見出し画像

0.4%、私の決断

愛する友だちへ

こんばんは!Shirasuです。
今日は、大切なことを伝えたくて書きました。
読んでくれたらうれしいです。

2002年生まれの私が無料接種期間を通過したけどHPVワクチンについて調べたり、相談した結果接種することを選んだ話

私は去年の春、0.4%の人間になる決断をしました。
さてこの数字はなんでしょうか?

0.4%、これは私と同じ2002年生まれの女性のうち、HPVワクチンを接種した割合です。

私は、同級生のほぼ100%が打っていないワクチンを打つ決断をしました。この記事であなたに伝えたいのは、私がこのワクチンを打つことを決めた理由です。

HPVとはなにか?

HPVはヒトパピローマウイルスです。主に性交渉を通じて感染し、子宮頸がんなどいろんな病気の原因になるウイルスです。

なんと、一般女性のおよそ8割は、HPVに一度でも感染したことがあると推定されています)。性交経験のある女性の多くが感染したことがあると言えますし、それは男性も同様です。


HPVに感染したからと言って、全ての人ががんになるわけではありません。感染者のほとんどは一過性の感染で、その感染病変は2年以内に9割が自然消失します。一部の人で感染病変が持続し前がん病変になり、前がん病変の一部から本当のがんに進行します。現在、日本では毎年1~1.5万人が子宮頸がんになっています。

男性の場合でも、中咽頭がん、肛門がん、陰茎がんなどのがんの原因になっています。

性交渉を経験する全ての男女にとって、HPVはとても身近なリスクです。
でも、そのリスクはワクチンを打つことによって50〜70%、抑えることができます。

(最新の9価のワクチンでは90%をカバーすると言われている)

日本では、2013年4月からHPVワクチンが定期接種ワクチン(決められた年齢では無料で接種を受けることができるもの)となり、小学6年生から高校1年生までの女子が、このワクチンを無料で打てることになっています。

なぜ接種率が低いのか?

接種率の低下には、2013年のメディアによる報道と国の決定が大きく影響しています。

2013年、HPVワクチンが国の定期接種になった直後、接種後に頭痛や倦怠感など体の不調を訴える女性が相次ぎました。メディアは、それをHPVワクチンの薬害として繰り返し報道。国民の不安が高まったとして、国は一時的に、積極的な接種勧奨を控えることを決定。その後、接種率は急減してしまいました。

私も高校生の時に、無料接種の案内を受け取ったはずですが、周りで話題になることもなく、知らない間に無料の接種期間を過ぎてしまいました。
母は、副反応についてのニュースを見ていたため、接種を勧めなかったそうです。
無料の接種期間を過ぎると、5-10万円が自己負担となります。


接種を考えるきっかけ

私がワクチン接種について考えはじめたのは2021年の4月。母からの提案がきっかけでした。

母は、HPVワクチンに限らず、どんな注射にも一定数の副反応が起きていること、海外ではHPVワクチン接種が進んでいる事実を知り、未接種のままでよいのか、考え始めたそうです。
看護学科の学生だった兄も賛成の意見で「本当は男も打った方がいい」と言いました。

(日本で男性のHPVワクチンは自費負担ですが、オーストラリア・ブラジル・英国等男性への接種を女性と同様に無料で行う国もあります。)


この時点で、HPVワクチンを打つまでに3つの高いハードルがありました。

  1. 同学年の99%がこのワクチンを打っていない

  2. 副反応についても不安

  3. 費用が高額


HPVワクチンを打つ人は少数派?

私の周りにワクチンを打つひとがほとんどいないので世界の状況を調べてみました。
すると、「HPVワクチンを打つことは世界的に見れば一般的」ということが分かりました。

以下の図からも分かるとおり、オーストラリア、イギリス、カナダでは接種率は8割超です。

イギリスの研究で「85%が12歳〜13歳でワクチンを接種した学年では、のちに子宮頸がんに罹患する人が接種していない人を含め87%減った」とするデータが発表されました。

婦人科に直接質問

 ネットだけの情報では不安を感じた私は、産婦人科医に電話で相談することにしました。

そこで利用したのは、大学の健康相談窓口です。
大学の提携する産婦人科医を紹介され、副反応について直接お話を伺うことが出来ました。

医師によると、

  • 副反応の95%の軽微なものであること

  • 接種の積極的勧奨が差し控えになったのはメディアの過熱報道の影響が大きいこと

  • 子宮頸がんになって苦しむ患者を患者を間近で見る医師として、接種は積極的に勧めている

とのことでした。

費用はどうする?

コロナ禍でバイト収入が激減。ワクチンの重要性を認識しても、私のポケットマネーで5-10万円を用意すると言うことは不可能でした。

直接ワクチンの話をする機会はありませんでしたが、父は接種費用のサポートを快諾してくれました。

経済的な助けがなければ、私はワクチン接種の検討すらやめていたでしょう。

 HPVワクチンに対して感じていた不安を解消でき、5月に1回目の接種を開始しました。
その後2ヶ月をおいて全3回の接種を終えました。最終的に、副反応は打った直後の腕の痛みだけでした。

ワクチンを打ってから

 ワクチン接種を決断した後気になったのは、99%の友だちが打っていないことです。
そもそも、HPVワクチンのことを知らない。1年前の自分がそうであったからこそ、知ることの大切さを感じています。

打ち損ねた同世代、今なら無料

2021年11月にHPVワクチンについて大きな動きがありました。

HPVワクチンの効果と安全性に関して十分確認が取れたとして、8年ぶりに接種の積極的勧奨が再開されたのです。

積極的勧奨が中断されていた間に、接種の機会を逃した1997-2005年生まれの人も2022年4月から3年間、無料で接種をすることが可能になりました。

大切な友だちに子宮頸がんとワクチンについて知ってほしい。
接種を考えて欲しいと思っています。
私は、ワクチンを打った人が身近に1人も居なかったから、0.4%の選択をすることに勇気が必要でした。

しかし、このワクチンを打つことで、防げる病気があります。
今なら、経済的な理由で諦めなくて良い環境があります。

執筆が、接種を考えるきっかけになれば本当にうれしいです。

愛をこめて

Shirasuより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?