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祈り


後輩が後輩の親友を殺した

私は後輩を見捨てられなかった

面会に行くと涙が出た

何でこんなことになってしまったのか

殺された後輩の両親との

年に一度のお墓参りのお知らせ電話

思いださせてしまいますか?

いいえ ひと時も娘を忘れたことは

ありませんから

あらから二十年が経っていた

許すことなどできないのだろう

あの子を そして自分を

〈許し〉が救いになると思いながら

何も言えない私がいた

私に何ができるのだろう

こたえは出せないままだ

毎日流れる人殺しのニュース

そんな奴はみんな死刑にすればいい

そう言う義父の言葉に傷つく私がいる

人間を死刑にする権利など誰にあるのだろう

殺されていい人間などどこにいるのだろう

出せないこたえが私を苛む

人間は幸せになるために生まれた

誰でもその人なりに

精一杯幸せを求めて生きている

ただ あの子たちも幸せになりたかったのだ

みんな幸せになりたかったのだ

今日 一粒の種を蒔こう

来年のお墓に供えるために

何にも入っていないお墓に供えるために

日々の積み重ねが少しでも傷を癒すように

毎日 水をやろう

みんなの幸せを祈りながら

こたえが出る日を願って


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