差別は知識があればしないのか?
今日は調子でないのでちょろっと。
素晴らしいインタビューだとは思います。彼ほど私もアイヌ関係の本は読んでいない。けれども、彼の言い分をそのまま信じることにはちょっと危ういものを感じます。
アイヌへの差別は、なかなか奥深いものがありまして。
・江戸時代の国学
日本には日本式中華思想があり、異民族を下に見る価値観がありました。中華思想は中国だけのものではありません。これが漢族の明から、満洲族の清へ交替したあとからさらに盛り上がります。ニッポンすごい! その源流とも言える思想な江戸期を通じて育ってゆきます。
戊辰戦争でも、進軍する側は「夷狄を倒す」という感覚もあった。アイヌへの差別意識なんて当然のことながらインプットされているのです。
松前藩のアイヌ差別に憤っていた松浦武四郎は、明治政府に起用されるもすぐに嫌気がさしてやめました。人気の力関係だけで北海道担当になった公卿出身の官僚なんて「夷狄どすやろ」と露骨にアイヌを毛嫌いしていたこともあるのでしょう。
・西洋から学んだ結果
日本は幕末から西洋思想も学びます。
で、アメリカに行くじゃないですか。するとネイティブアメリカンを差別しているわけですよ。自分達と似た見た目の人々が差別されることにむっとくるけど、そのうち学びます。
「ああ、西洋列強も人種差別しているんだな」
差別する側は、学んだからこそそうすると理論武装できるのです。
・盗骨
学べば差別しないという理論は、アイヌと琉球の墓から人骨が盗難され、研究目的とされたことで否定できるのです。
学べば差別がなくなればよい。でも人間って学ぶにせよ、時代や環境の影響はある。差別を肯定する時代ならばそうなっても仕方ないのです。
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