杉田水脈氏が山口市の成人式で挨拶するということの意味

　2024年、山口市の成人式で杉田水脈氏が挨拶に立ちました。
　気が抜けそうになりました。アイヌ差別をああも堂々として、それを再三にわたり不適切だと指摘してもやめるつもりはない。それどころか山口市の新成人に向けてメッセージを送る。
　挨拶でアイヌについて触れたかどうかはここではどうでもいい。しかし、そんなことをする人間を演壇に立たせる時点で、アイヌ差別なんて山口市は問題視していないとアピールしたようばものでしょう。

　不快であると当時に、腑に落ちるものでもある。『ゴールデンカムイ』と何が関係あるって？　全くないわけでもありません。

蝦夷を討伐する気を滾らせていた戊辰戦争

　『ゴールデンカムイ』では土方歳三が転戦する戊辰戦争。当時の兵士の書いたものを読んでいると、唖然とさせられることがあります。彼らは東北に攻め込む自分たちを、蝦夷討伐に行くようなものだと考えていることがしばしばある。朝廷に逆らう夷狄を滅ぼすのだから、何をしたっていいと言いたげな自信すら滲んでいます。