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速記本

落語は生で見るのが一番です。亡くなったどんな名人の録音・録画より、ライブで寄席に行く方が面白い。と半ば以上本気で思ってますが、年がら年中行ける訳でなし、また、アマチュア落語なんて因業な趣味をやってると、どうしても繰り返しなぞれるアーカイブに頼る事があります。

ライブ以外の楽しみ方といったら、まず映像。地上波テレビでは「浅草お茶の間寄席」「日本の話芸」「落語研究会」、レコード会社から販売されてるDVD、アマプラやBSなどの有料サービス、YouTubeには昔から非公式のコンテンツが山ほどアップされてて、更にこのコロナ禍で噺家さん本人の公式チャンネルも増えてきました。

次に音源、昔はレコード、カセットテープ、CD、今はサブスクでもたくさん聴けるようになってきた。もともと「聴く」事に比重をおいた芸能なので、映像がなくても充分に楽しめる。移動しながら、作業しながらといった「ながら聴き」ができるのも魅力です。

最後に速記本。つまり、落語を文字起こししたもの。本はねー。これは昔ながらの紙の本しかまだ選択肢がない気がする。電子書籍になる程、人気のあるコンテンツじゃないのか、Kindleにも殆ど上がってない。僕が知らないだけかも知れないけど。

でも、映像や音源に比べて劣ってるかと言うと、これは条件付きだけど、そんな事もないと思う。その条件は、「生の落語を実際にみた回数ほど楽しめる」ってこと。そうすれば、文字を追ってるだけで自然と頭の中のイマジナリー噺家さんが実演してくれる。で、本にしかない魅力は、解説が充実してる事、自分のペースで進められる事、活字になる事で知らない、または聞き取れなくて流してる言葉もしっかり伝わる事、これはAの発言?Bの発言?って疑問が解決する事(演者が名人でも、聴き手がアホだとままある)、などなど。落語をより深掘りし手味わいし尽くそうと思ったら、速記本を手に取ってみる事をオススメします。

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