脳して人間社会に送り込んだりといったことをしています。

○「臓物絵師」曳馬頓理(ひくま・とんり)

犬面の醜貌。声の高い卑屈な男。化粧で素顔は隠しており、草の匂いがキツイ。
表向きは長屋住まいの売れない浮世絵師で、周囲からは仕事してるかわからない胡散臭い奴として疎まれています。
彼の描く緻密な死体画は猟奇的趣味を持つ商人の裏ルートで流行しています。現代風に言うとエログロ画家。ターヘル・アナトミア(解体新書)を持っており、実は医学に明るい人物です。
自身の食人衝動を発散するために、食屍鬼の死体置き場に出入りしています。

○土被りの弥八

人攫いを生業にしている凶賊で、食屍鬼のシンパです。「売り物に手は付けない」というプロ意識は持っています。生まれつき使える「魂の歌」によってハーメルンの笛吹きめいて子供を攫うことが出来ます。
人攫いの流し先の一つとして食屍鬼にも卸を行っていましたが、3年前に足がつき町奉行に追い詰められてしまい、食屍鬼を頼って地下に潜りました。

極めて知能が高く、元々魔術の才能(魂の歌)があった彼は、食屍鬼の社会で崇められている魔術に興味を持ち、潜伏しながら修行を重ね、今に至りました。

○骨喰マミゾウ

依頼すると死体を跡形もなく処理してくれることで有名な人物です。その正体を知って生きていた者はいないと言われ、直接の接触はタブー視されていますが、実際のところ人間社会で裏仕事をしている食屍鬼たちの総称です。

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