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現物出資による設立はまれなのか?(1)

会社の設立としては、発起設立と募集設立の2パターンがあります(新設分割等による他の会社が関与する場合は除きます)。

そのうち、中小企業の会社設立は、発起設立によることが多いのではないのでしょうか(私自身、募集設立は、在外外国人の投資による場合の数回経験した程度です)。

会社の設立の際によく悩むのは、発起人の方が定款作成等の前にすでに通帳にお金をいれている場合です。会社設立の流れの中では、条文構成からも明らかのように、次の流れとなります。


  1. 設立時発行株式に関する事項の決定(すでに定款で決定していることが実務多いですが)(32条)。

  2. 定款作成(26条)。

  3. 設立時の株式の引受けが完了した後に、出資の履行(34条)。ただし、令和4年6月13日付け法務省民商第286号法務省民事局商事課長通知により、その取扱いについて例外的措置が講じられてます。


未だ定款作成が完了していない段階での出資の履行(?)らしい、通帳への入金は、本来の設立の手順を踏んでおらず、設立無効のおそれがあります。

ここで、定款作成日を、入金の日付より前の日をもって作成すると、登記上は法の手順を踏んだものとして申請も通ります(よいことだとは思いませんが…わたしはやりませんし)

ですので、わたしは発起人のかたに、定款作成が完了し、公証人の認証がおりた後に、通帳から資金をいったんおろしてもらい、再度入金をしていただくことにしています。

これが、会社法34条1\1項の「その出資にかかる金銭の全額を払い込み」に該当し、商業登記法47条2項5号の「払い込みがあったことを証する書面」に該当すると考えています。

続く

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