文スト22巻の考察
※この記事はマンガ文豪ストレイドッグスの考察です。
※単行本最新巻のネタバレを含みます。
文スト22巻の考察。気になったところだけ。
[22.03.05 追記]
■中也が私服の理由
中也の服が私服なのは、正装はポートマフィアへの忠誠の証であり、騎士である中也にとって正装で森以外の人の指示に従うのはとてつもない屈辱であり、中也のプライドを守るために私服のときに襲われた設定にしてるのかも。制作側のせめてもの愛情表現かしら。
■ゴーゴリの来訪は必要なピース
ムルソーは最下層の無限賽室だけが異能断絶空間で、地下第四層以上は通常の空間と思われる。だとしたら中也は無限賽室の中までは行けないので、中也がお迎え?に来るまでに通常空間に出ておかないといけない。そのためにゴーゴリたちの来訪は絶対に必要なピース。ということはやっぱりゴーゴリたちの来訪も計画の内だし、そもそもゴーゴリを五衰に招き入れた意図は彼の異能力が無限賽室から出るための手段として必要だったからか。よくできてるわぁ…
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■ゴーゴリ・ゲームについて
ゴーゴリはドスを殺すことで自由意志を表明したい。
だけど、本当はドスを救いたいという情動に駆られているので「結果的にたまたま」ドスが救い出されるという結末に到達してほしい。
だから致死毒の注射で一度ドスを殺すことを実現するものの、ドスが自力で死を克服できる手段を用意してドスを救う。
自分の両方の想いを満たすために考案されたゴーゴリゲーム。
そしてそれに巻き込まれているだけの太宰。
だからゴーゴリは実はドスに勝ってほしいと思っている。
そして解毒剤を打つドスを止めることはない。
この話のミソは「致死毒を打って殺そうとした」というだけでゴーゴリの自由意志は表明されるということ。
実際にドスが死ぬ必要性はない。
■太宰が配膳室に行こうとした理由
配膳室に行こうとしているのは、食品用の搬送経路があると思っているからでは?
食料品は定期的に外から搬入せざるをえないので、その搬送経路から脱出する気だったのかも。
それを読者に推理させるためにあの貴重なお食事シーンが描かれたのだったりして。
太宰の言っている「天使のささやき」はなんのことかさっぱりわかりません。
■ムルソーにたどり着けた理由
ゴーゴリたちと中也はどうやってムルソーの場所を見つけ出したのか?
フィッツジェラルドはムルソーについて「正確な場所は欧州政府上層部しか知らない」と言っている。
ということは、欧州政府上層部から情報を受け取ったか盗んだのだろう。
福地は国連の委員長さえも顎で使えそうな人なので情報の入手は難しくなさそう。おそらく中也は福地の情報と命令に従っているだけと思われる。
一方ゴーゴリたちが情報を得るのはそう簡単ではない。
そうなると、ドスが裏でゴーゴリを手引きしていたという可能性は否定できず、このゴーゴリたちの来訪さえもドスの計画の一部だったりするのかもしれない。
■中也の目的はなにか
中也はポートマフィアで眷属化の被害に遭ったと思われるが、なぜ中也だけムルソーに来たのか。
ただの推測だが、福地がどこかのタイミングでブラムの聖剣を握って指示を出したときに、中也にだけムルソーに行くように指示をしたのではないだろうか。
その指示とは、ドスの脱出幇助か、太宰の始末か、太宰を始末して脱出か、それ以外か。中也の目的は今のところわからない。
しかし、ブラムを既に文ちゃんに奪われている以上、新たな任務命令はおそらくできない。
ドスが中也に命令を下すことはできないはずだが「ドスの命令だけは聞くように」という指示を組み込んであるなら、ドスも命令できるのかもしれない。
そのあたりの設定は不明。
■ドス中也vs太宰シグマのゆくえ
これを考える際に重要な視点は、ドスにとって利益があるのはなにかという点かなと思う。
太宰たちと戦うことによって得られるメリットは実はほとんどない。
タイムリミットが迫ったり、ムルソー側に手を打たれてしまったり、中也の眷属化が解けてしまうリスクがあってその場に留まるのはデメリットしかない。
一方、逃走という選択肢で得られる利益は大きい。
中也に最上階まで運んでもらい、一足先に解毒剤を打つ。
太宰は解毒剤がなければいずれ死ぬ。
太宰が死んだ後のシグマは侵入者としてムルソー側に逮捕される。
そしてドスはそのまま中也をどこかに運び、牢獄に閉じ込めておく。
吸血鬼が不死身なら、眷属状態の中也を殺すことはできない。眷属化が解けたら厄介なのでどこかに捕えておくのが無難。
こうしてドスは横浜の異能力者で最も厄介といってもいい太宰と中也という二人を封じることに成功する。
それがドスの目的のような気がしています。
といいつつ、作家さんは読者の読みまで読んでその更に斜め上を行くので、予想は大体ハズれるものです...。
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