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ショートショートなど(一話読み切り型)

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ショートショート、創作文をここに載せていきます。また、「地味さんに恋して」という日常の地味な存在に対する愛を語った物語も一話完結型で載せていきます。 ※ここに載せる物語はフィク…
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2022年1月の記事一覧

即興演奏、お星さま(ショートショート)

 (1638字)  午後十時。  フィンガートレーナーをグランドピアノ横のサイドテーブルに置き、部屋を出る。ドアを開けると、降谷君が立っていた。 「降谷君。私、今から出かけるわ」 「――分かった」  二十四歳で同い年の降谷君はそれ以上何も言わない。彼は数種類の星形入浴剤を手に持っていたからきっと、今日はどれをお湯に入れるか私に聞きに来たのだろう。  彼と過ごし始めてから二か月が経つ。どうして一緒に暮らしているか、そして、そもそもどうして彼と出会ってしまったのかは、未だ

ウサギちゃん(ショートショート)

(498字) 「ねえ、アラームがセット出来ないのよ」  ウサギちゃんが困った顔をして、僕の膝に乗った。“ウサギちゃん”というのは、本当のウサギちゃんではなく、人間の女の子の名前。ウサギちゃんはショッキングピンクのネイルをした爪を持つ右手で、手のひらサイズの小さな目覚まし時計をぶんぶん振り回す。  もちろん、僕の膝の上で。 「ウサギちゃん、アラームがセット出来ないって、何で?」 「知らないわよ! うわーん!!」 「泣かないで、ウサギちゃん」 「うわーん!!」 「時間が必

本日の被害者(ショートショート)

(1659字)  よく知らないホテルで、よく知らない人間とともに目覚める朝が好きだ。夜じゃない。朝。   それを求めて、今日も仕事帰りの夕方にコーヒーチェーン店で甘ったるいラテを飲みながら適当に“本日の被害者”候補にメッセージを送る。 【ねえ、今から明日の朝まで暇? 悪いけど被害者になってくれない?】  流石に相手も仕事中か……。十五分ほど待っても既読にはならない。それよりこの男、名前なんだっけ?  私は過剰に摂取した砂糖で溶かされつつある頭ん中を何とか働かせ、記憶を

【自由詩】もう必死(たこ焼きセレナーデ)

明けましておめでとうございます。 冬はコタツにみかん最高です(・・)/ 新年最初の投稿は、「とにかくたこ焼きは美味しいんだ!」という想いを込めました。 ※※※※※※※※※※※※※※※ 【自由詩】もう必死(たこ焼きセレナーデ) ”自分と同じ”ばかりが欲しい。 だけど、その先にあるのは天国か地獄か分からない。 〜変調〜 見るのは”今現在” 想うのは”ずっと先” ”昔”のことはたまに思い出して ”さっきまで”は切り離して ”すぐ”は毒になるから何とかして見ないよう、もう必