VOCALOID DJにおける"文脈-Context"の考え方 #vocanote
お世話になっております。ボーカロイドミュージックパーティをやらせて頂いている瀬田と申します。
今回は僭越ながらVOCALOID DJにおける文脈、ある意味で選曲や繋ぎと呼ばれる部分のお話をさせていただきます。
①"DJ"という行為に関して
まず、"DJ"と呼ばれる行為ですが、これは「持ち時間の限り音楽を途切れなく再生し続ける」行為のことです。
40分お時間を預かっている場合、おおむね20曲くらいが再生できる曲の目安かなと思っています。歌モノの曲のだいたいは1番が終わるのが2分くらいなので単純計算になります。
さて、DJさんは20曲くらい曲をかけられるんですが、ここで「何を根拠に曲を選ぶ?」という問題が発生します。
"自分が好きな曲"、"みんなが盛り上がる曲"、"今回初めて来てくれた人から訊いたリクエスト曲"、2019年5月5日現在、多くのファンの胸を打った"話題のあの人の曲"、思いつくところはいろいろあります。
今回はその中でも更に"繋がり"にフォーカスしたお話をさせていただきます。
②"文脈"とは
"文脈"とは内包されるイメージの連鎖です。
例えば「Sweet Devil」⇒「Masked bitcH」のような。
例えば「アルカリレットウセイ」⇒「ハイスペックニート」のような。
例えば「グリーンライツ・セレナーデ」⇒「METEOR」のような。
"内包されるイメージ"とは、曲から汲み取れる要素を指します。
「歌詞に含まれる伝えたいこと」
⇒"青春感"であったり"恋愛感"であったり"無常感"であったり、というポエトリーな部分。
「楽曲の属するジャンルによるイメージ」
⇒ロックであれば"主張感"、R&Bであれば"お洒落感"、EDMであれば"若者感"。
「楽曲に使われている楽器によるイメージ」
⇒エレキギターの有無、ピアノの有無、キックドラムの強弱、バイオリン的なクラシック弦楽器の有無、日本固有楽器の有無、機械加工の強弱。
「ボーカルの歌い方」
「女性vo男性voのイメージ感の違い」
「ソロボーカルであるかないか」
「キーの高低」「音量の大小」
「発表年月」「タイミング」「季節感」
「作者」「作者のイメージ」
汲み取れる要素なんて考えれば考えるだけあるのかもしれません。音楽の勉強をすればするほど汲み出せるのだと思います。もしかしたら文学や歴史の勉強もした方が良いのかもしれません。
③"ファン活動としてのDJ"に関して
一つ一つの楽曲に内包される要素を汲み出し、途切れなく再生し続けるDJプレイというものは、ある意味で考察や解釈の発表という側面もあるのかもしれません。
特に、僕はファン活動の一種としてDJをやらせていただいています。ステージの上でなんか偉そうに機材をペタペタ触らせていただいていますが、ただのボーカロイドやアニメソングのファンの一人です。
オタクなので、オタクたるもの、強く濃ゆいオタクでないといけないと思うんですよね。
「あいつは分かってる!」「あいつは深い!」
そういう言葉をいただけることが一番嬉しく思います。
精進を続けて参りたいと思います。
ただ、12年近く追い続けてもボカロは広くて深いです。
ボカロわからん。
④過去の自信作
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