篠谷勇生

絵と詩と文章を書きます。虐待と社会的養護、発達障害当事者。NHKハート展入選。

篠谷勇生

絵と詩と文章を書きます。虐待と社会的養護、発達障害当事者。NHKハート展入選。

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夏休み最後の日とライブハウス

「きみは、あと一歩の勇気を踏み出せたんだよ。」 これは、僕が中学3年生の時に受け取った言葉だ。 2016年8月28日、夏休み最後の日。 そのころの僕は、大好きなお母さんから毎日虐待を受けていた。 死ねと言われ、叩かれ、空腹に耐え続けるだけの日々。 どうしようもなく苦しくて、心も体も限界だった。 もう終わりでいいや。 死ぬほど嫌ではないけど、始業式を理由にすれば、お母さんを悪者にしないで済む。 夏休み最後の日に死のう。 8月中旬のある日、穏やかにそう思った。 終わりは好

    • 【詩】心に消えない音楽を

      誰かの流したメッセージボトルが 岸辺に着いたとニュースで言っていた きっとニュースにはならないけれど プカプカと海を漂うように あなたの部屋で生まれた曲が 僕の部屋に届いているよ 少しだけ聞いてほしいんだ 僕はこんなに大きくなったよ 毎日神様に祈っても 大好きな母とは話せなかったけど 音楽は話してくれたんだ あなたの言葉で育ったんだよ きっとあなたに出会わなければ 孤独になることはなかっただろう あなたの言葉に触れたから ひとりじゃないと知ったんだ 少しだけ信じてほ

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