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季刊エス感想

季刊エス読んだ感想と本音をぶつぶつだらだらと呟く回。
内容を一部抜き出して要約したりしています。(こういうのってどこまで許されるんだ?)

榎戸さんと五十嵐さんの解釈

ドスくんの異能や目的、そもそも異能力とはなんなのかを榎戸さんも五十嵐さんも教えてもらってない中で、あのクオリティのものを作り出せるのプロすぎてかっこいい…

対となっているキャラは、深い部分では似た者同士、自分の一番嫌な部分が似ているので特に嫌い合うという榎戸さんの言葉
しかし双黒は少し違ってて、お互いを実力がある者として認めあっているとは思うが、似ているかと言われれば違う、二人には強い絆があるが、その絆の反対側には同じくらいの強さの苛立ちがあるという五十嵐さんの言葉。
重みがすごいんですよ...ぐさっとくる...

太宰さんと出会う前の芥川には、突っ走ってしまう無自覚な破滅願望があった(まさにBEASTですね)
鏡花にも自殺したいという破滅願望があった
敦にはその破滅願望がない
みんなどこかしらに破滅願望があるが、敦だけはそれがないから他のすべての異能に対抗できる
これら榎田さんの言葉。もうさすがとしかいいようがないほどに本質を捉えている。
拝んでおく。

芥川が戦闘の場で敦に問いかけることは、芥川自身が答えをもらいたがっていること。それが敦の言葉で返ってくることで、敦の持つ生き様という重みが加わって返ってくる
すごー

インタビュー読む度に思うけど、やっぱりこのお二方はほんとすごい
読むと、うおおお!と脳細胞が組み変わっていく感じ。
キャラに対する理解の深さ、台詞や状況の持つ意味の捉え方、見えている人物像の奥行がえげつなくてもうただただ憧れることしかできない

各キャラのお話

■国木田さん
国木田さんに対するドスと太宰の認識がうわぁああああ!ってなる
ドスくんは国木田さんの心を折ろうとする。太宰さんも色々なことで国木田さんを試すんだけどそれは国木田さんの真贋を見極めようとしているからであり、心の底では折れないでくれと思っている。これ榎戸さんの言葉なんですが、ほんとすごいですよね。
国木田さんが探偵社の未来であり、国木田さんが探偵社の中で唯一完全な善の立場にいる人だから、彼に願いを込めている、ということらしいです。

私はずっと折れろ折れろ、一旦半年くらい徹底的に堕ちろと思っていたタイプでしてwそして十分に闇に身を浸してから再び這い上がってこい、と思っている。だけど国木田さん、割とすぐにやる気取り戻しちゃうんだよね~先生、国木田さんに甘いよなぁ。
ここまでの理想主義者は少しの刺激で容易にうつ病に転落できちゃうので、今後のリスクを下げるという意味でもフィッツのように浮浪する時期があってもいいと思う
「俺はもう理想が何も見えない!これ以上なにもできない!俺に頼らないでくれ!!」ってすべてに絶望して逃げ出す国木田さんがもっと見たいんだ
国木田さんの苦悩の声をもっと聞きたいんだ
ってずっと思っていたんだけど。
国木田さんが折れないのは自分のためではなく、探偵社の未来を背負ってるからなんだと気づき、国木田さんの中に探偵社の存在を見ることができるようになったお陰で、まあ折れなくてもいいかなと考え方が変わりつつある。

BEAST軸の国木田さんのネクタイが青い理由は、BEAST軸では蒼の使徒事件が発生していないから、青という色にトラウマを持っていない(35先生)
ひょ〜〜〜トラウマを持ってるから青を避けてたんだね...知らなかった.......

■太宰さん
35先生が太宰さんの表情を書くのに苦戦しているエピソードがとてもよかった。
よくあそこまで絶妙な表情をいつも描いて下さるなと感服。
私たちの脳内で再生される太宰さんの表情はあなたさまが書いてくれた表情がベースになってできてますよ、35先生。あなたさまこそが太宰さんの持つ魅力の源泉なのですよ、35先生。

■与謝野さん
与謝野さんの16巻のエピソード、数秒で細部まで思い浮かんだってまじですか朝霧先生。お話作る人の脳内を私はよく理解できてないんですが、すごすぎる。
戦場で兵士を不死にする役割を担わされた過去は連載開始当初から構想としてあった。解体→治癒が趣味なのはトラウマの再現。克服しようとして同じことを進んでやってしまうということらしい(35先生)

