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男性用トイレで思うこと

男性用トイレには次のような貼り紙があるのを男性の方々は見たことがあるだろう。

この貼り紙の目的は利用者がトイレに一歩でも近づくことで便器の外側が汚れないようにということであろう。

これを見るたびに、ひねくれているぼくは「この標識に従って一歩近づくと、もう一度この標識が目に入った時点でまたもう一歩近づくことになり、それを繰り返すと壁や便器にめり込んでしまう」のではないかと考えてしまうのである。

何を言っているかよくわからないという方に図によって説明したい。

壁の標識を見て思う。
一歩進んだ後壁を見るとやはり"もう一歩前へ"とある。
加減がわからない彼は"もう一歩"進み続ける。
便器に乗ってしまった。
最終的に便器とぶつかってしまう。

このように、標識にどれだけの距離まで近づくべきなのかを指定しなかったせいで、図の棒人間はこれ以上進めなくなるまで"もう一歩前へ"進まないといけなくなってしまい、とうとう便器とぶつかってしまうのである。

しかし、実際にこのように便器にぶつかってしまう人はおそらくいないだろう。
ひどく酔っているとみられる人間ばかりの終電間際の新宿駅のトイレを使う男性たちであっても同様である。ただし彼らは便器にはぶつからないものの、床に嘔吐したり小便を撒き散らかしたりしてしまうのだが。

これは人間の常識という観念の賜物だといえよう。
コンピュータは未だこのような常識を持ち合わせてはいない。
したがって、もしコンピュータが男性用トイレを使う機会があったならば、彼らは「もう一歩前へ」の掲示を見てどこまで前に進めばいいのかわからず壁に向かって進み続ける。そして、とうとう我慢できなくなった彼らは便器の上にいるにも関わらず小便を漏らしてしまうということになる。

では、コンピュータでも便器の外を汚さないようにするユニバーサルデザインはどのようなものだろうか。ここでは案をいくつか考えたい。

①「便器から○cmに近づくまでもう一歩前へ」とする。
これは最も簡単な解決法である。どこまで近づけばいいかわかればそれ以上進むことはない。

②「便器に触れるまでもう一歩前へ」とする。
人によって飛距離が異なることから、○cmという指定はやはり床に飛び散ってしまう恐れがある。それを取り除くのがこの文言であろう。ゼロ距離から放尿することで誰も便器の外に飛び散らすことはない。

③「漏れるまでもう一歩前へ」とする。
別に便器の上で漏らす分には床は汚れないのである。であれば動作を停止する条件はこれでも問題はないだろう。

トイレで用を足しながらこれが近年話題のプログラミング的思考かと思った。
日々このような下らないことを考えながら暮らしているのである。

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