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空區地車の力学60.木札(きふだ)

本住吉神社例大祭でも「木札」が定着してきました。
木札(きふだ)とは、木材の板(札)に文字を刻んだものです。
中国三大宗教(儒教・仏教・道教)のひとつである道教で種々の災難をしりぞけ、幸いをもたらすとされる呪符(じゅふ)が用いられていました。
呪符には、奇石や骨・お札などが使われ、この呪符を日本化して利用したのが木札の始まりで、寺院から神社でも配布されるようになったようです。

木札には、所属を明らかにする意味があります。
また、事前にお祭りを行なう神社でお祓いを受け、「お守り」として祭り中の安全を祈願します。仮りに木札が割れたり無くしたりした時には、自分の災厄を木札が引き受けてくれるのです。

空區の木札

多くの祭りで使われる木札の文字書体は「江戸勘亭流」で、歌舞伎役者の九代目・中村勘三郎が劇場看板を書家の岡崎屋勘六に依頼したのが始まりです。
字を太くすることで隙間をなくし「空席がないように」。
文字に丸みをもたせ尖らせないことで「無事円満を祈る」。
ハネを内側に入れることで「お客様を招き入れる」という思いが込められた書体です。
 
空區の木札は、表には「空區」の文字、裏には本住吉神社の神紋(社紋)と空の文字が刻印されています。裏面の神紋と空のマークは法被の背中にも印刷されています。
宵宮の朝に地車と若中へのお払いと共に木札は配られ、2日間首からぶら下げます。お守りですので、祭りが終わった後も来年の祭りまで首からぶら下げても構いません。

撮りっこしました(笑)