初期から生い立ちの構想はあったようで。それにしてもあれはトラウマの再現だったとは。無意識のうちに執着しちゃってるの、相当心の中にわだかまり残ってますね...。与謝野さんはやっぱりまだ完全には救われていない。乱歩さんによって自分を肯定することはできるようになったけど、過去の克服には至ってないということかな。この辺もう少しドラマがありそうだな今後。

■梶井さん
梶井さん出オチ予定だったとはww
「彼はわざとあの破天荒な性格を選択している(朝霧先生)」は衝撃。爆弾投下された級の衝撃が走った…そうだったの…?!自分で自分の性格を選択できる強さはいいな~惹かれるな~…梶井さんの台詞すごい好きな一方であの性格どうにかならないの?と思っていたんだけど、性格を意図的に選択しているのだったら私たぶん梶井さんのことすごい好きだな。
ところでまだ明かされていない「丸善ビル爆破事件」はもう敢えて描く必要がないくらいどんな事件だったか想像ついてしまうから、永遠に描かれなかったらそれはそれで非常に面白いと思う。

■立原くん
立原は登場した時点で潜入捜査官と決められていた(朝霧先生)。うーん、やっぱり初期から結構色々仕込んでるな、先生…。
立原兄は「善人版のドストみたいな感じで!」といわれて本当に朝霧さんはこのタイプの男性が好きだなぁと。(35先生)
なにそれ善人版のドスくん?私も好きだな...
朝霧先生と男のタイプが同じ説。

しかし女性のタイプは合わない気がしている…
ちょっと本筋から逸れるけどキャラの好みについて少し語らせてくれ。
文ストの女性キャラ全般に対して物足りなさを感じている自分がいるんですよね。
文ストの女性は「恋と感情が行動原理になっている」人が多い気がしていて…確かに女はそういう特性というか本能を持つものだと思うし、何ひとつ間違ってはいないんだけど、それはあくまで女の中にデフォルトで組み込まれている元型であって、実際の女の人ってその本能と格闘しながら自分の在り方を模索するものだと思うのですよ。
感情と恋愛という本能に従って動くと必ず一度は辛い想いに支配されるので、そこから分岐が生まれて女性の多様性が生まれるはずで。私はその葛藤とその先にある多様性を見たいんだ。
個人的には辻村母が一番好きです、出番ないけど。
それとオルコットちゃんも良い。ああいう意思の強さは良い。

しかし本能で動く女性キャラに対して、男性キャラは手を差し伸べるチャンスが生まれるので男性キャラの格上げにつながるという意味では今のキャラ設定は美味しい構造なのかもしれない。女性キャラへの共感度はその分犠牲になるけども、そこはあえて切り捨てるというのも理解はできる。

■猟犬
猟犬は「正義という敵」かぁ。正義と正義がぶつかったとき、その勝敗はどのように決められるべきか、ってことですね~。なるほど~。
鐡腸さんは主人公をデザインするイメージで(35先生)鐡腸さん私すごい好きなんですよ~素敵なキャラをありがとう
条野の耳にぶら下がっているものは、振動を感知するためにある。なんと!振動を感知するなんて偉業すぎます。

■ドスくん
ドスくん、瞳はぼやっとしていて正義にも悪にも振り切ってない。実際に悪かどうかを決めるのはこちらの尺度なので、「異能者のいない世界をつくる」と言ったコマは瞳をがっつり白く描いた(35先生)
前にこんな内容の考察書きましたけど、ちゃんと読者にもそれが伝わってますよ~35先生ほんとありがとうございます35先生の描くドスくんは珠玉のキャラです。

■ゴーゴリ
ゴーゴリのオッドアイに込められた意味。教えてもらえなかった...がんばって考えるしかないね

■その他
朝霧先生のシナリオの作り方、「構造から~」と言って色々説明されてますがちょっと物足りないので、気になる方は「芥川龍之介 没後九十年不滅の文豪」に掲載されてる朝霧先生のコメントを参照されたほうがよく理解できるんじゃないかなと思います。

脚本~ネーム~完成までの図、すごいな…
太宰さんとドスくんの喫茶店での対面シーン、台詞変わってるのめちゃくちゃいい…こうやって少しずつ手を入れながらあの名場面が生まれていると思うと、感動。
ほんとに素晴らしい作品を作って頂いて感謝!という気持ちになりました。

だいぶ省いたけどそれでも3500字...長いのでこれでおわり!


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