見出し画像

古今亭志ん生没後五十年追善興行

三連休はこちらに伺ってきました。まさに古今亭サミット、古今亭祭り。ほんとは全公演行きたいくらいの気持ちですが、9月はただでさえ決算月なので後半のみ参加。でも、縁のある方が比較的後半に偏ってたのでそれでも充分に楽しみました。

新宿末廣亭

会場のパネルは全て、NHK公開収録イベント「カラーで蘇る古今亭志ん生」からの借り物だそうです。

9/17(日)夜の部

寄合酒 たたみ
のめる 菊志ん
しの字嫌い 佑輔
鰻屋〜茄子と南瓜 馬太郎
山手線慕情 駒治
漫才 とんぼ・まさみ
町内の若い衆 ぎん志
動物園 駒子
松山鏡 朝馬

仲入り

座談会 小駒 馬生 美濃部由紀子 朝馬 菊丸

近日息子 馬久
奇術 マギー隆司
たがや 菊丸
ざるや 馬石
太神楽 翁家社中
中村仲蔵 馬生

(すべて敬称略)

開口一番は三平師匠のお弟子さん。一言目の「えー、付け焼き刃は禿げやすいと申しまして」を噛み倒して変に説得力がありました(笑)佑輔さん、移籍になる前に見たっきりでした。しの字嫌いなんて地味〜な根多ですが、すごく丁寧に演じられ面白く聴かせていただきました。馬太郎くんの鰻屋は初めてかも。彼ならではの独特のテンポが癖になります。踊りも見事。立ち姿が綺麗なので様になります。朝馬師匠の松山鏡、あれだけ入れ事してても古典の雰囲気が崩れないのに驚き。新弟子の馬雀さんも一生懸命に手拭い売ってました。

仲入り後の座談会、美濃部由紀子先生は先代馬生の次女で小駒くんのおっかさん。落語関係、志ん生関係の本を何冊も書いてる作家さんでもあります。身内ならではの志ん生像に触れられて楽しかったです。馬久さんの近日息子、人柄に合うのか凄く面白かったです。菊丸師匠のたがやにうっとり。自分の中で粋で鯔背な江戸っ子を聴くなら一朝師匠と菊丸師匠が双璧です。馬石師匠のざるやは初めて。兄弟子の白酒師匠の十八番にしてるイメージありましたが、また膨らませ方が違って吹き出してしまいました。翁家和助さんの二丁扇子は初めて拝見しました。どんだけ根多持ってらっしゃるんだろう…。トリの馬生師匠は芝居のマクラでしたので、四段目?七段目?と思ったらまさかの大根多、中村仲蔵!そりゃ最高でしたよ!ちょっとネタバレで恐縮ですが、馬生師匠は古典の中身は変えずに、語り口で現代のお客さんに伝えようとされてるように思えました。

9/18(月祝)昼の部

子褒め ぼんぼり
転失気 雛菊
鰻屋〜づぼらん 小駒
壺算 三木助
熊の皮 やまと
権助提灯 菊千代
漫才〜南京玉すだれ 笑組
夢の酒 龍馬
無精床 馬遊
猫の皿 伯楽

仲入り

座談会 円菊 志ん輔 南沢奈央 伯楽 菊龍

首ったけ 始
奇術 美登・美智
蜘蛛駕籠 菊龍
新寿限無 円菊
ギター漫談 ぺぺ桜井
らくだ 志ん輔

(すべて敬称略)

雛菊ちゃんの転失気は苦戦されてました。割とお客さん巻き込み型の人なので珍しい。小駒くんは昨日の馬太郎くんと同じく鰻屋。どうした(笑)期せずして聴き比べになりましたが、どっちがどうかはナイショ。づぼらんは、エロ坊主が女性に振られると言う謎テーマの踊り。ゆるく見えて体幹がぶれないのは見事。ですが、顔がうるさいわー。

ちなみに、昼の小駒くん夜の馬太郎くんが踊っているのは、古今亭の色物さんが少なく、どうしても噺が続いてしまう事への配慮だそうで(笑組ゆたさん談)声を大きくして言いたい。当代馬生一門はすごいぞ。

三木助師匠の壺算。本編も楽しいけど馬主のマクラが好き。笑組のゆたさん絶好調だったなあ。かずおさん、小駒くんの顔はぬっぺほうもそうですが、稲中だと思うのです。南京玉すだれも賑やかに。龍馬師匠の夢の酒は夢の女性のお色気ムンムン。馬遊師匠はちょっと前の蛭子さんと言うか、存在そのものが面白い人になってますね。これはズルい。伯楽師匠は椅子席で。以前、池袋で拝見した時よりお元気そうで安心しました。

仲入り明けは座談会。今日の司会は円菊師匠、ゲストは女優の南沢奈央さん。NHK落語ザムービーで幾代太夫役(中身は菊之丞師匠)をされた縁だそうで当人も大の落語好き。しかし、昨日もそうですが、座談会の時間短いよう…もっと聴きたいよう…50年後、志ん生没後百周年興行の課題にしてほしいです。杖ついて行くからさ。始さんの首ったけ。廓噺は古今亭の大事な要素の一つだと思ってますのでこの興行で出してくれたのは嬉しいですね。菊龍師匠の蜘蛛駕籠、酔っ払いのほんっっとうにめんどくさい感じが楽しい。ぺぺ桜井さんのハーモニカ強烈。米寿であれをやる魂がカッコいい。トリの志ん輔師匠はらくだ!昨日に続き自分の引きが強すぎる。丁の目の半次の怖さがコミカルに寄った分、泥酔久六のド迫力!大変に満喫しました。

物販の手拭いはもちろん購入。余談ですが、初日に瞬殺したので勢いで追加発注したら今ダダ余りしてるそう。こういうところ芸人さんっぽくて好きだわー(笑)志ん生師匠、先代馬生師匠、志ん朝師匠、先代円菊師匠も草葉の陰で爆笑してる事でしょう。

興行も残りあと二日。手拭いは開演前と仲入りで噺家さんが元気いっぱいに販売してますので、ご都合よろしければ是非お買い求め下さいまし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?