良い人

倒れていた男を助けた婦人。

「あ、気がつかれましたか。倒れていたのでここで横になって貰っていたのですよ。貴方は丸2日眠り続けていました」
「う…そうでしたか。実は旅をしていたのですが途中で食料が尽きてしまい、なんとかこの町にたどり着いて…そこから覚えていません。助けて頂いてありがとうございます」
「いえいえ。さあ、栄養を採らないと。でもいきなり沢山は食べられないと思ってスープをご用意しています」
「や、全然食えます。ガッツリ肉欲しい」
「え、いや、まずはスープを」
「食えます。肉を。スープ嫌いやし」
「いやいや、ほら」
「まず中に入ってるブロッコリー嫌いなんで」
「ブロッコリー取り除くから」
「人参も」
「人参も」
「タマネギも」
「具、全部やん。まぁまぁ、全部取るから、まずは飲んで胃を慣らしてから…」
「ていうかそのホワイトソース的な?クリームっぽい牛乳ベースのやつがあかんので」
「具の問題ちゃうやん」
「うん、て言うか2日寝たきりで起きたばっかりやからまずはスープって言うのが偏見やから。独りよがりも甚だしいから」
「腹立つなぁ!。分かった、肉汁したたるステーキ焼いたるからちゃんと完食せえよ」
「肉汁したたるやつより焦げてるくらいの激ウェルダン派なんやけど」
「なんやお前。助けへんかったら良かった」
「それは言うたらあかんやん。腹たったとしても」
「うん、それは言うたらあかんな。ごめん」
「そんなん言うてる間に肉焼けるけどなぁ?」
「おい(笑)ウチをおちょくるノリが出来つつあるやん(笑)」
「(笑)」

2人は結婚した。


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