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自己矛盾型特異点について(お題箱から)

※この記事は文豪ストレイドッグスの考察です。
※お題箱に頂いたお題への返信です。

頂いたお題はこちら:
ものあしさんはじめまして!
考察いつも楽しく拝読させていただいてます。

先日舞台のストームブリンガーのBlu-rayが届き鑑賞していたのですが、
研究所でNが異能の矛盾型特異点について説明しているシーンで
『異能の力を増幅させる力をもつ男が自分に異能を使うと、異能の力を増幅させる力が増幅し、それが無限に続き時空に歪みが生じて…(割愛)…特異点が生まれる』的なことを話していました。
それって異能や異能者に対して発動する異能力ならば、自分に使うことで自己矛盾型特異点になるのではないか?と思いました。
蘭堂さんも"異能力者の死体を取り込み使役する能力"を使って自分を使役して繰り返し特異点になってヴェルレーヌを生かしています。
太宰の異能は"異能力を無効化させる異能力"ですよね?

そこで!
*太宰は自分に対して異能を使うことは可能なのでしょうか?
そして、
*太宰が異能を無効化にする異能を自分に使ったとして無効化することを無効化にして…を繰り返し特異点になったりするのでしょうか?
太宰曰く「異能無効化に例外はない」とのことなのでどうなのだろうと思いまして…。
ものあしさんの考えをお聞かせ願いたいと思い送らせていただきました!
よろしくお願いします!!


お題を頂きありがとうございます!!
舞台ストブリ…いいですね…!私は舞台観て兄に惚れこんでしまったのですがそれはともかく、アダムさんやNさんがあの難解すぎる膨大な量の台詞を一度も間違えずに言い続けられることにひたすら驚嘆しました。役者さんの記憶力ってどうなっているんですか。
ストブリは難しく情報量がとにかく多いので、攻略するの結構大変だなとずっと思ってます。そしてその難解さに拍車をかけているのがお題主様が言及された自己矛盾型特異点だと思っていまして。
正直なところ私もよくわかっていません…
なので「こういうことかな?」くらいの感覚的な話になってしまいますが、どうかご容赦ください。

まずは、自己矛盾型特異点の事例をおさらいです。
自己矛盾型特異点は、数十年に一度の頻度でどの国でも起こるとされていて、特異点の発動と同時に異能者本人が死んでしまうので、詳しいことは誰にもわからなかった、とストブリに書かれています。
この現象を初めて発見したのはドイツの研究者であり、その力を初めて実用化したのがフランスだそうで。その技術を独自に入手し日本で応用して生み出されたのが中也である、ということですね。

中也の異能のもととなった異能の力は「異能の力を増幅させる異能力」だったと思われます。
特異点が生み出された経緯としては、異能の力を増幅させる力を増幅し、それをさらに増幅し…を無限に繰り返していった結果、蓄積された「異能」という膨大なエネルギーが物理空間に質量転化を起こして、物理空間に無限に近い質量が生まれる、それがブラックホールになる、ということかな?(理解合ってます?有識者の方いたら助けてほしい)
特異点を生み出すためには、異能を繰り返し発動してエネルギーとして蓄積させていく必要があるということですかね。

もう一つの自己矛盾型特異点のケースはランボオなのですが、ランボオの場合は少し特殊なのではないかなと思っています。ランボオの亜空間は通常空間から断絶されているため亜空間と通常空間の間で相互作用が起こることがないと思われます。
なので、亜空間の中で生じた無限のエネルギーは亜空間の外へは質量転化していかず、ブラックホールも亜空間の内部にしか存在しないという感じでしょうか。だからこそヴェルレエヌの出力は以前よりも弱いということかな?この辺すごい曖昧です…
「死んだ人間を亜空間の中で異能生命体化する能力」なので、亜空間の中に取り入れた自分という異能生命体をさらに亜空間に取り入れて異能生命体にし、またさらに異能生命体にし、を繰り返して異能のエネルギーを蓄積させていったということだと思いますが、最終的に赤方偏移が確認されたということはその蓄積されたエネルギーが亜空間の内部でブラックホール化したのかな。そしてそのブラックホールが亜空間ごと特異点としてヴェルレエヌに与えられたということですかね。(理解合ってます?これも有識者の方いたら助けてほしい)

