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教育

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私のこれまでの教育の歩み
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#沈黙

なんで、人は生きるの?

突然、一年生の子供にそう聞かれて、私はあんぐり口を開けた 。その状況は、かつて同僚が置かれた状況に似ていた 。それは、道徳の公開授業での出来事だった 。同僚が「それでは、これから道徳の授業を始めます。」と言った時、教育委員会の指導者がその教室に入ってきた。 まだ、発問もしていないのに、即座に一人の子が手をあげた。 「先生!道徳って、何ですか?」その予想だにしなかった1年生の質問に、その同僚は狼狽し、その答えに窮した 。私は、その話を同情をもって聞いた。こうした概念を1年生の

沈黙がもたらすもの

母は沈黙が上手だった。僕がおねだりすると、すぐ口を閉じた。そこに大人の事情があることなど幼い僕に分かるはずがない。だから、必死に考える。どうしたら買って貰えるか? そんな話を幼稚園で話したら、早速、実践したお母さんがいた。 娘さんと一緒に靴屋さんに行った時、娘さんが靴を二足持って来たそうだ。それを見て、口を開こうとした時、 あ、「沈黙」!何も言わないお母さん、いつもと違うお母さんに戸惑っていた娘さんは、やをら、こう言ったそうです。 「もったいないから一つだよね。」お母