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Stud-Hiの基本戦略 基礎知識編

ご無沙汰しております。
完全に更新をサボってましたが、モチベーションが完全回復したのでまた更新していきます!

今回はStud-Hiという種目です。
あまり馴染みのない方も多いと思いますが、実は一昔前までこのルールが主流でした。
苦手とする方も多い種目(僕自身も含めて……笑)ですが、出来る限りの知識を用いて戦略記事を書きましたので読んでみて下さい!

詳しいルール説明はしませんので、まだプレイした事の無い方は木原さんのミックスゲームの勧めを先に読んでおくと良いかもしれません。

https://kihara-poker.hatenablog.com/entry/2018/06/13/172833

では始めましょう。



スターティングハンドの選び方



スターティングハンド選びのコツとして、もちろんポジションにもよりますが、基本強いツーペアを作りに行けるハンドが一般的な基準です。
ショウダウン時の平均的な役の強さがツーペアになりますが、弱いツーペアに対してしっかりとバリューを取れるハンドを選ぶ事が大事です。

3枚同スートのハンドもマルチウェイでは悪くありませんが、249や39Qのようなストレートも作りづらくペアになっても弱いハンドは他のプレイヤーからコンプリートが入っている場合3rdストリートで諦めた方が無難です。

Q9QのようなHUでプレイしたいハンドなのにマルチウェイになってしまった場合、パッシブにプレイして後の判断をしやすくするのは悪くはありません。マルチウェイでマージナルなハンドで自らポットを膨らまし過ぎると判断が難しくなる場面が多くなります。

4人や5人テーブルなどショートハンドでプレイする場合は少しレンジを広げましょう。
相手のドアカードが7でコンプリートしてきた場合、AT8やKT9が3オーバーなのでプレイアブルになる場面もあります。

参加できるハンドを何個か例を挙げて見てみましょう。

ロールドアップ
AAA 555 etc
3rdストリートではほぼ負けていません。
積極的にレイズしてポットを膨らませましょう。

ハイペア系
AAX KKX
Xがドアカードに出ていると隠れたハイペアになるため非常に強力です。
AやKがドアカードに出ていてももちろん強いですが、相手が警戒して降りてしまう事が多いので隠れていた方がバリューを取りやすいと思います。

QQX JJX
3rdストリートでは十分に強いですが、後ろのプレイヤーのドアカードにAやKがある場合警戒しましょう。
後述しますが、相手により高いペアを持たれていたとしてもStudの場合NLHEに比べて勝率はそこまで悪くありません。
自分のコンプリートに2betされた場合コールして4thストリートに進みましょう。

ミドル、スモールペア系
88X 44X
このようなハンドではXが何かが非常に重要になってきます。
AやKならもちろん参加できますが、コネクトしたカード(887etc)や同スートのカードがない限り降りた方がいいと思います。
ツーペアを作れたとしても、より高いツーペアに捲られる可能性が高く、アグレッションも維持しにくいためです。

3枚スーコネ系
9♡T♡J♡ etc
非常に強いです。5thストリートまではドローになる事を祈り、強いドロー完成後はアグレッシブにプレイできます。
フラッシュドロー+ガット、オープンエンドのような形が5thストリートまでに出来ると理想ですが、フラッシュドローのみのような形の場合素直にコールで6thストリートに進みましょう。

コネクター、スーテッド系
5♢6♡7♤ A♤5♤9♤ etc
マルチウェイで参加したいハンドです。
5thストリートまでにドローが完成しなければ素直に降りた方が良いと思います。
他のハンドでもそうですが、3rdストリートのドアカードでコネクト先やスートが何枚落ちてるかをしっかりと確認しておきましょう。


Stud Hiにおいてスターティングハンド選びは非常に重要です。
NLHEとは違い、弱いハンドが急激に強くなる事がかなり難しいのです。K43rが強くなる未来はほぼ無いですし、ツーペアを作れたとしても長期的に見た場合利益的ではありません。

またミドルやスモールペアのハンドも注意が必要です。
NLHEではセットマインとしてよく使われるハンドですが、それはプリフロップでコールした後3枚見る事が出来るため成立します。
Studでは3rd,4th,5thと3つのストリートをコールしてようやく3枚のカードが見れます。
このやり方は明らかにやりすぎで、利益的ではないと直感的にも分かるでしょう。

更にStud系のゲームはミックスゲームの中でも特に重要で、ベッティングラウンドが他のゲームよりも1つ多いためその分ポットが大きくなります。
たった1回のベッティングラウンドの差ですが、長期的に見た場合その価値はかなり大きな差を産みます。そのためにも最初からしっかりハンドを選ぶ必要があるのです。


NLHEとStud-Hiの違い



少し小話を挟みます。
NLHEの場合ドミネイトというシチュエーションがありますね。
AK vs AQ、もしくはKK vs QQのような場合です。
この場合勝率はどちらも約80%-20%ぐらいになります。

ではStudではどうでしょう?
KK9s vs QQ8s でHUになった場合、どの程度の勝率になるでしょうか?


