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サービスって

過日、バイトで
「あの、あれないですか?」
「なんでしょう?」
「あんこの入ってる…」
「小倉ホイップですか?」
「バターも入ってる」
「あんバター塩パンですか?」
「そうです!」
「あ…まだですね」
「そうですか…」
そういえば、あのパンはもう焼けてて冷めてはいるなぁ…
「お時間よろしければひとつお作りしますが」
「お願いします」
と言われたので、ひとつだけ作ってお渡しした。
もちろん「おっさん」というだけで顔など全く覚えていない。笑
私の目は美しいものと可愛いものしか映らない。笑
さらに、あんバター塩パンは作るのは意外と面倒。
それを全く関係ない時に一個だけ作るのは更に面倒くさい。
朝から面倒な、という印象しか残らなかった。笑

で、先日。
開店のシャッターを開けようとしたら、背中にビタッとくっつくおっさんが。
「え?なに?きもっ」と心で思い、どんどんシャッターを開けて行きました。

たまにいるんですよね、開店を待ってる人。
心待ちにしすぎやろ。
一日だけならあれですが、毎日やられるとめちゃプレッシャー。

で、私はそのまま裏で作業を続けてたら、レジの方で
「あんバター塩パンですか?まだですね」と聞こえてきた。
あ〜あのひとか。
背中びったりの人とあんバター塩パンの人が繋がった。

しまった。
私が一回作ってしまったから味を占めたか。
これね、ツーパターン居ると思うんです。
特別に作ったから次からも「特別」を求める人と
無理言って作ってもらった、それもたまたまだろうから、もうやめておこうと遠慮する人と。
私自身は後者なので(だいたい特別扱いを期待する人に碌なやつはおらん)気づかなかったけど、前者だったか。

「さっき、あんバター塩パンないかって聞いてきた人おった?」
「居ました」
「ごめんな、私が前に一個だけ作ってん」
「あーそうなんですね」
「でもやっぱり朝イチにあんバター一個作るのは無理やな」
「そうですね」
「サービスって難しいな」

本当に難しい。

そして人って難しい。
本職の方はありがたい事にこのような無茶を言ってくる方はひとりもおらず、更にみなさんなぜか遠慮しているので、こちらが

「あれ?いつもデータB4で作って送ってますけど、プリンタA4までやったら全部入らないんじゃないですか?」
「デザインはセンターに入ってるんで…」
「え?でも色チップとか切れますよね?」
「まぁそれは…」
めちゃめちゃ探りを入れて、不便を聞き出して、改善してます。笑
この場合はA4に収まるように別にデータを作ってます。(B4のデータも要るので)

こういう奥ゆかしい方々のためなら多少の面倒もなんてことないのですが、
図々しいやつには何もしたくなくなりますよね。

まぁでもね、パン屋のバイトくらいしか言う事聞いてくれへんのかな、と思うとかわいそうにもなりますが。

人って難しい。
というか、私が難しい?笑

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