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太宰さんが包帯を巻く理由

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。

おそらくこれが年内最後の考察になるので、やっぱり最後は最推しの考察で締めくくりたい…ということで表題の件、書いてみたいと思います!
包帯を巻く理由は太宰さんのキャラ像の中でも結構重要な部分だし、人それぞれ色々な考えを持っているのかなと思っているので、この内容は私の超個人的な太宰観、という前提で読んで頂けるとありがたいです。
あと、私は物事を単純化して考える癖があるので、これもその悪癖の産物です。

■太宰さんが包帯を巻く理由
この一言に集約されているのかなと思っています。

生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
太宰治『桜桃』

太宰さんという人間は、生きているっていうだけで外界から常に傷付けられ続けているんじゃないかなと。
自分がこの世界とあまりにも相容れないがために、摩擦のような軋轢のようなものが、身体と外界との間に生じてしまう。
少し動いただけで、呼吸するだけで、「不適合」という摩擦によって身体が傷つけられて痛む。
その傷を覆うように、そして外界と接触する部分を覆って摩擦から少しでも身体を守るために、露出した部分を包帯で守っているのかなあと感じています。

アニメ2期のEDでは、その包帯が風によってほどかれ、敦や芥川のもとに到達しますが、それは太宰さんが自身の傷を守るための包帯を、彼らにも分け与えてあげることで彼らの傷を癒してあげていることの表現なんではないかなと。

生きるという行為から感じている痛みが、視覚を通じて伝わってくるのが好きだし、包帯を見ることで、一般的な人には決して理解することのできない太宰さんの感じている痛みが、少しだけ理解できるような、そんな気分にさせてくれるなぁと思います。

■黒の時代の右眼と、BEASTの左眼
右眼は過去を、左眼は未来を象徴していると聞いたことがあります。
なので右眼を覆っている黒の時代の太宰さんは過去から絶え間なく傷を付けられ、左眼を覆っているBEASTの太宰さんは未来から絶え間なく傷を付けられているのかなと想像しています。

太宰さんの過去についてはまだ明かされていないので、どういった傷が太宰さんを傷つけているのかはわからないのですが、黒の時代の最後に織田作によって右眼の包帯がほどかれたことで、太宰さんは過去の傷を克服したと考えられます。
生きる意味を見つけられずに苦しむそれまでの自分との決別とも捉えられるかなぁと思います。

一方、BEASTの太宰さんは未来からの傷を覆っています。
包帯を巻き始めた時点では、織田作の死は未来の出来事であり、未来を見てしまっているが故に未来に存在するはずの織田の死から傷を負い続けている、という解釈ができるかもしれません。結果的に死の間際の「人生の最も未来に位置する地点」でルパンにおいて太宰さんは更に傷を負うので、BEASTの太宰さんは未来から傷を受け続け、その痛みを左眼の包帯で覆っていた、と想像しています。

こんな感じで、太宰さんの包帯には傷と痛みの感触が付随しているのが、個人的な印象です。
包帯を解いたらなにかの封印が解かれる、とかそういうのだったらそれはそれでとても面白いですけどもね。
少し感傷的な太宰さん観でした~。
来年も推しをたくさん愛したいと思います。


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