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丑三ツ時小噺


気圧...低
体調...× 
精神...△
摂取アルコール量...◎

先月は一日しか休みがなかったが今月は四日も休みがある。正月万歳。
しかし先週からずっと風邪気味。
なんとかなっているような、誤魔化しているような。

精神的に追いやられている状態の方が
良いものが創れるの、なんでなんだろうね?

こういう日には昔読んだ漫画の最後の一節を思い出す。

...

何年も、何十年も、仮に生まれてから死ぬまで同じ家に帰ってきていたとしても、玄関の前の石畳を全て踏むことなく死んでいくのと同じように、ものすごい速さで次々に記憶となってゆく日々を、私たちはどうする事も出来ない

貴方もわたしもこの世界のほんの切れっ端にすぎないのだから

しかもその貴方すら、懐かしい切れ切れの
誰かや何かの寄せ集めにすぎないのだから

...


さて、バーテンダーになってから早一年、
それと二ヶ月ほど。
まだまだ勉強しないといけないことが山のようにあって、少し登ったと思えばまたすぐにどこからともなくブルドーザーがやってきて新しい土砂を積み上げてくるような、そんな感じ。

でもほんの少しだけ見えてきたこともある。

一、皆違って皆しんどい

これは当たり前すぎて説明は割愛。
知ってたけど結構頻繁に思い直すことが多い。
今日もお疲れ様。よく頑張りました。

二、皆意外と何も知らない

マジでこれ。
どんだけ歳くってても、年収何億とか異次元の世界で生きてどんだけ稼いでても、皆意外と何も知らない。ただ分かったような振りをするのがうまくなるだけ。


白い壁に白い天井、白い床、そこに一枚だけ差し色のように直立している灰色の壁(最近流行りのアクセントクロスというらしい)が、チカチカと点滅している。

テレビがないので分からないが、ちょうどこのくらいの時間から流れているであろう放送休止時間のテストパターンのように見える。
...つまり、もうそろそろ活動時間の限界だ。

夜が更けれは更けるほど、人生に疲れれば疲れるほど、人間は考え事をする時間が増える。
それらに比例するように
ゆっくりと、足掻くことなく、深く暗く、
ほとんど黒に近い色の思考まで落ちていく。

なんだかネガティブな言い回しに聞こえるけど、別にこの状態は嫌いじゃない。
しんどいけど、寝たいけど、それよりも何かスマホのノートでも紙のノートでもなんでもいいからそこに文字を走らせたくなるような、もしくは文字以外、絵でも写真でも良くて、とにかくこの負の感情を変換して何かを創り出したくなる。

怒り、悲しみ、憎しみ、負の感情こそ私の中の最強のエネルギーだ。破滅に向かえるような力ならそれを変換すればいい。制御できずに爆発してしまった感情の焦げ跡は消し去りたくなるけど、一度ついた跡はなかなか消えないし、最近はそれもまあいっかと思えるようになった。

そんなこんなを考えて、ちょうど二時三十分。
丑三ツ時が終わる。


ああ、「死ぬには若すぎるけど生きるには飲み過ぎたわ」つって死にてえな。

拝啓、神様へ
そろそろ幸せになってもいいですか?

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