アンダーで撮ってシャドー持ち上げて何が悪い???
撮影時に失敗して露出アンダーで撮ってしまった画像をレタッチで救済したというのが、SNSで流れてきたのだけど、そこから色々派生して、適正露出で撮るのが基本だろ!本とか読んでるよね!って言う、一見まともな投稿をするのも出てきてるんだが…
立場が違えば考え方も違うわけで、自分が正しいと思ってる事でも、全く通用しない場合も有る訳で…
例えば私は360°パノラマを撮る事が有るのだけど、360°と言う事は、晴天の屋外だと必ず太陽が入る訳で、そうすると適正露出ってなに?ってなります。
まぁ、そう言う特殊な状況は置いといて、晴天の屋外の青い空と白い雲。あるいは白っぽい壁の建物と手前や脇にある木陰のシャドー部のディティールを共存させたい場合はどうするの?適正露出はどこ測れば良い?
それって、写真の教科書に載ってる?
って言う疑問は置いといて。
人間の目は自動露出的に明るい所を見れば瞳孔が小さくなり、暗い所を見れば瞳孔は開く。そう言うシーンを同時に見た時に、脳内でHDR合成的なトーンマッピングが行われて(本当か?)青空や白い雲はそのまま、シャドー部の暗い部分もそのまま頭の中で一つのイメージとして出来上がる。
じゃ、それを写真でどう表現するんだ!って言うのは、モノクロ時代からのテーマでは有るわけで…
散歩に出たついでにスマホでRAW+JPGで撮って比較してみた。
完全に手抜き撮影なので水平出てません。😅
露出も適当です。ただ、なにをしたかったかは伝わると思います。
その1:いわゆる標準露出
まぁ、可も無く不可も無く…
それなりに青空なのは分かるし、壁も眩しい。お社に映り込む木の陰や日陰になってる提灯のディティールもそれなりに分かる。
でも、見えてる光景はこれじゃない。
その2:見えてる青空はもっと青い
スマホ画面の壁をタップして露出をアンダーにした。
前の画像の露出、SSは1/430。この画像は1/1800。約1/4なので、露出補正としては-2EV相当。この手の撮影としてはまぁまぁ適度なアンダー露光。
但し、お社や提灯は見えてる状況とは異なる。
なので、レタッチやRAW現像が必要になる。
その3:JPGレタッチ
その1のいわゆる標準露出のJPG画像をアンダー目に補正し同時にシャドーを持ち上げハイライトを下げた。ほぼ見た目には近いが壁のハイライト部分は飛んでしまってディティールは無い。
その4:RAW現像
RAW+JPGで撮ってるので同じようにRAW現像でも試してみたが、ハイライトが飛んでるのはRAW現像でも救済は出来ない。人によってはこれは適正露出ではないから。と言う人も出てくるかも知れないが、じゃ、なにが適正露出だ!と言う話になってくる。
その5:アンダー補正でのJPG画像
その2でのアンダー画像で同様のレタッチ。但し、アンダーなので露出は補正せずハイライトとシャドーのみ。
青空や壁の感じやお社や提灯もほぼ見た目に近い。
作品づくりとかコンテストとかそう言う用途ではなく、日常のスナップならこれで十分。
最後はRAW現像。
壁のディティールで上のJPG画像と差があるが、この辺はシャープネスやノイズ等をデフォルトのままいじっていないのが原因かも知れないが、若干JPGの方が強調されすぎているようにも思えるので、この程度は許容範囲内かと思う。少なくとも標準露出のようなハイライトの飛びは無い。
アンダーかアンダーじゃないかはそれぞれの考え方で変わってくる。
SNSで上がっていたような最初から失敗だと分かっているようなアンダーの画像は置いといて、今回のようなカメラ任せの標準露出では白飛びするような状況ではアンダーで撮るのが適正露出なので、アンダーで撮って何か問題でも?!と言う事になります。
って言うか、これがこの時の適正露出です!