答えは63%-37%程度まで縮まります。
Studはフロップポーカーとは違い、コミュニティカードを使いません。お互いが独自のカードを使うためこのような差が生まれます。
このような勝率の差を覚えておく事は非常に重要で、リミットゲームは常にポットオッズを考えながらプレイしなくてはならないため、体感的に今どれくらいの勝率があってコールすべきなのか降りるべきなのかの判断をします。Stud-Hiにありがちなミスとして降りすぎてエクスプロイトされる人が圧倒的に多いです。
今一度基本に立ち返りオッズの計算を見つめ直してみましょう。


ドアカードの重要性



Studにおいてドアカードの存在は非常に大きいです。このカードはかなり貴重な情報源で、決して見逃してはいけません。
ドアカードによって自分のハンドがどれほど影響を受けるのか、それを理解するために2つほど例を挙げて考えてみましょう。

プレイヤーAに(K♤9♤)K♢が配られました
プレイヤーBに(Q♢8♡)Q♡が配られたとします。

先ほどの例なので何も情報が無い場合同様に63%-37%程の勝率になります。
KK9側は他のプレイヤーのドアカードにKもしくは9が一枚ある毎に勝率が2~3%程落ちます。
対してQQ8側は8は2~3%程ですが、Qがあると5%程落ちてしまいます。
自分がB側の場合、相手がKKである事を考えながらプレイしなくてはならないためQが他のドアカードにあると途端に苦しくなるのが分かると思います。

ではもう一つかなり極端な例をみてみましょう。


自分に(A♤3♤)A♡が配られました。
相手に(8♧7♧)6♢が配られたとします。

ドアカードに何も情報が無ければ自分は68%の勝率があります。
仮に4thストリートで自分に3♡、相手に5♧が配られても60%の勝率があります。


しかしドアカードで2枚のAと2枚の3♢♧が他のプレイヤーに配られており、他のプレイヤーは降りたとします。

その場合自分は3rdストリートの時点で58%しか勝率がありません。
運良く残り1枚の3を引いて(A♤3♤)A♡3♡の形に出来たとしても、
同様に相手が(8♧7♧)6♢5♧になった場合、45%まで勝率が落ち、アンダードッグになります。


では逆に2枚の4♧♢と2枚の9♧♢が他のプレイヤーに配られ、降りた場合を考えます。

自分は3rdストリートで74%の勝率になり、同様のシチュエーションの4thストリートでは72%になります。


2つ目は極端な例で最悪のシチュエーションと最高のシチュエーションを考えてみましたが、ドアカードという存在によりどれだけの影響があるかはよく分かると思います。
実戦では自分と相手のアウツになりうるカード、スートを覚えておく必要がありますが、3rdストリートの最初のプレイヤーがアクションする前の段階で誰と戦うかなんて分かりません。
オススメの動きとしては、自分に1枚目が配られたらまず見て覚える、2枚目が配られたら見て参加するかどうか大体決めておく、この時に参加しないと決めたら覚えるのをやめる。
参加するか、しそうと考えているなら3枚目のドアカードが出たらとにかく全部覚えておく。
というような動きをすると体力も温存できるのではないかと思います。


ブロッカーの重要性


Stud系のゲームはNLHEなどのフロップポーカーやドローポーカーに比べて目に見えるカードの情報が圧倒的に多いです。
それにより相手が持ちうるハンドや持っていないであろうハンドをある程度予測する事ができます。

例えば自分は(A♡Q♢)J♢を持っており、相手の(XX)Q♡がコンプリートしてきた場合、相手がQQを持っている可能性を自分のQによってある程度ブロックできているため2betする事が出来ますし、他のドアカードにJが無い場合こちらはJJのように見せる事も出来ます。
逆に他のドアカードにJが出ていたり、相手にJを持たれている場合3betされてしまう事もありますが。

ドローについても同様のことが言えます。
自分が88を持っている時に相手の567などに対して強くアクションを取ったり、こちらが♡を抑えている時に相手の♡のフラッシュドローに対して強いアクションを取ったりなども出来ます。

Studで重要な事は共有して使うカードが無いため、こちらが持っているカードは相手は絶対に使えないという事です。逆に相手にあるカードをこちらが持ってるように見せる事も出来ないという意味でもあります。

おわりに



いかがでしたでしょうか。
StudHiはホールデムが流行るまで1番メジャーだった種目でもあり、戦略はかなり奥深いです。
NLHEしかプレイした事の無いプレイヤーからするとかなり特殊なルールや戦略を要求されているように見えますが、オッズやアウツなど基礎となる考え方は全く一緒なのでこの機会にプレイしてみてはいかがでしょうか。

Stud-Hiは実践編に続きますのでそちらも併せてご覧下さい!↓↓↓

https://note.com/556nip/n/nfab85ec56e59

海外のサイトですが、Studのエクイティが計算できるサイトを載せておきます。
https://www.cardplayer.com/poker-tools/odds-calculator/seven-card-stud



自分自身StudHiが苦手な事もあり、記事の中でこれは違うんじゃないかといった部分があれば指摘して頂けると嬉しいです!
ではまた!

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