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西加奈子「さくら」

読了2020.08.12

北海道行く前日、寝れなくて(昼寝したから)その眠れなかった3時間で読んだ。多分寝れなかったのは結構これが面白かったからってものあるはず。あと読みやすい。内容がしっかり頭に入ってきて、退屈になることがない。あとこれ、2005年に発売された本らしい。なぜ今頃映画化するのか。よくわかんないけど、まあ吉沢亮が映画に出るのは喜ばしい。

今回は、またもや表紙の吉沢亮につられて購入。表紙見ながら想像しながら本読んでたんだけど、まず、兄ちゃん(吉沢亮)が交通事故に遭って、下半身不随、顔半分不随になるのがしんどい。今までキラキラで生きてきたことを考えると尚しんどい。兄ちゃん本人はどう思ってたんだろう。絶望だと思うけどその中にきっと「自分は外見を失ったら無力だ」なんて気持ちもあったんじゃないかなと思うと可哀想、決してそんなことないのに。でも外見がある程度性格を決定するかもしれないってのは最近ちょっと思ってたからホットな話題だった。どういうことかというと、例えば私が橋本環奈の顔してたら多分みんな私に恐れ多くて私と喋らなかっただろうし今仲良い子と仲良くなってなかった気もする。

あと思うのが美貴がやべえ+可哀想なこと。初めて立った動機が兄への恋心ってのがなかなかなかなか。美貴が矢嶋さんからの手紙を全て貯めてたのもしんどい。交通事故って本当に偶然じゃん。多分1秒違ったらそれは起こってなかったじゃん。だからもし美貴が手紙を仕舞ったりしなかったら、兄ちゃんの行動もちょっと変わってて、そしたら交通事故に遭わなかったんじゃないか、と思ったり、交通事故に遭った後でも矢嶋さんからの手紙のやりとりがあったら兄ちゃんは死なずに済んだんじゃないかと思う。そうなると、美貴が兄ちゃんを殺したんじゃないかと思える。女怖い。愛怖い。実際美貴は兄ちゃんが事故に遭ったとき、「もう他の女が近づかなくなった」と思ったらしいし。

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西加奈子の本、崩壊系が多い。しんどい感じの家族の崩壊。ふつうにありそうな家族なのに、あるきっかけで崩壊する。そんくらい家族ってのは綻びやすいものってのがわかる。まだ43才で若いらしいのに、なんという人だ。家族の崩壊ってなぜか一層しんどい。

私が読んだことある西加奈子の本は
・円卓
・きいろいゾウ
・サラバ上中下
今回の読んで、全部制覇したいとちょっと思った。

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