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情景

夜散歩するようになった。
蒸し暑さが収まりつつある今日この頃、そよ風が頬を撫でる。

街灯の灯りがぼんやりと幻想的な風景を作り出し、日中の喧騒とは異なる静けさを醸し出す。
海辺の交差点の角を曲がるたびに、塩と夜の香りが混ざり合った気配が新鮮に感じられる。
星空が高く輝き、月の光が海を照らす様子は、まるで古の詩を実現したかのようだ。

その光の下で、走馬灯の様にこれまでの情景が脳内を流れ始める。
困難に直面した時、どれほど多くの人々に助けられたかを思い返し、その支えがどれほど心強かったかが身に沁みる。友達の手助け、人生の先輩の助言、それらの善意が私を支え、辛くも窮地を乗り越えることができた。
これらの経験が、私の心に深く刻まれている。

そして、正直この命を全うするか、はたまた志半ばで倒れるか分からないが、生かされた命であるからこそ、この世に生がある以上、今度は私が誰かを助け、辛い時に手を差し伸べられる人間でありたい。

人の温かさを受け取ったからこそ、その温かさを他の人々に伝えることが、私の使命だと感じる。
夜の静けさの中で、そんな思いが一層強くなる。

人生に彩りを与えるとは、ただ物質的なものではなく、心の中に温かさを灯し、人々の中に希望を見出すことだと。
(与えるという表現は嫌いだが、生憎適切な言葉が出ず)
道を歩くたびに、その願いを胸に刻み、明日へとつなげていきたい。

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