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主役と脇役

「誰もが自分の人生においては主人公だ」なんて言葉は世の中にありふれている。
しかし、俺は自分が主人公である必要は全くないと思っている。むしろ、個人的には自分の人生という物語の中でさえ脇役でいたい。
自分の性格を考えるとスポットライトを浴びるには、あまりに不向きだとすぐに分かる。正直、裏方に徹することが出来れば1番なのだが、自分の人生だからそうもいかない。表舞台には立たざるを得ないのだ。だから脇役を選ぶのである。
適材適所という言葉がある。主人公としてスポットライトを浴びて輝ける人間と、脇役として影に徹することで輝ける人間と、その他にも様々なタイプの人が存在する。その中で自分のタイプを考え、自分に適した立ち回りをした方が結果として輝けるのだ。
自分の人生なんだから脇役になりようがないという人がいるかもしれないが、自分の人生だからこそ脇役にだってなれるのである。
小説だって主人公視点で物語が展開していく物もあれば、第三者視点で物語が展開していく物もある。第三者視点で物語が展開していく場合、視点は第三者の物だが主人公は別である。俺の人生はそれで良い。
ただし、俺の人生においては主人公はその時々で変わる。自分が主人公として生きるより、そっちの方がよっぽど面白いと思う。俺という固定の人物視点で進む物語。それでいて主人公は頻繁に変わる。そんな複雑な物語は描こうとしても描けない。
自分に対する関心が人より薄いからこその価値観なのかもしれないが、自分が楽しいと感じていればそれで良いだろう。
ただ、自己承認欲求が全く無いわけではないのが俺の厄介なところだ。だから、欲を言うと誰かの人生において助演男優賞にノミネートされたい。受賞はしなくていい。ノミネートされればそれで充分だ。「あいつのおかげで楽しかった。」「あいつのおかげで助かった。」「あいつのおかげで…」そう思ってもらえるのがどれだけ難しいことか知っているから。
俺の人生の今日の主人公は誰だろう。

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