これらのケースから考えると、自己矛盾型特異点の基本原則として、異能の力が1→2→3→4→…と蓄積され増幅していく可能性をもっていることが条件なのかなと思います。

では、太宰さんの場合はどうなのか。
太宰さんの異能は異能を無効化する力なので、「異能を無効化する→無効化を無効化する→異能を無効化する→無効化を無効化する→…」となり、これは1→0→1→0→…だったりするのでは?
また、太宰さんは与謝野さんの治療を受けられないので、異能無効化を無効化することができないと思われるため、オンオフのスイッチは少なくとも効かない。なので結果的に1しか出力できないような感じがします。

自己矛盾型特異点を生み出す可能性のある異能の条件として、触れた対象、あるいは場に対して働く何かの力学である必要性があるのかなぁとぼんやり感じていまして。
せっかくの機会なので、今いる登場人物の中に特異点を生み出す可能性を持っている人がいるのかどうか、ちょっと考えてみました。
その結果、ミッチェルとオルコットはちょっと面白いことが起こる可能性があるかも?という結論に到達したのでお遊びの雑談程度にお話しします。私、理系じゃないので根拠や信憑性は本当に期待しないでくださいね。

まずミッチェルですが、ミッチェルの異能は物質を風化させる能力ですよね。
そうなったときに気になるのは、風化を重ねていけば素粒子レベルまで風化できるのだろうか、という点です。
風化を進めていくと空間そのものが徐々に真空になっていくと思うのですが、やがて真空空間(偽の真空とやら)におけるヒッグス粒子なんかの素粒子までをも風化させてしまうことができれば、そこで真空崩壊が起こる可能性が出てくるのではないかと思ったりしてます。相転移によって膨大なエネルギーが生じ、まわりのものを巻き込んですべてが真の真空へと連鎖的に転がり落ちていく、みたいなこともあり得たり。
異能のエネルギーによる特異点とは少し違いますが、異能がきっかけとなって物理空間に膨大なエネルギーが生じる可能性という意味ではちょっと似ているような。
そもそも風化というくらいだからミッチェルの異能でできるのは大気に舞う大きさにまで対象物を粒子状に粉砕することか、せいぜい原子レベルまでの分解であって素粒子レベルには関与できないと思いますのでこんなこときっと起こりはしないのですが。
いずれにしても物質を風化させる力っておそろしく強いので彼女はもうこのまま寝てたほうがいいのでは…?なんて思ってます。

もうひとつはオルコットちゃんの時間を引き延ばす力ですね。時間を引き延ばす力が相対性理論とどう関わってくるのか、オルコットちゃんが異能を使っているとき、彼女の寿命はどのように消費されているのか、興味は尽きません。
これは極端な例でただの思考実験的なものですが、個室の中にさらに個室が置いてある無限個室みたいな場所があったとして、個室に入るごとに時間が8千分の1になり、そのまたさらに8千分の1になり、を繰り返していくといつか増幅しすぎた時間の歪みがなにかの作用をもたらしたりするのだろうか、とか考えています。時間の歪みから空間の歪みが生じたり、あるいは重力に影響を及ぼしたり…最終的にはタイムトラベルどころか次の個室の扉を開けたらまったく違う場所にワープしてたりして、とかそんなくだらない妄想が捗ります。
そういう意味では場や時空間そのものに対して働く異能はロマンがありますね。

あのー、何度も言いますけど私、全然理系じゃないのでこういうのよくわからずに適当に言っているだけでして、専門性のある方からしたら「はぁ?」としかならないのは重々承知していますので、あまり詰めたりいじめたりしないでください。

色々変なこと書きましたが、とりあえず数十年に一人の頻度だしそう簡単には発生しないものなので、今いる登場人物にはそういう可能性をもっている人はいなさそうかな、という感じがしています。

お題主様は太宰さんのことが聞きたかっただけなのに、すごい余計な話にまで巻き込んでしまってほんとにすみませんでした。
お題を頂きありがとうございました!


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