【感想】SPECTER【はじ繭2020第3夜】

第1夜「TRUMP」、第2夜「グランギニョル」も一応感想を書いています。

相変わらず何も調べずに見たままで書いているので正確性に自信がありません。
第1夜で気にしていたソフィとウルの出生について、第2夜でウルが、今回でソフィが判明しましたね……。

○臥萬里とソフィ
・ヴァンパイア・ハンター臥萬里(初代) ※本名:ソフィ
・ヴァンパイア・ハンター臥萬里(襲名) ※ネブラ村の”ノーム”,「TRUMP」時の臥萬里
・ダンピール ソフィ・アンダーソン ※クラナッハとハリエットの子,アレンの末裔
こういうことだったのか。
臥萬里さんが10年前時点で既婚者だったと出てきたときにはTRUMPのときいくつ!!?と動揺していたのですが、初代と二代目がいたのですね。これは死の予知を受けていたのに信じていなかった私が悪い(信じたくなかった)
昨夜の「ウル」は「希望」の意味とともに親から受け継いでいましたが、今回は元祖「ソフィ」が「縁起の悪い名前」だと笑っていましたね。実際のところは……うーん、どうだったととるべきなんだろうなあ。
ネブラ村では名前は神からの祝福のしるしだという。臥萬里を継いだものと、ソフィを貰い受けたもののその後は果たして……。

そしてソフィ(TRUMPの方)は「実際のところどうして孤児院で育つことになったかはわからないけど、両親が死んでしまったと考える方が余計な悲観をしなくて済むからそういうことにしている」と言っていましたが、実際大切に産み落とされて大切に送り届けられていたのだな。後に義理の叔父と甥として、相手はそうとは知らず再会した臥萬里、さぞ感慨深かったのでしょうね。

○ネブラ村と原初信仰
ま、また余計な血が流れている~~~!!!!!!
冒頭で臥萬里と石舟が「お前じゃなくて歌麿と組みたかった」「歌麿さんは今はデリコ家の件に関わっている」といった会話をしていましたが、デリコ家の件=グランギニョルの繭期少年少女失踪事件 なんですかね? だとしたら原初信仰絡みの問題頻発しすぎでしょう……大変だ……。
そして儀式のおかげではないけれど色々あってネブラ村にはTRUMPが現れている以上、グランギニョルが同時期に裏表で進行していたのならあちら側には絶対TRUMP関わって来ないわけで、本当になんのための流血と悲劇だったんだと虚しくなっています。

ノームがヒューゴたちに襲われた際、見込み違いだといった対応をとられていたので、てっきりノームのほうがダンピールで、それもあって村人から疎まれているのかと思っていたのですが、逆で、ダンピールと違って短命の宿命を抱えていない人間だったから用がなかったんですね。このシリーズ仕込みと種明かしが本当にうまいし、辻褄合ったときにとても気持ちがいい。
そして不気味なまでに統率がとれた排他主義も”イニシアチブ”がきくダンピールゆえだったのだなあ……。

それにしても命欲しさにこんな悲劇が起こった村の生き残りであるソフィが望まぬ永遠を手に入れることになるのはなんとも皮肉である。まあ確かに、ネブラ村の人々の悲願からすれば「希望」となったといえるのかもしれない。

何より本人が永遠を疎んでいるので、喉から手が出るほどほしい有限を投げ捨てて永遠を求めてくる相手の気持ちは全然わからないし与えてやる気微塵もないし、ただ1つの例外としてアレンの血筋だけは永遠にしようとするの、まあ……なんというか。

○カルロとシャドとローザ
序盤はカルロがシャドを庇う理由がわからないのですが、確かに優しいひとではあったなあ。優しさや信念をイニシアチブは踏みにじるんだけど、それでも優しさや信念に意味がないというこのシリーズの絶妙なあんばいがいいですよね、とぼんやり思った。
ダンピールの宿命から逃れたいけれどそのためにダンピールを犠牲にしてしまっては本末転倒、そこで偶然出会った純血の吸血種に手を下させる……というギリギリ見かけ上の体裁だけは保ったものの結局目的と手段がめちゃくちゃになったままのローザ、ダンピールの運命に振り回されておかしくなってしまった感じが強い。自分自身にすら自ら手を下さずシャドに引導を渡させようとするの、清々しいまでに徹底していると思うべきなのか、それとも……というところはもう一度見たい。

○クラナッハとクラウス
永遠に美しい花、どうせそんなことだろうと思ったよ!!!
クラナッハがアレンの血脈に連なる者という解釈で良いんでしょうか……?
完成しない花、また永遠を叶えてくれないアレンの血筋。
「花は枯れてしまうから愛おしい」、そう言っていたのは他でもないアレンであったと記憶しているのですが、最後の最後に呪いながら咲き続けることになるソフィという種を残していくの、絶望的に綺麗にピースが嵌りますね。

ところでこの後のTRUMPでのソフィの結末、クラウスはこの時点からソフィに目をつけていてクラン時代に至るのか、「いい匂い」でわかるのか、それともあまりにも「あの女」にそっくりでイヤでも気づいたのか、どれなんでしょうか……。何か見落としているような気もする。

○SPECTERたち
外でやらかしている繭期を見ていると、相対的にクランの重要性がよくわかりますね……。
彼らに関してはあれこれ見て考えるまでの余裕がなくてあまりにも何も語れないのでまたちゃんと見たい。

○臥萬里と総括
グランギニョルのときのダリに対しても似たようなことを書いていた覚えがあるのですが、臥萬里もネブラ村にとっては異邦人で、悲劇は臥萬里に関係なく元々火種があってそして転がっていくんですよね。そんな中で自分の信念に生きて、その生き様は名前とともに継がれていく幕引き、綺麗だと思いました。全ては炎に包まれて消えましたが、火はまた受け継がれていく灯火にもなりうる。

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